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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


15.10.2 ファイルパス変更コマンドを使用した移動手順

ファイルパス変更コマンドを使用した移動の手順を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) ユニットの変更のない移動

  1. 移動するRDエリア及びシステム用RDエリアのバックアップを取得します。

  2. HiRDBに接続するシステムを停止します。

  3. HiRDBを正常停止します。HiRDB/パラレルサーバの場合,ディクショナリサーバのユニット,及び移動するHiRDBのユニットが正常停止したことを確認します。

  4. 移動元のRDエリアを構成するHiRDBファイルシステム領域を,移動先のディスクに移動します。

  5. マスタディレクトリ用RDエリアの先頭HiRDBファイルを移動する場合は,システム定義pd_master_file_nameオペランドを,移動後のHiRDBファイル名称に変更します。

  6. レプリカRDエリアのファイルを移動する場合,レプリカRDエリアのファイルを参照できるようにします(論理ボリュームの副ボリュームを活性化します)。

  7. pdchpathfコマンドを実行します。

  8. HiRDBを開始します。

  9. HiRDBの開始完了後,pdchpathnコマンドを実行します。

  10. HiRDBの全RDエリアを対象としたバックアップを取得します。

  11. HiRDBに接続するシステムを開始します。

(2) ユニットを変更する移動

  1. 移動前の環境でバックアップを取得します。

  2. 新しい環境でHiRDBをセットアップし,システムファイルの作成,及びシステム定義を新環境用に変更します。マスタディレクトリ用RDエリアの先頭HiRDBファイルのパスが変わる場合は,システム定義pd_master_file_nameオペランドも,移動後のHiRDBファイル名称に変更します。

  3. 旧環境の,全ユニットが正常停止した状態のRDエリアを構成するHiRDBファイルシステム領域のディスクを,新環境に移動します。

  4. レプリカRDエリアのファイルを移動する場合,レプリカRDエリアのファイルを参照できるようにします(論理ボリュームの副ボリュームを活性化します)。

  5. pdchpathfコマンドを実行します。

  6. HiRDBを開始します。

  7. HiRDBの開始完了後,pdchpathnコマンドを実行します。

  8. HiRDBの全RDエリアを対象としたバックアップを取得します。

(3) 注意事項

  1. 移動したHiRDBファイルシステム領域名の長さ(フルパス)は,HiRDBファイルシステム領域に作成している最大のHiRDBファイル名称長と合わせて,最大長(167文字)を超えないようにしてください。

  2. 系切り替え環境の場合,変更するユニットや,ディスクにアクセスするために,IPアドレスの設定及びディスクの有効化をしておく必要があります。

  3. オリジナルRDエリアのパス変更情報はレプリカRDエリアには反映されません。オリジナルRDエリアのパス変更後は,オリジナルRDエリアとレプリカRDエリアの情報が不一致になっているため,オリジナルRDエリアとレプリカRDエリアの同期を取ってください。データベース構成変更ユティリティのRDエリアの構成情報複写(define copy rdarea文)の実行は不要です。

  4. pdchpathfコマンドがI/Oエラーなどで更新中にエラーになった場合,(1)又は(2)のバックアップから回復し,やり直す必要があります。(1)又は(2)のバックアップの回復は,移動前のパスに対して行われるため,HiRDBファイルシステム領域を移動前のパスに戻してから回復してください。制御文の指定内容に不備があり,整合性チェックでエラーになった場合は,エラー要因を取り除くと再実行できます。

  5. pdchpathnコマンドの実行が完了する前に,業務APやpddblsコマンド以外の運用コマンド・ユティリティなどを実行しないでください。

  6. 新しくHiRDBをセットアップする場合,運用ディレクトリのパスも変更できます。

  7. OS又はHiRDBのバージョンが異なるHiRDBファイルシステム領域の移動はできません。