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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


11.7.2 移行手順

実行者 HiRDB管理者及びスーパユーザ

HiRDB/シングルサーバからHiRDB/パラレルサーバへの移行モデルを次の図に示します。

図11‒2 HiRDB/シングルサーバからHiRDB/パラレルサーバへの移行モデル

[図データ]

HiRDB/シングルサーバからHiRDB/パラレルサーバへの移行手順を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) データベース構成変更ユティリティを実行します

データベース構成変更ユティリティ(pdmodコマンド)のalter HiRDB mode to parallel文で,RDエリアをHiRDB/パラレルサーバ用に構成変更します。このときのユティリティ使用例については,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス」を参照してください。

(2) HiRDBを正常終了させます

pdstopコマンドで,HiRDB/シングルサーバを正常終了させます。必ず正常終了させてください。

(3) HiRDB/パラレルサーバの環境設定をします

HiRDB/パラレルサーバの環境設定をします。HiRDB/パラレルサーバの環境設定については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

また,環境設定するときの注意事項を次に示します。

(4) ユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリア,及びリスト用RDエリアを別サーバマシンに移行します

この時点では,ユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリア,及びリスト用RDエリアは,HiRDB/シングルサーバとして使用したサーバマシン(既存のサーバマシン)にあります。別のサーバマシンにユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリア,及びリスト用RDエリアを移行する方法には,次に示す方法があります。

(a) HiRDBの運用コマンドを使用する方法

HiRDBの運用コマンドを使用すると,HiRDBファイルシステム領域単位又はHiRDBファイル単位に移行できます。

HiRDBの運用コマンドを使用して,RDエリアの内容を別サーバマシンに移行する方法を次の図に示します。

図11‒3 RDエリアの内容を別サーバマシンに移行する方法(HiRDBの運用コマンドを使用する場合)

[図データ]

●移行のときの規則及び留意事項
  1. HiRDB識別子は変更できません(システム共通定義のpd_system_idオペランドの指定値は変更できません)。

  2. 移行先のサーバマシンに作成するHiRDBファイルシステム領域名称は,移行元のHiRDBファイルシステム領域名称と同じにしてください。

  3. 移行先のサーバマシンに作成するHiRDBファイルシステム領域長は,移行元のHiRDBファイルシステム領域長と同じか,又は大きくしてください。

  4. HiRDBファイル単位でリストアする場合,移行先のサーバマシンに作成するHiRDBファイルシステム領域長には,そのHiRDBファイルを格納できるだけの大きさが必要です。

  5. 移行が完了しても,移行元のHiRDBファイルシステム領域をすぐに削除しないでください。HiRDB/パラレルサーバの開始及び動作確認後に,移行元のHiRDBファイルシステム領域を削除してください。

(b) OSのコマンドを使用する方法

次に示すOSのコマンドを使用して,RDエリアの内容を別のサーバマシンに移行できます。

  • tar又はcpコマンド

  • rcpコマンド

OSのコマンドを使用すると,HiRDBファイルシステム領域単位に移行できます。

●tar又はcpコマンドを使用する場合

tar又はcpコマンドを使用して,RDエリアの内容を別のサーバマシンに移行する方法を次の図に示します。

図11‒4 RDエリアの内容を別のサーバマシンに移行する方法(tar又はcpコマンドを使用する場合)

[図データ]

ポイント
  • 移行先のサーバマシンに作成するHiRDBファイルシステム領域名称は,移行元のHiRDBファイルシステム領域名称と同じにしてください。

  • 移行するファイルがキャラクタ型スペシャルファイルの場合,移行先のサーバマシンに設定するパーティションサイズは,移行元のパーティションサイズと同じか,又は大きくしてください。

  • 移行が完了しても,移行元のHiRDBファイルシステム領域をすぐに削除しないでください。HiRDB/パラレルサーバの開始及び動作確認後に,移行元のHiRDBファイルシステム領域を削除してください。

●rcpコマンドを使用する場合

rcpコマンドを使用して,RDエリアの内容を別のサーバマシンに移行する方法を次の図に示します。

図11‒5 RDエリアの内容を別のサーバマシンに移行する方法(rcpコマンドを使用する場合)

[図データ]

ポイント
  • 移行先のサーバマシンに作成するHiRDBファイルシステム領域名称は,移行元のHiRDBファイルシステム領域名称と同じにしてください。

  • 移行するファイルがキャラクタ型スペシャルファイルの場合,移行先のサーバマシンに設定するパーティションサイズは,移行元のパーティションサイズと同じか,又は大きくしてください。

  • 移行が完了しても,移行元のHiRDBファイルシステム領域をすぐに削除しないでください。HiRDB/パラレルサーバの開始及び動作確認後に,移行元のHiRDBファイルシステム領域を削除してください。

(5) HiRDBを正常開始します

pdstartコマンドで,HiRDB/パラレルサーバを正常開始します。

(6) ストアドプロシジャ及びストアドファンクションを再作成します

ストアドプロシジャ及びストアドファンクション(ユーザ定義関数のストアドファンクション)を作成していた場合,ALTER ROUTINEでストアドプロシジャ及びストアドファンクションを再作成します。

HiRDB/シングルサーバからHiRDB/パラレルサーバに移行すると,すべてのストアドプロシジャ及びストアドファンクションが無効になるため,この操作が必要になります。