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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


6.8.2 更新凍結コマンド(pddbfrzコマンド)とは

更新凍結コマンドを実行すると,ユーザLOB用RDエリア中の満杯データページ(すべて割り当て済み)のHiRDBファイルを更新凍結状態にします。更新凍結状態のHiRDBファイル中のデータを更新及び削除できません。更新凍結コマンドの処理概要を次の図に示します。

図6‒4 更新凍結コマンドの処理概要

[図データ]

〔説明〕
  • HiRDBファイル1〜4で構成されるユーザLOB用RDエリアがあります。HiRDBファイル2,3が満杯データページです。満杯データページの調査方法については,「満杯データページの調査方法」を参照してください。

  • このユーザLOB用RDエリアに更新凍結コマンドを実行すると,HiRDBファイル2,3が更新凍結状態になります。更新凍結状態になったHiRDBファイルはKFPH27024-Iメッセージに表示されます。

  • HiRDBファイル1及びHiRDBファイル4は更新可能状態になります。

〈この項の構成〉

(1) 更新凍結コマンドのバックアップ取得への利用方法

更新凍結コマンドのバックアップ取得への利用方法を次の図に示します。

図6‒5 更新凍結コマンドのバックアップ取得への利用方法

[図データ]

〔説明〕

バックアップ取得前に更新凍結コマンドを実行します。その結果,HiRDBファイル2,3が更新凍結状態になりました。

  1. 初回のバックアップ取得時には全HiRDBファイル(HiRDBファイル1〜4)のバックアップを取得します。

  2. HiRDBファイル2〜3は更新凍結状態のため,初回のバックアップ取得時と内容が変わっていません。したがって,次回のバックアップ取得時にはHiRDBファイル2,3のバックアップを取得する必要はありません。HiRDBファイル1及びHiRDBファイル4のバックアップだけを取得します。

備考

先頭HiRDBファイル(図「更新凍結コマンドのバックアップ取得への利用方法」の場合はHiRDBファイル1)には管理レコードがあるため,データ部が満杯になっても常に書き込みが発生します。このため,更新凍結状態になることはありません。したがって,先頭HiRDBファイルのバックアップは常に取得することになります。

(2) バックアップ取得時の手順

バックアップ取得時の手順を次に示します。バックアップ取得時の運用例については,「運用例」を参照してください。

〈手順〉
  1. 更新凍結コマンドで,満杯データページのHiRDBファイルを更新凍結状態にします。

  2. KFPH27024-Iメッセージ又はデータベース状態解析ユティリティ(pddbstコマンド)で,更新凍結状態のHiRDBファイルを確認します。

  3. バックアップを取得します。1回目のバックアップ取得時には全HiRDBファイルのバックアップを取得します。2回目以降のバックアップ取得時には,更新可能状態のHiRDBファイルのバックアップだけを取得します。更新凍結状態のHiRDBファイルはバックアップを取得する必要はありません。

(3) 更新凍結状態を解除するには

HiRDBファイルの更新凍結状態を解除するには,pddbfrz -dコマンドを実行します。

また,RDエリアを再初期化すると,更新凍結状態は解除されます。

(4) 更新凍結状態のHiRDBファイルを調べるには

データベース状態解析ユティリティ(pddbstコマンド)を実行すると,HiRDBファイルが更新凍結状態かどうかが分かります。

(5) 更新凍結状態にできないHiRDBファイル

次に示すHiRDBファイルは更新凍結状態にできません。

注※

データ型プラグインが使用するユーザLOB用RDエリアの場合,プラグインが使用する論理ファイルがあるHiRDBファイルは更新凍結状態になりません。論理ファイルは通常先頭HiRDBファイルにありますが,論理ファイルの拡張が発生すると,先頭以外のHiRDBファイルに作成されことがあります。そのため,データ型プラグインを使用する場合,CREATE TABLEで作成されるプラグインの論理ファイルが先頭HiRDBファイルに格納できるように先頭HiRDBファイルの容量を見積もってください。