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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


3.10.1 システムログファイルの自動拡張機能とは

システムログファイルの容量不足が発生すると,HiRDBシステム(又はユニット)が異常終了します。これを回避するため,自動的にシステムログファイルの容量を拡張する機能(システムログファイルの自動拡張機能)を提供しています。この機能を適用することで,システムログファイルの容量不足によるHiRDBシステム(又はユニット)の異常終了の頻度を低減できます。

〈この項の構成〉

(1) 自動拡張する契機

システムログファイルを自動拡張する契機には,次の二つがあります。

契機1:

システムログファイルの空き容量監視機能によって,システムログファイルの空き率が警告値未満になったことをHiRDBが検知したとき

契機2:

現用のシステムログファイルが満杯になってスワップする時に,スワップ先にできる状態の待機ファイルがないとき

システムログファイルを自動拡張する契機になった場合,KFPS01391-Iメッセージとシステムログファイルの状態情報ファイルが出力されます。システムログファイルの状態情報ファイルについては,「システムログファイルの状態情報ファイルの出力(自動拡張機能)」を参照してください。

なお,契機1でシステムログファイルを自動拡張する場合,警告メッセージの出力や,新規トランザクションのスケジューリング抑止などは行いません。

(2) 自動拡張する方法

システムログファイルを拡張する契機ごとに自動拡張する方法を説明します。

契機1の場合:

HiRDBはスワップ先にできる状態の待機ファイルを一つずつ順番に拡張します。拡張契機になってから,拡張対象のシステムログファイルを1回ずつ拡張したら,1回目の自動拡張を終了します。契機1の場合の自動拡張の概要を次の図に示します。

図3‒8 システムログファイルの自動拡張の概要(契機1の場合)

[図データ]

〔説明〕

契機1の場合,HiRDBは待機ファイルを順番に拡張します。1回で拡張するサイズは,pd_log_auto_expand_sizeオペランドで指定します。現用ファイル,スワップ先にできない待機ファイル,及び予約ファイル(閉塞も含む)は拡張対象外となります。

契機2の場合:

HiRDBは現用ファイルを拡張します。契機2の場合の自動拡張の概要を次の図に示します。

図3‒9 システムログファイルの自動拡張の概要(契機2の場合)

[図データ]

〔説明〕

契機2の場合,HiRDBは現用ファイルを拡張します。1回で拡張するサイズは,pd_log_auto_expand_sizeオペランドで指定します。待機ファイル,及び予約ファイル(閉塞も含む)は拡張対象外となります。

なお,システムログファイルを二重化している場合,ファイルグループごとに両系のシステムログファイルを拡張します。

自動拡張時のHiRDBの処理の詳細については,「自動拡張時のHiRDBの処理」を参照してください。

(3) 自動拡張できなくなる契機

システムログファイルの自動拡張機能を適用している場合でも,次に示す契機でシステムログファイルは自動拡張できなくなります。

  1. システムログファイルを作成しているHiRDBファイルシステム領域があるディスクが満杯になった

  2. システムログファイルの容量が,システムログファイルの上限(100ギガバイト)に達した

  3. システムログファイルの容量が,pd_log_auto_expand_sizeオペランドで指定した拡張上限に達した

  4. 入出力エラーが発生し,システムログファイルの拡張に失敗した

  5. メモリ不足でシステムログファイルの拡張に失敗した

  6. ロックセグメント不足でシステムログファイルの拡張に失敗した

1.以外の場合,システムログファイルは拡張対象外となります。自動拡張できなくなった場合のHiRDB管理者の処置については,「自動拡張できなくなった場合のHiRDB管理者の処置」を参照してください。