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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


3.10.4 自動拡張できなくなった場合のHiRDB管理者の処置

HiRDB管理者は,システムログファイルの状態を確認し,原因に応じて対処します。

〈この項の構成〉

(1) 自動拡張できなくなったシステムログファイルを特定する

KFPS01390-Iメッセージを参照し,自動拡張できなくなったシステムログファイルを特定してください。KFPS01390-Iメッセージには,自動拡張できなくなったシステムログファイルがあるサーバ名,ファイルグループ名,二重化している場合は系種別が表示されます。

(2) 自動拡張できなくなった原因を特定する

KFPS01390-Iメッセージに表示される理由コードを参照し,自動拡張できなくなった原因を特定してください。また,該当するサーバのシステムログファイルに対してpdlogls -d sys -e -Eコマンドを実行して,システムログファイルの状態を確認してください。pdlogls -d sys -e -Eコマンドを実行すると,次の点を確認できます。

(3) 特定した原因に応じてシステムログファイルを見直す

自動拡張できなくなった原因に応じて,対処してください。

システムログファイルを作成しているHiRDBファイルシステム領域があるディスクが満杯になった場合

自動拡張できなくなった原因が,システムログファイルを作成しているHiRDBファイルシステム領域があるディスクが満杯になったという場合(KFPS01390-Iメッセージの理由コードが205)の対処を次に示します。

  1. OSのコマンドで,該当するシステムログファイルを作成しているディスクが満杯になったことを確認してください。

  2. 不要なファイルを削除するなどして,ディスクの空き容量を増やしてください。

システムログファイルの容量が,システムログファイルの上限に達した場合

自動拡張できなくなった原因が,システムログファイルの上限に達したという場合(KFPS01390-Iメッセージの理由コードが1692)の対処を次に示します。

  1. pdflsコマンドで,該当するシステムログファイルがシステムログファイルの上限(100ギガバイト)に達したことを確認してください。

  2. システムログファイルの総容量及び世代数を見直してください。システムログファイルの総容量及び世代数については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「システムログファイルの設計」を参照してください。

  3. システムログファイルグループを追加してください。

システムログファイルの容量が,pd_log_auto_expand_sizeオペランドで指定した拡張上限に達した場合

自動拡張できなくなった原因が,pd_log_auto_expand_sizeオペランドで指定した拡張上限に達したという場合(KFPS01390-Iメッセージの理由コードが1694)の対処を次に示します。

  1. pdflsコマンドで,該当するシステムログファイルがpd_log_auto_expand_sizeオペランドで指定した拡張上限に達したことを確認してください。

  2. pd_log_auto_expand_sizeオペランドに指定する拡張上限サイズを見直すか,指定を省略してください。

    HiRDBシステム定義を変更する場合,次のどちらかの方法で変更してください。

    ・pdchgconfコマンドを使用して変更する

    ・HiRDBを正常終了し,HiRDBシステム定義を変更してからHiRDBを再開始する

入出力エラーが発生し,システムログファイルの拡張に失敗した場合

自動拡張できなくなった原因が,入出力エラーが発生し,システムログファイルの拡張に失敗したという場合(KFPS01390-Iメッセージの理由コードが209)の対処を次に示します。

  1. pdlogls -d sysコマンドで,該当するシステムログファイルが障害閉塞していることを確認してください。

  2. KFPS01390-Iメッセージの前後に出力されたメッセージを参照し,入出力エラーの発生原因を特定し,対策してください。

  3. 再度拡張できる状態にするには,該当するシステムログファイルを再作成してください。

    参考

    システムログファイルは,次の手順で再作成します。

    1. pdlogclsコマンドで該当するシステムログファイルをクローズします。

    2. pdlogrmコマンドで該当するシステムログファイルを削除します。

    3. pdloginitコマンドでシステムログファイルを再作成します。

    4. pdlogopenコマンドでシステムログファイルをオープンします。

メモリ不足でシステムログファイルの拡張に失敗した場合

自動拡張できなくなった原因が,メモリ不足が発生し,システムログファイルの拡張に失敗したという場合(KFPS01390-Iメッセージの理由コードが101)の対処を次に示します。

  1. OSのコマンドで,メモリ不足が発生したことを確認してください。

  2. メモリ所要量を見直してください。不要なプログラムを起動している場合は停止し,メモリ消費量を減らしてください。

  3. 再度拡張できる状態にするには,該当するシステムログファイルをいったんクローズして,再度オープンしてください。

ロックセグメント不足でシステムログファイルの拡張に失敗した場合

自動拡張できなくなった原因が,ロックセグメント不足が発生し,システムログファイルの拡張に失敗したという場合(KFPS01390-Iメッセージの理由コードが221)の対処を次に示します。

  1. OSのコマンドで,ロックセグメント不足が発生したことを確認してください。

  2. OSのロックセグメント数を見直してください。

    ロックセグメント数を変更する場合,HiRDBを正常終了し,OSのオペレーティングシステムパラメタを変更してから,HiRDBを再開始してください。