ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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26.2.4 HiRDBに関する準備

実行者 HiRDB管理者

ここでは,HiRDBに関する準備方法について説明します。

<この項の構成>
(1) 前提条件及び注意事項
(2) 共有ディスク装置の準備
(3) HiRDBシステム定義の作成
(4) RDエリアの作成
(5) グローバルバッファの定義
(6) 監査証跡ファイルの運用
(7) NetBackup連携機能を使用する場合の注意事項

(1) 前提条件及び注意事項

(a) 現用系と予備系で一致させること

現用系及び予備系で,次に示すことを一致させてください。

(b) 環境設定に関する注意事項

ClusterPerfect使用時の注意事項
HiRDBの環境設定をする前に,ClusterPerfectのデーモンを次に示すコマンドで停止してください。このコマンドの実行にはroot権限が必要です。
# /etc/rc.d/init.d/dncware_daemon stop
ClusterPerfectのデーモンを開始するときは,次に示すコマンドを実行してください。
# /etc/rc.d/init.d/dncware_daemon start

(2) 共有ディスク装置の準備

現用系と予備系で共有する外付けハードディスクが必要です。このハードディスクを共有ディスク装置といいます。

(a) 共有ディスクの割り当て

共有ディスクの割り当てを次の図に示します。

図26-28 共有ディスクの割り当て

[図データ]

〔説明〕
ユニット単位の切り替えのためユニットごとに共有ディスクを割り当てます。

共有ディスク装置には次に示すHiRDBファイルシステム領域を作成します。

注意事項
  • これらのHiRDBファイルシステム領域は両方(現用系及び予備系)のHiRDBから同じパス名で参照できるように設定してください。
  • 共用RDエリア用HiRDBファイルシステム領域を作成した共有ディスクは全ユニットから読み書きモードでアクティブにしておく必要があります。このため,系切り替え機能に伴って非アクティブ化,及びアクティブ化をしてはなりません。
  • 通常ファイルでは,ディスクに反映されない状態(例えば,HiRDBで書き込み完了していても,OSキャッシュ上に残っている状態など)で系が切り替わると,更新内容が失われることがあるため,キャラクタ型スペシャルファイルを推奨します。ただし,系切り替えが発生してもOSがデータを保証する通常ファイル(ジャーナルファイルシステム)であれば,次に示すファイルを共有ディスク上に配置してもかまいません。
    ・pdlogunldコマンド又は自動ログアンロード機能でアンロードするアンロードログファイル
    ・データベース複写ユティリティ(pdcopy)で取得するバックアップファイル
    ・データベース再編成ユティリティ(pdrorg)で作成するアンロードデータファイル
(b) 共有ディスクのアクセス制御

系切り替え機能を使用する場合,系の切り替え元と切り替え先の両方から同時に共有ディスクにアクセスが行われると,データベースが壊れる可能性があります。そのため,両方の系から共有ディスクをアクセスできないように制御を行う必要があります。共有ディスクのアクセス制御は,クラスタソフトウェアが行うか,又はHiRDBが行います。

なお,通常は,「クラスタソフトウェアによる共有ディスクのアクセス制御」の方法で共有ディスクのアクセス制御を行います。「HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御」の方法は,HAモニタ 01-08以降が前提条件になります。

クラスタソフトウェアによる共有ディスクのアクセス制御
クラスタソフトウェアが共有ディスクのアクセス制御を行います。実行系をアクティブに,待機系及び停止中の系を非アクティブに制御し,実行系だけが共有ディスクにアクセスできるようにします。クラスタソフトウェアによる共有ディスクのアクセス制御を次の図に示します。

図26-29 クラスタソフトウェアによる共有ディスクのアクセス制御

[図データ]
〔説明〕
非アクティブの系からは共有ディスクをアクセスできません。そのため,実行系だけが共有ディスクにアクセスできます。
共有ディスクの切り替え方法(アクティブ,非アクティブの切り替え方法)については,クラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。
なお,HAモニタを使用している場合は,HAモニタのserver定義文のdiskオペランドを指定してください。

HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御
HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御は,HAモニタ 01-08以降が前提条件になります。
HiRDBが共有ディスクのアクセス制御を行います。この場合,共有ディスクの切り替え(アクティブ,非アクティブの切り替え)は行いません。次に示す流れで系が切り替わります。
  1. 系が切り替わる障害が発生しました。
  2. 切り替え元の系ですべてのサーバプロセスが終了したことをHiRDBが確認します。
  3. 系が切り替わります。
  4. 切り替え先の系から共有ディスクへのアクセスを開始します。
HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御を次の図に示します。

図26-30 HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御

[図データ]

(3) HiRDBシステム定義の作成

(a) HiRDBシステム定義ファイルの構成

現用系,予備系とも同じHiRDBシステム定義を使用します。現用系のHiRDBシステム定義を作成した後に,そのHiRDBシステム定義を予備系にコピーしてください。HiRDB/シングルサーバ,及びHiRDB/パラレルサーバのHiRDBシステム定義ファイルの構成例を次に示します。

図26-31 スタンバイ型系切り替え機能使用時のHiRDBシステム定義ファイルの構成例(HiRDB/シングルサーバの場合)

[図データ]

図26-32 スタンバイ型系切り替え機能使用時のHiRDBシステム定義ファイルの構成例(HiRDB/パラレルサーバの場合)

[図データ]

(b) モニタモードの場合に設定するHiRDBシステム定義のオペランド

ここでは,モニタモードを使用した場合に設定するHiRDBシステム定義のオペランドについて説明します。関連するオペランドを次の表に示します。

表26-12 モニタモードの場合に設定するHiRDBシステム定義のオペランド

オペランド名 説明及び注意事項
pd_ha 系切り替え機能を使用する場合に指定します。
pd_ha_ipaddr_inherit IPアドレスを引き継ぐかどうかを指定します。マルチスタンバイ構成を適用する場合は,Yを指定してください。
Y:IPアドレスを引き継ぎます。
N:IPアドレスを引き継ぎません。
pd_ha_unit ユニットに系切り替え機能を適用している場合は指定しないでください。
システム内で系切り替え機能を適用しないユニットがある場合,又はシステム内に回復不要FESユニットがある場合は,そのユニットのユニット制御情報定義のpd_ha_unitオペランドにnouseを指定します。
pd_ha_acttype 系切り替え機能をモニタモードで運用するか,サーバモードで運用するかを指定します。HACMP,PowerHA,ClusterPerfect,又はLifeKeeperを使用した系切り替え機能の場合はサーバモードを使用できません。モニタモードでの運用となります。
monitor:系切り替え機能をモニタモードで運用します。
server:系切り替え機能をサーバモードで運用します。
pd_ha_restart_failure このオペランドはモニタモードの場合に指定できます。サーバモードの場合にこのオペランドを指定しても無効になります。HiRDBの再開始に失敗したときに実行するコマンドを指定します。
pd_mode_conf HiRDB(ユニット)の開始方法に関するオペランドです。指定値の目安を次に示します。
モニタモードの場合はMANUAL1を指定してください。
pd_hostname 現用系の標準ホスト名を指定します。
pdunit -x 現用系のホスト名を指定します。マルチスタンバイ構成の場合は,IPアドレスを引き継ぐホスト名を指定してください。
-u ユニット識別子を指定します。
-d HiRDB運用ディレクトリ名を指定します。マルチスタンバイ構成の場合は,現用系とすべての予備系で同じディレクトリ名となるように構築してください。
-c 予備系のホスト名を指定します。IPアドレスを引き継がない場合に指定します。
-p HiRDBのポート番号を指定します。
-s スケジューラのポート番号を指定します。
-t トランザクションサーバのポート番号を指定します。
pd_service_port 同一サーバマシン内複数ユニット構成の場合(相互系切り替え構成を含みます)にこのオペランドを指定するときは注意が必要です。同一サーバマシン内複数ユニット構成の場合(相互系切り替え構成を含みます),このオペランドはユニット制御情報定義でユニットごとに別々のポート番号を指定してください。
次に示す指定をした場合は,どちらかのユニットへの系の切り替えに失敗します。
  • システム共通定義のpd_service_portオペランドを指定した(ユニット制御情報定義のpd_service_portオペランドは指定していない)
  • ユニット制御情報定義のpd_service_portオペランドに,ほかのユニット制御情報定義のpd_service_portオペランドと同じポート番号を指定した

(4) RDエリアの作成

共有ディスクに作成したRDエリア用のHiRDBファイルシステム領域にRDエリアを定義します。ユーザ用RDエリアとシステム用RDエリアをそれぞれ異なる共有ディスクのHiRDBファイルシステム領域に作成するときの定義例を次に示すシステム構成例を基に説明します。

図26-33 HiRDB/シングルサーバのシステム構成例

[図データ]

●create rdarea文の指定例

 
create rdarea SMAST for masterdirectory                   1
  file name "/sds0111/srd01" initial 10 segments;
create rdarea SDIR for datadirectory                      2
  file name "/sds0112/srd02" initial 5 segments;
create rdarea SDIC for datadictionary                     3
  file name "/sds0113/srd03" initial 20 segments;
create rdarea SUSR01 for user used by PUBLIC              4
  file name "/sds0121/srd04" initial 500 segments;
create rdarea SUSR02 for user used by PUBLIC              5
  file name "/sds0131/srd05" initial 500 segments;
 

〔説明〕
  1. マスタディレクトリ用RDエリア(SMAST)を共有ディスクAのHiRDBファイルシステム領域に作成します。
  2. データディレクトリ用RDエリア(SDIR)を共有ディスクAのHiRDBファイルシステム領域に作成します。
  3. データディクショナリ用RDエリア(SDIC)を共有ディスクAのHiRDBファイルシステム領域に作成します。
  4. ユーザ用RDエリア(SUSR01)を共有ディスクBのHiRDBファイルシステム領域に作成します。
  5. ユーザ用RDエリア(SUSR02)を共有ディスクCのHiRDBファイルシステム領域に作成します。

    図26-34 HiRDB/パラレルサーバのシステム構成例

    [図データ]

●create rdarea文の指定例

 
create rdarea PMAST for masterdirectory                      1
    server name DIC file name "/dic0111/prd01"
    initial 10 segments;
create rdarea PDIR for datadirectory                         2
    server name DIC file name "/dic0112/prd02"
    initial 5 segments;
create rdarea PDIC for datadictionary                        3
    server name DIC file name "/dic0113/prd03"
    initial 20 segments;
create rdarea PUSR01 for user used by PUBLIC                 4
    server name BACK01 file name "/back0121/prd04"
    initial 500 segments;
create rdarea PUSR02 for user used by PUBLIC                 5
    server name BACK02 file name "/back0231/prd05"
    initial 500 segments;
 

〔説明〕
  1. マスタディレクトリ用RDエリア(PMAST)を共有ディスクAのHiRDBファイルシステム領域に作成します。
  2. データディレクトリ用RDエリア(PDIR)を共有ディスクAのHiRDBファイルシステム領域に作成します。
  3. データディクショナリ用RDエリア(PDIC)を共有ディスクAのHiRDBファイルシステム領域に作成します。
  4. ユーザ用RDエリア(PUSR01)を共有ディスクBのHiRDBファイルシステム領域に作成します。
  5. ユーザ用RDエリア(PUSR02)を共有ディスクCのHiRDBファイルシステム領域に作成します。

(5) グローバルバッファの定義

マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「グローバルバッファの割り当て方法」を参照して,作成したRDエリアにグローバルバッファを割り当ててください。

(6) 監査証跡ファイルの運用

実行者 HiRDB管理者,及び監査人

監査証跡ファイルはHiRDB管理者が共有ディスクに作成します。HiRDB管理者,及び監査人は,共有ディスク上の監査証跡ファイルを運用してください。

(a) 監査証跡ファイルの作成

監査証跡ファイルは,HiRDB管理者が共有ディスクに作成します。

(b) 監査証跡ファイルの運用

系切り替えが発生した場合,HiRDBは共有ディスク上の監査証跡ファイルに監査事象を記録します。監査事象の記録に関する監査証跡ファイルの運用については,「24.6 監査証跡ファイルの運用」を参照してください。

(c) 監査証跡の取得

系切り替えが発生した場合,監査証跡取得状態の引き継ぎについては,切り替え元ユニットの停止状態に依存します。切り替え先の系が再開始の場合は系を切り替える前の状態を引き継ぎます。切り替え先の系が正常開始の場合はpd_auditオペランドの指定に従います。

(d) pdloadの実行

HiRDB管理者は,監査証跡ファイルを入力情報として,pdloadを実行してください(認証は監査人)。ただし,障害などで系が切り替わった場合,HiRDBは切り替わる直前の監査事象を正しく取得しません。このため,pdloadを実行しても切り替え直前のデータを取得できない場合があります。

(7) NetBackup連携機能を使用する場合の注意事項

系切り替え構成でNetBackup連携機能を使用する場合で,バックアップを取得したNetBackupクライアントとは別のNetBackupクライアントで回復を行うときは,次の環境設定と運用が必要です。ただし,この環境設定と運用は,JP1/VERITAS NetBackup 5.0以降を使用している場合にだけ適用してください。