スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド

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4.2.1 メインサイトとリモートサイトのデータベースの更新同期を取る必要がある場合

ハイブリッド方式を使用している場合,表4-4および表4-5で示す操作を行うと,そのときの更新データはシステムログファイルから回復できないため,メインサイトとリモートサイトのデータベースの更新同期を取る必要があります。更新同期を取る処理はHiRDBが行いますが,その分のオーバヘッドが掛かるため,表4-4および表4-5で示す操作の処理時間が通常より長くなります。また,これらの操作を行ったときにKFPS04680-Eメッセージが出力された場合,これらの操作で更新したRDエリアはサイトを切り替えたあとにデータの回復を保証しません。データベースの更新同期を取る必要があるコマンドを表4-4に,データベースの更新同期を取る必要がある操作を表4-5に示します。

表4-4 データベースの更新同期を取る必要があるコマンド

コマンド名 オプション コマンドの説明 オーバヘッド KFPS04680-Eメッセージが出力されたときにデータの回復を保証しないRDエリア
pdhold -s 同期化閉塞 2(秒/-rオプションに指定したRDエリア) -rオプションに指定したRDエリア
-c コマンド閉塞かつクローズ
pdclose RDエリアのクローズ
pdrels RDエリアの閉塞解除
pdorbegin -r オンライン再編成のデータベース静止化 2(秒/-rオプションに指定したRDエリア) -rオプションに指定したRDエリア
-s 2(秒/-sオプションに指定したサーバのRDエリア) -sオプションに指定したサーバのRDエリア
-t 2(秒/-tオプションに指定した表が格納されているRDエリア) -tオプションに指定した表が格納されているRDエリア
pdorend -sオプション省略時 オンライン再編成の追い付き反映 2(秒/オンライン再編成閉塞状態のRDエリア) オンライン再編成閉塞状態のRDエリア
-s 2(秒/-sオプションに指定したサーバのRDエリアの中で,オンライン再編成閉塞状態のRDエリア) -sオプションに指定したサーバのRDエリアの中で,オンライン再編成閉塞状態のRDエリア

(凡例)−:すべてのオプションが該当します。

表4-5 データベースの更新同期を取る必要がある操作

操作 オーバヘッド KFPS04680-Eメッセージが出力されたときにデータの回復を保証しないRDエリア
コミットまたはロールバック HiRDB Text Search Plug-inを使用した更新 2(秒/更新したRDエリア) 更新対象のユーザLOB用RDエリア
BLOBデータの更新
更新前ログ取得モードまたはログレスモードを使用した更新 更新対象のユーザ用RDエリアおよびユーザLOB用RDエリア
共用RDエリアの更新 更新対象の共用RDエリア
オープン属性がSCHEDULE属性のRDエリアの更新 更新対象のユーザ用RDエリアおよびユーザLOB用RDエリア
DISCONNECT 共用RDエリアの更新 更新対象の共用RDエリア
共用表への定義系SQLの実行 2秒 定義系SQLを実行した共用RDエリア
共用表への排他モード指定のLOCK TABLEの実行 LOCK TABLEを実行した共用RDエリア
RDエリアの自動増分 2(秒/回) 自動増分を実行したRDエリア

注※ HiRDB/パラレルサーバの場合に該当します。HiRDB/シングルサーバの場合は対象外です。