6.11.6 運用上の注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) HiRDB/SD定義ユティリティ(pdsdbdef)を実行する場合の注意事項
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HiRDBの再起動を必要とするSDBデータベースの定義追加,定義変更,または定義削除をする場合
HAモニタのmonsbystpコマンドですべての待機系ユニットを終了してから,HiRDB/SD定義ユティリティを実行してください。手順については,「5.6 SDBデータベースの定義追加,定義変更,または定義削除(HiRDBの再起動を必要とする場合)」を参照してください。
待機系ユニットを終了しないでHiRDB/SD定義ユティリティを実行した場合,HiRDB/SD定義ユティリティの実行後に,すべての待機系ユニットを再起動してください。待機系ユニットを再起動しないと,次に示す場合に待機系ユニットが異常終了します。
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実行系ユニットの単独再起動(正常終了後の再起動)を行い,そのあとに系切り替えが発生した場合
待機系ユニットが異常終了した場合は,待機系ユニットをpdstart -uまたはpdstart -qコマンドで開始してください。
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HiRDBの再起動を必要としないSDBデータベースの定義追加または定義変更をする場合
HiRDB/SD定義ユティリティを実行して,新しいSDBディレクトリ情報ファイルを待機系に配布したあとに待機系ユニットを再起動してください。手順については,「5.7 SDBデータベースの定義追加または定義変更(HiRDBの再起動を必要としない場合)」を参照してください。
待機系ユニットを再起動しないと,系切り替えが発生したときに待機系ユニットが異常終了します。待機系ユニットが異常終了した場合は,待機系ユニットをpdstart -uまたはpdstart -qコマンドで開始してください。
(2) データベース構成変更ユティリティ(pdmod)を実行する場合の注意事項
データベース構成変更ユティリティを実行した場合※,すべての待機系ユニットを再起動してください。すべての待機系ユニットを再起動しないと,系切り替えが発生したときに待機系ユニットが異常終了します。待機系ユニットが異常終了した場合は,待機系ユニットをpdstart -uまたはpdstart -qコマンドで開始してください。
- 注※ データベース構成変更ユティリティの次に示す操作を除きます。
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HiRDBファイルシステム領域の世代登録
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HiRDBファイルシステム領域の世代削除
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(3) 待機系ユニットを再起動する必要がある操作(重要)
次に示す操作をしたあとに,実行系ユニットの単独再起動(正常終了後の再起動)をした場合,すべての待機系ユニットを再起動してください。すべての待機系ユニットを再起動しないと,系切り替えが発生したときに待機系ユニットが異常終了します。待機系ユニットが異常終了した場合は,待機系ユニットをpdstart -uまたはpdstart -qコマンドで開始してください。
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定義系SQLの実行
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監査証跡表の作成
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pddbchgコマンドの実行
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オンライン再編成の実行(pdorbegin,pdorendコマンドの実行)
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HiRDBシステム定義の変更(次に示すオペランドの指定値を変更した場合)
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グローバルバッファの定義(pdbuffer)
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RDエリアの最大数(pd_max_rdarea_no)
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RDエリアを構成するHiRDBファイルの最大数(pd_max_file_no)
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インナレプリカグループの最大数(pd_inner_replica_control)
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表予約数の最低保証値(pd_assurance_table_no)
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インデクス予約数の最低保証値(pd_assurance_index_no)
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(4) コマンド実行時の注意事項
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HiRDBの停止中にコマンドを実行する場合,実行系と待機系の両方のHiRDBが終了している必要があります。ただし,pdstartコマンドを除きます。
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待機系のHiRDBを開始するためのpdstartコマンド以外は,HiRDBの稼働中に待機系のHiRDBでコマンドを実行しないでください。
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HiRDBの強制終了または異常終了後にpdsetup -dコマンドを実行する場合は,pdsetup -dコマンドの応答にYを指定しないでください。Yを応答すると,そのあとHiRDBを開始できなくなることがあります。
(5) 系が切り替わったあとのホスト名の扱い
高速系切り替え機能ではIPアドレスを引き継げないため,現用系と予備系のホスト名が異なります。系が切り替わったあとのホスト名の扱いについて説明します。
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運用コマンドおよびユティリティに指定するホスト名について
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系が切り替わったあとも,コマンドやユティリティに指定するホスト名またはユニット識別子を変える必要はありません。ホスト名には,システム共通定義のpdunitオペランドの-xオプションに指定した現用系ユニットのホスト名を常に指定します。
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ユニット識別子を指定する場合は,ホスト名を意識する必要はありません。
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コマンドの処理結果には現用系ユニットのホスト名が常に表示されます。
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メッセージに表示されるホスト名について
メッセージには常に現用系ユニットのホスト名が表示されます。
(6) RDエリアのオープン契機について
高速系切り替え機能の対象になる待機系ユニットは,待機状態のときにRDエリアをオープンしていません。また,系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンし,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,待機系のRDエリアのオープン契機はINITIAL属性になりません。INITIAL属性のRDエリアはDEFER属性になります。
RDエリアのオープン契機については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「RDエリアのオープン契機を変更する方法(RDエリアの属性変更)」を参照してください。
(7) 共有ディスク上に作成したHiRDBファイルにアクセスできない場合
HAモニタの制御によってHiRDBの停止中は,両方の系から共有ディスク上に作成したHiRDBファイルを操作できなくなることがあります。この場合,OSのコマンドでディスクを活性化してください。
(8) 現用系と待機系のOSの時刻がずれているときの注意事項
現用系と待機系のOSの時刻がずれている(待機系の時刻の遅れが系切り替えに掛かる時間よりも大きい)場合,HiRDBは,時刻を遅らせた場合に行う対処を誤ったときと同じ影響を受けます。そのため,現用系と待機系のOSの時刻を合わせるようにしてください。
OSの時刻を変更する方法については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「OSの時刻を変更する方法」を参照してください。