スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)

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pdfmkfsHiRDBファイルシステム領域の初期設定

機能

指定したハードディスクのパーティション(キャラクタ型スペシャルファイル)又は通常ファイルをHiRDBファイルシステム領域用に初期設定します。

実行者

HiRDB管理者が実行できます。

形式

キャラクタ型スペシャルファイルの場合

 
 pdfmkfs -n HiRDBファイルシステム領域サイズ 〔-l 最大ファイル数〕
 
    〔-k 使用目的〕 〔-e 最大増分回数〕 〔-s セクタ長〕 〔-i〕 〔-a〕
 
     キャラクタ型スペシャルファイル名
 

通常ファイルの場合

 
 pdfmkfs -n HiRDBファイルシステム領域サイズ 〔-l 最大ファイル数〕
 
     〔-k 使用目的〕 〔-e 最大増分回数〕 〔-i〕 〔-r〕 〔-a〕
 
      通常ファイル名
 

オプション

HiRDBファイルシステム領域として割り当てる容量をメガバイト単位で指定します。このオプションは,必ず指定してください。指定範囲を次に示します。

ファイルの種類 HP-UX Solaris AIX Linux
通常ファイル 1〜2,047 1〜2,047 1〜2,047 1〜2,047
キャラクタ型スペシャルファイル 1〜2,047 1〜2,047 1〜2,047 1〜2,047
ラージファイル 通常ファイル 1〜1,048,575 1〜1,048,575 1〜65,411 1〜1,048,575
キャラクタ型スペシャルファイル 1〜1,048,575 1〜1,048,575 1〜1,048,575 1〜1,048,575

注※
Journaled File System(JFS)の場合の指定範囲です。Enhanced Journaled File System(JFS2)の場合は,1〜1,048,575の指定範囲となります。

このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,又は-k WORK -aを指定すると,このオプションで指定したHiRDBファイルシステム領域の容量を使い切ったときに自動的に領域を拡張します。

なお,HiRDBファイルシステム領域の管理で使用する管理領域も,-nオプションの指定値に含まれます。したがって,実際にHiRDBファイルに割り当てられる容量は,(-nオプションの指定値)−(管理領域の容量)となります。管理領域の容量の求め方については,注意事項を参照してください。なお,実際にHiRDBファイルに割り当てられる容量は,pdfstatfsコマンドで確認できます。

HiRDBファイルシステム領域内に作成するHiRDBファイル数の上限を指定します。

領域内のHiRDBファイル数は,少ない方が性能が向上します。

-aオプションを指定しない場合は,このオプションを必ず指定してください。

なお,ここで指定した値は,pdfmkfsコマンド実行後には変更できません。したがって,使用するHiRDBファイル数と,今後の拡張予定などを考慮して値を決める必要があります。

このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,又は-k SYS -aは指定できません。

HiRDBファイルシステム領域の使用目的を指定します。

DB
RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域として初期化します。

SDB:
共用RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域として初期化します。SDBは,HiRDB/パラレルサーバの場合で,かつHiRDBファイルシステム領域としてキャラクタ型スペシャルファイルを使用する場合に指定できます。通常のRDエリアは,使用目的DBのHiRDBファイルシステム領域を使用してください。
使用目的SDBで初期化する場合,更新可能バックエンドサーバがあるサーバマシンで実行してください。参照可能バックエンドサーバからは実行しないでください。

SYS
システムログファイル,シンクポイントダンプファイル,ステータスファイル,又は監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域として初期化します。
SYSを指定した場合,-eオプションは指定しないでください。

WORK
リスト用RDエリア,又は作業表用ファイルのHiRDBファイルシステム領域として初期化します。

UTL
ユティリティ用のHiRDBファイルシステム領域として初期化します。
ユティリティ用のHiRDBファイルシステム領域には,次のファイルを作成できます。
  • アンロードデータファイル
  • LOBデータのアンロードファイル
  • インデクス情報ファイル(プラグインの遅延一括作成の場合)
  • バックアップファイル
  • 差分バックアップファイル
  • 差分バックアップ管理ファイル
  • アンロードログファイル

SVR
ユティリティ用を除くすべての目的に使用できるHiRDBファイルシステム領域として初期化します。
テスト用のシステムなどで,一つのHiRDBファイルシステム領域に,異なる使用目的のHiRDBファイルを混在させても問題ない場合に指定します。
通常は信頼性の面から,使用目的によってHiRDBファイルシステム領域を分けるようにしてください。

このオプションを指定すると,HiRDBファイルの容量が不足した場合,自動的にHiRDBファイルの容量が増分されます。このオプションには容量を増分する回数の上限値を指定します。

HiRDBファイルシステム領域内の全HiRDBファイルの容量増分回数がカウント対象になります。例えば,HiRDBファイルシステム領域内に二つのHiRDBファイルがあり,それぞれ増分した回数が5回,3回の場合,増分回数は8回とカウントされます。

なお,1HiRDBファイルの容量増分回数の上限が23回のため,このオプションに最大ファイル数(-lオプションの指定値)×23以上の値を指定しても無効になります。この場合,最大増分回数には最大ファイル数×23が仮定されます。1領域1ファイルにする場合(-lの指定値に1を指定する場合)は,上限が23回という条件は適用されません。領域内で,増分によってファイル構成データが分断されることがないため,1を指定すればHiRDBファイルシステム領域サイズ(-n指定値)まで増分ができます。ただし,HiRDBファイルの上限サイズを超えることはできません。

このオプションと同時に-k DB -a,-k SDB -a,又は-k SYS -aは指定できません。

<適用基準>
  1. 作業表用ファイルを作成するHiRDBファイルシステム領域の場合,作業表用ファイルの容量見積もりの結果が次の値を超えるときは,必ず増分回数を指定してください。作業表用ファイルの容量見積もりについては,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。
    ・HiRDB/シングルサーバの場合
     128キロバイト
    ・HiRDB/パラレルサーバの場合
     512キロバイト
  2. 容量見積もりの結果が上記の値を超えない場合,及び作業表用ファイル以外のHiRDBファイルシステム領域の場合でも,増分回数を指定することをお勧めします。
  3. RDエリアの自動増分を適用する場合は,必ず増分回数を指定してください。
  4. RDエリアの削除,再初期化(割り当てサイズの縮小,又はwith reconstruction指定),及び統合では,割り当て済みHiRDBファイルの削除やサイズ縮小が発生するため,HiRDBファイルシステム領域内に断片化した空きが発生します。このような運用をする場合には,増分回数を指定することをお勧めします。RDエリアの追加,拡張,及び再初期化で新しく作成するHiRDBファイルは,連続した空きを確保できない場合,断片化した空きを複数個使用します。この場合,使用する「断片化した空き数−1」の増分回数が必要になります。

<指定値の求め方>
指定する増分回数は,次の式から求めてください。
-kオプション 増分回数の指定値
DB※1 min(60000,23×増分対象RDエリアの最終ファイル数の累計※2
なお,RDエリアの削除,再初期化(割り当てサイズの縮小,又はwith reconstruction指定),及び統合を頻繁に行う場合は,次の値を指定することをお勧めします。
min(60000,23×RDエリアの構成ファイル数の累計)
SDB※1
SYS※1 0
WORK min(60000,23×-lオプションの指定値)
UTL
SVR min(60000,23×増分を適用するファイル数の累計)
増分を適用するファイルは,作業表用ファイル,及び増分対象RDエリアの最終ファイルです。※2

注1
pdfmkfs実行後は,増分回数の変更はできないため,将来の拡張を見込んで値を決めてください。

注2
増分回数に応じて,HiRDBファイルシステム領域を使用するプロセスのメモリ消費量が増加します。

注3
計算値より少ない値を指定した場合,HiRDBファイルの増分の限界に達する前に,HiRDBファイルシステム領域の限界になります。

注※1
-aオプションを指定する場合,指定できません。

注※2
増分対象RDエリアの最終ファイルは,1RDエリアに1個ではないので注意してください。pdmodでRDエリアの拡張をする場合,RDエリアの終端から拡張するため,expand rdarea文の最後に指定するHiRDBファイルが最終ファイルとなります。この拡張後の最終ファイルと拡張前の最終ファイルが,増分対象RDエリアの最終ファイル数となります。

DVD-RAM装置などの,物理セクタ長が2,048バイト及び4,096バイトの媒体を扱う装置でHiRDBファイルシステム領域としてキャラクタ型スペシャルファイルを使用する場合,最小入出力単位をセクタ長(キャラクタ型スペシャルファイルに対応する媒体の物理セクタ長)で指定します。媒体の物理セクタ長については,媒体のマニュアルを参照してください。

<規則>
  1. 媒体の物理セクタ長が4,096バイトより大きい場合,その媒体ではキャラクタ型スペシャルファイルのHiRDBファイルシステム領域は使用できません。
  2. 媒体の物理セクタ長が1,024バイト以下の場合,セクタ長を整数倍した値が1,024になるかを確認し,物理セクタ長に1,024を指定してください。1,024にならない場合,その媒体のキャラクタ型スペシャルファイルは使用できません。
  3. 通常ファイルを使用する場合は,HiRDBファイルシステム領域のセクタ長は指定しないでください。
  4. セクタ長に2,048又は4,096を指定した場合,-kオプションにはDB又はUTLのどちらかを指定できます。-kオプション省略時はSVRが仮定されるため,セクタ長を指定する場合は必ず-k DB又は-k UTLを指定してください。
  5. セクタ長を指定したHiRDBファイルシステム領域は,次の目的で使用できます。
    ・リスト用RDエリア以外の,RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域
    ・pdlogunldコマンドの出力先(アンロードログファイル)
    ・pdcopy及びpdrstrのバックアップファイル
    ・pdrorgのアンロードデータファイル
    RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域として使用する場合,RDエリアを作成するときのpdinit又はpdmodの制御文のページ長には,-sオプションで指定したセクタ長の整数倍の値を指定してください。

HiRDBファイルシステム領域の作成時に,-nオプションで指定したサイズで最初に初期化する場合に指定します。

-iオプションを指定した場合,初期領域(-nオプションで指定したサイズの領域)の初期化を行います。ただし,-aオプション指定で増分する領域(増分領域)に対しては,-iオプションの指定による初期化を行いません。特に,通常ファイルで-kオプションにDB,又はSDBを指定した場合はRDエリアの自動増分時の増分領域の初期化指示に従います。増分領域の初期化については-aオプションの説明を参照してください。

-iオプションを省略した場合は,HiRDBファイルシステム領域の管理情報だけを作成します(最大約3.5MBの領域が確保されます)。実ディスクの領域は実際にHiRDBファイルシステム領域に書き込みを行ったときに作成します。

<注意事項>
  • -nオプションで指定したサイズが大きいと,HiRDBファイルシステム内の初期化するのに時間が掛かります。
  • 通常ファイルで-iオプションを省略した場合,-nオプションで指定したサイズまでのデータを書き込む前に,HiRDBファイルシステム領域が存在するディスクが容量不足(OSのファイルシステムが満杯)になることがあります
    この状態を回避したい場合は-iオプションを指定することを推奨します。
注※
-kオプションの指定値別での,容量不足発生時の振る舞いについて,次に示します。
-kオプションの指定値 容量不足発生時の振る舞い
DB又はSDB RDエリアが障害閉塞することがあります。
SYS
  • スワップ先がある場合はスワップします。
  • スワップ先がない場合はHiRDBが異常終了(ユニットダウン)します。

通常ファイルの初期設定の場合に,確認メッセージを表示しないで初期設定するときに指定します。省略した場合,指定した通常ファイルが既にあるときは,初期設定するかどうかの確認メッセージが表示されます。確認メッセージに対してg以外の文字を入力した場合は,初期設定されません。

RDエリアの自動増分や作業表を使用するSQLの実行などでHiRDBファイルシステム領域内の空き領域がなくなった場合,HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張したいときに指定します。このオプションを指定すると,HiRDBファイルシステム領域サイズが-nオプションで指定した値に達したとき,自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張します。また,システムログファイルの自動拡張機能を適用するシステムログファイルのHiRDBファイルシステム領域を作成する場合もこのオプションを指定します。RDエリアの自動増分及びシステムログファイルの自動拡張機能については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

増分領域の初期化状況について,次に示します。

ファイル種別 -kオプションの指定値 RDエリア自動増分時の,増分領域の初期化指示※2 増分領域の初期化状況
通常ファイル DB又はSDB Y
N ×
WORK - ×
SYS -
キャラクタ型スペシャルファイル※1 DB又はSDB - ×
WORK - ×
SYS - ×

(凡例)
○:増分領域を初期化します。
×:増分領域を初期化しません。
−:対象外です。

注※1
ダイレクトディレクトリアクセス(raw I/O)を含みます。

注※2
RDエリアの自動増分時の,増分領域の初期化指示はシステム共通定義(pdsys)のpd_rdarea_expand_formatオペランドで指示します。
Y:増分領域の初期化をします。
N:増分領域の初期化をしません。
RDエリアの自動増分時の増分領域初期化指示については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」の「pd_rdarea_expand_format」及び「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」の「RDエリアの自動増分」を参照してください。

<規則>
  1. このオプションは,-k DB,-k SDB,-k SYS,又は-k WORKのときだけ指定できます。
  2. -k DB,-k SDB,又は-k SYSの場合,HiRDBファイルシステム領域内に作成できるHiRDBファイル数は1ファイルです。そのため,-lオプションと-eオプションは指定できません。
  3. -k DB,-k SDB,又は-k WORKの場合,-iオプションの指定有無に関係なく,拡張した領域の初期化は行いません。ただし,-k SYSの場合,ファイルの種類が通常ファイルであれば,拡張した領域を初期化し,ファイルの種類がキャラクタ型スペシャルファイルであれば初期化しません。
  4. このオプションを指定する場合は,システム定義のpd_large_file_useオペランドにYを指定又は指定を省略してください。Nを指定すると,pdfmkfsコマンドは正常終了しますが,HiRDB起動時にエラーとなります。
  5. -aオプションを指定する場合のHiRDBファイルシステム領域の上限は次のとおりです。

    表2-2 HiRDBファイルシステム領域の上限

    -kオプションの指定値 HiRDBファイルシステム領域の上限(単位:MB)
    DB 65536
    SDB
    SYS 102400
    WORK 「-n HiRDBファイルシステム領域サイズ」で示したラージファイルの場合の値を参照してください。

<注意事項>
  • ディスクの空き領域がHiRDBファイルの上限値より少ない場合は,ディスクの空き領域分だけ拡張します。
  • -k DB,-k SDB,又は-k SYSの場合,-nでHiRDBファイルの上限を超える値を指定した場合は,HiRDBファイルの上限値を指定したとみなされます。

コマンド引数

初期化するキャラクタ型スペシャルファイルの名称を指定します。ここで指定した名称が,HiRDBファイルシステム領域名となります。

初期化する通常ファイルの名称を指定します。ここで指定した名称が,HiRDBファイルシステム領域名となります。

HiRDBファイルシステム領域内に作成するHiRDBファイルは,ファイル名として30文字まで指定できます。HiRDBファイルシステム領域名/HiRDBファイル名の上限は167文字のため,HiRDBファイルシステム領域名が136文字を超える場合は,HiRDBファイル名の最大長が小さくなるので注意してください。

HiRDBが自動的に生成するHiRDBファイルについては,次のHiRDBファイルシステム領域の最大長を超えないようにしてください。

HiRDBが自動的に生成するHiRDBファイル HiRDBファイルシステム領域の最大長(単位:文字)
作業表用ファイル(システム定義のpdworkオペランドで指定) 141
監査証跡ファイル(システム定義のpd_aud_file_nameオペランドで指定) 150
プラグインインデクスの遅延一括作成でのインデクス情報ファイル(システム定義のpd_plugin_ixmk_dirオペランドで指定) 136
システムログの自動ログアンロード機能でのアンロードログファイル(システム定義のpd_log_auto_unload_pathオペランドで指定) 136

規則

  1. pdfmkfsコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます。
  2. pdfmkfsコマンドは,HiRDBファイルシステム領域を初期設定するサーバマシンごとに実行してください。

注意事項

  1. pdfmkfsコマンド実行時のリターンコードは,0の場合は正常終了,-1の場合は異常終了となります。
  2. 初期化のとき,ディスクボリューム又はパーティションの容量より大きい値を指定すると,そのパーティションに物理的に続くパーティションを破壊することがあります。したがって,ディスクボリューム又はパーティションの容量より大きな値は指定しないでください。
  3. HiRDBファイルシステム領域名,HiRDBファイル名,及び物理ファイル名の関係を次に示します。

    [図データ]

  4. キャラクタ型スペシャルファイル名又は通常ファイル名には,実体名称をそのまま使用しないでOSのlnコマンドで実体名称にシンボリックリンクした名称を指定することをお勧めします。こうすると,次に示す場合の運用が容易になります。
    • ハードディスクの障害時,別のハードディスクにHiRDBファイルシステム領域を回復する場合
    • RDエリアの構成変更の場合
  5. pdfmkfsコマンドの結果は,pdfstatfsコマンドで確認できます。
  6. -n,-l,及び-eオプションに指定する値は,使用目的によって次のマニュアルを参照してください。
    • 使用目的がSYSの場合
      マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」の「システムファイルの容量の見積もり」
    • 使用目的がDBの場合
      マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」の「RDエリアの容量の見積もり」
    • 使用目的がWORKの場合
      マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」の「作業表用ファイルの容量の見積もり」,及びマニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」の「シングルサーバ定義」,「バックエンドサーバ定義」,「ディクショナリサーバ定義」
    • 使用目的がUTLの場合
      8. データベース再編成ユティリティ(pdrorg)」,及び「18. データベース複写ユティリティ(pdcopy)
    • 使用目的がSVRの場合
      HiRDBファイルシステム領域に作成するHiRDBファイルの使用目的によって,上記マニュアルを参照してください。
  7. 使用目的がWORKの場合,システム定義のpd_watch_resourceとpdwork_wrn_pntの指定によって,初期化したHiRDBファイルシステム領域に対する使用率警告メッセージを出力できます。
  8. HiRDBファイルシステム領域に通常ファイルを使用する場合,HiRDB管理者及びルートユーザでのシステム資源の制限値を,-nオプション指定値より大きな値,又は無制限に設定してください。特に,AIX版では,デフォルトのファイルサイズ制限が1ギガバイトなので注意してください。各OSのシェルでのシステム資源の制限値は,limitコマンド又はulimitコマンドで確認できます。AIXでファイルサイズ制限を変更する場合,/etc/security/limitsファイルの修正も必要です。詳細については,各OSのマニュアル,及びシェルのマニュアルを参照してください。
  9. HiRDBファイルシステム領域には,管理領域が割り当てられます。割り当てる管理領域の大きさは,OSの種別,-n,-l,-e,-sオプション,使用するファイル種別などによって変わります。管理領域の計算式を次に示します。なお,固定管理部と可変管理部は,該当するHiRDBファイルシステム領域を使用している間は,メモリに読み込まれるため,各プロセスのメモリ消費量が増えたりすることがあります。
     
    管理領域(バイト)
    =固定管理部+可変管理部+HiRDBファイル管理部×a
     +4096(AIX版の場合)
     
    • -n 2047以下
      固定管理部=4096
      可変管理部=↑(20+4×a)÷c↑×c+↑(48+16×(a+b))÷c↑×c
      HiRDBファイル管理部=↑320÷c↑×c
    • -n 2048以上
    • -k WORK -a指定
      固定管理部=4096
      可変管理部=↑(20+4×a)÷c↑×c+↑(56+24×(a+b))÷c↑×c
      HiRDBファイル管理部=↑480÷c↑×c
    可変記号の説明
    a:-lオプションの指定値
    b:-eオプションの指定値(省略時は0)
    c:-sオプションの指定値(省略した場合,キャラクタ型スペシャルファイルのときは1024,通常ファイルのときは512)
    なお,-k DB,-k SDB,又は-k SYSの場合に-aオプションを指定すると,割り当てられる管理領域の大きさは固定となります。管理領域の値を次に示します。

    表2-3 割り当てられる管理領域の大きさ(-k DB,-k SDB,又は-k SYSの場合)

    ファイルの種類 OS セクタ長(-s指定値) 管理領域サイズ(単位:KB)
    通常ファイル AIX 512 9.5
    AIX以外 512 5.5
    キャラクタ型スペシャルファイル AIX 1024 11
    2048 14
    4096 20
    AIX以外 1024 7
    2048 10
    4096 16
  10. 通常ファイルとして作成したHiRDBファイルシステム領域をOSコマンドなどで操作すると,ディスク上に確保された状態が変化する場合があるので注意してください。例えば,cpコマンドでHiRDBファイルシステム領域をコピーした場合,HiRDBがまだ使用していない箇所がディスク上に確保されるため,-nオプションで指定したサイズの範囲内でディスク使用量が増えることがあります。また,-iオプション指定で作成したHiRDBファイルシステム領域に対して,AIXのbackupコマンド,又はrestoreコマンドを使用したバックアップ・リストアをすると,初期化だけをして,HiRDBでまだ使用していない箇所をディスク上から解放してしまう場合があります。詳細については,各OSのマニュアルを参照してください。
  11. HiRDBファイルシステム領域の所有者及びアクセス権の変更については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

使用例

次のHiRDBファイルシステム領域を初期設定します。

[説明]
  1. HiRDBファイルシステム領域サイズ 25メガバイト
  2. 最大ファイル数 10個
  3. 最大増分回数 5回
  4. キャラクタ型スペシャルファイル名 /svr01
  5. HiRDBファイルシステム領域サイズ 30メガバイト
  6. 最大ファイル数 15個
  7. 通常ファイル名 /prdb/ios001