スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム定義(UNIX(R)用)

[目次][索引][前へ][次へ]

4.2.12 システムログファイルに関するオペランド

44) pd_log_dual = Y | N
システムログファイルを二重化するかどうかを指定します。
Y:システムログファイルを二重化します。
N:システムログファイルを二重化しません。
《利点》
システムログファイルを二重化すると,HiRDBはA系及びB系の両方に同じシステムログを取得します。取得したシステムログを読み込むとき,片方のファイルに異常が発生しても,もう一方のファイルからシステムログを読み込めるため,システムの信頼性を向上できます。
《ほかのオペランドとの関連》
システムログファイルを二重化する場合は,各サーバ定義のpdlogadpfオペランドでB系のシステムログファイル名を指定してください。

 

45) pd_log_dual_write_method = serial | parallel
このオペランドはAIX版及びLinux版(Red Hat Enterprise Linux ES 4(AMD64 & Intel EM64T)以降,Red Hat Enterprise Linux AS 4(IPF)以降,又はRed Hat Enterprise Linux AS 4(AMD64 & Intel EM64T)以降)限定のオペランドです。
システムログの並列出力機能を使用するかどうかを指定します。システムログの並列出力機能については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。
serial:システムログの並列出力機能を使用しません。
parallel:システムログの並列出力機能を使用します。
このオペランドにparallelを指定した場合,HiRDBはaioライブラリ(AIXの場合はAsynchronous I/O Subsystem,Linuxの場合はlibaio)を使用して,システムログファイルへの出力を並列に実行します。
《前提条件》
このオペランドにparallelを指定する場合は,次に示す条件をすべて満たす必要があります。
  • aioライブラリを導入して必要な設定が行われている
  • pd_log_dual = Y
  • システムログファイルがキャラクタ型スペシャルファイルに配置されている
この条件を満たしていない場合は,このオペランドの指定値に関係なくシステムログの並列出力機能を使用できません。

 

46) pd_log_remain_space_check = warn | safe
システムログファイルの空き率が警告値未満になったときのHiRDBの処理方式を指定します。この機能をシステムログファイルの空き容量監視機能といいます。システムログファイルの空き容量監視機能については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
warn:
システムログファイルの空き率が警告値未満になった場合,警告メッセージKFPS01162-Wを出力します。
safe:
システムログファイルの空き率が警告値未満になった場合,新規トランザクションのスケジューリングを抑止して,サーバ内の全トランザクションを強制終了します。このとき,KFPS01160-Eメッセージを出力します。
《指定値の目安》
システムログファイルの空き容量不足によるユニットの異常終了の可能性を低くできるため,safeの指定を推奨します。ただし,safeを指定すると,システムログファイルの空き容量が不足したときに,サーバ内の全トランザクションが強制終了されます。このため,システムログファイルの設計をより正確に行う必要があります。システムログファイルの設計については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

 

47) pd_log_singleoperation = Y | N
このオペランドは,システムログファイルを二重化している場合に指定してください。二重化していない場合は指定する必要はありません。
システムログファイルの片系運転をするかどうかを指定します。システムログファイルに障害が発生して,両系ともに使用できるシステムログファイルがない場合でも,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)を異常終了しないで正常な片方の系だけで処理を続行します。これをシステムログファイルの片系運転といいます。
また,両方のシステムログファイルで処理を続行すること(通常の処理形態)をシステムログファイルの両系運転といいます。
Y:システムログファイルの片系運転をします。
N:システムログファイルの片系運転をしません。常に両系運転とします。
《前提条件》
pd_log_dualオペランドにYを指定している必要があります。

 

48) pd_log_rerun_reserved_file_open = Y | N
システムログファイルの自動オープンをするかどうかを指定します。
HiRDB(又はユニット)を再開始するときに,「上書きできる状態」のシステムログファイルがない場合,予約のファイルがあればHiRDBが予約のファイルをオープンして「上書きできる状態」にし,処理を続行します。これをシステムログファイルの自動オープンといいます。
予約ファイルを使用するのは,次の場合です。
  • 再開始後,最初のシンクポイントダンプを取得するまでの間
  • オープンされたファイルグループすべてが「上書きできない状態」の場合
Y:システムログファイルの自動オープンをします(予約ファイルをオープンして使用します)。
N:システムログファイルの自動オープンをしません(予約ファイルを使用しません)。
《利点》
このオペランドにYを指定すると,ユニットの再開始時に「スワップ先にできる状態」のファイルがなくても,予約のファイルがあればユニットを再開始できます。
ただし,「アンロード待ち状態」のファイルがあるときは,ユニットを停止します。「アンロード待ち状態」のファイルのアンロードを実行した後,再度ユニットを開始してください。

 

49) pd_log_rerun_swap = Y | N
HiRDB(又はユニット)の再開始時に,システムログファイルをスワップするかどうかを指定します。
Y:システムログファイルをスワップします。
N:システムログファイルをスワップしません。
《利点》
このオペランドにYを指定すると,再開始前後でシステムログファイルを物理的に分けられます。このため,再開始前のシステムログファイルをサーバ稼働中に使用できます。

 

50) pd_log_swap_timeout = システムログファイルのスワップ完了待ち時間
〜<符号なし整数>((1〜32580))《180》(単位:秒)
システムログファイルのスワップが完了するまでの待ち時間を秒単位で指定します。指定した時間を過ぎてもシステムログファイルのスワップが完了しない場合は,ユニットが異常終了します。
《指定値の目安》
通常,このオペランドを指定する必要はありません。マシンの性能が低いなどの理由によってシステムログファイルのスワップに時間が掛かる場合は,このオペランドの値を大きくしてください。また,ディスク障害などによってシステムログファイルのスワップに遅延が発生した場合に,より短い時間で異常を検知し,ユニットを異常終了させたいときは,このオペランドの値を小さくしてください。

 

51) pd_log_unload_check = Y | N
システムログファイルのアンロード状態を,HiRDBがチェックするかどうかを指定します。
Y:
アンロード状態をチェックします(通常の運用となります)。
N:
アンロード状態をチェックしません。アンロードの状態に関係なく,次に示す条件がすべて満たされれば,システムログファイルを「スワップ先にできる状態」にします。
  • 上書きできる状態
  • 抽出完了状態(HiRDB Datareplicator)
  • オンライン再編成上書き可能状態(HiRDB Staticizer Option)
このときシステムログファイルの運用方法が,アンロード状態のチェックを解除する運用になります。アンロード状態のチェックを解除する運用については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
《利点》
Nを指定したときの利点を次に示します。
  • システムログファイルのアンロード操作がなくなるため,運用方法が簡単になります。
  • アンロードログファイルを保管するためのファイル容量が不要になります。
《指定値の目安》
データベースを回復するときにシステムログを使用しない場合(バックアップ取得時点に回復できればよい場合)にNを指定します。
《注意事項》
Nを指定したときの注意事項を次に示します。
  • バックアップ取得時点にしかデータベースを回復できません。
  • データベースの回復にシステムログが必要なのにこの運用をした場合はデータベースの回復手段がなくなります。

 

52) pd_log_max_data_size = ログ入出力バッファ長
〜<符号なし整数>((32000〜523000))《400000》(単位:バイト)
システムログの入出力に使用するバッファの大きさをバイト単位で指定します。
《指定値の目安》
  • HiRDB/シングルサーバの場合
    指定値のチューニング方法に従って指定値を変更してください。
  • HiRDB/パラレルサーバの場合
    条件式1を満たす値を指定してください。pd_rpl_reflect_modeオペランドにuapを指定している場合,又は回復不要FESを使用している場合は,条件式1と条件式2の両方を満たす値を指定してください。指定値を最適化する場合は,指定値のチューニング方法に従って指定値を変更してください。
    条件式1:ログ入出力バッファ長≧a
    a:72×(一つのトランザクションによって参照処理又は更新処理の対象となる,バックエンドサーバ及びディクショナリサーバの最大数)+1344
    条件式2:ログ入出力バッファ長≧b
    b:(一つのトランザクションによって参照処理又は更新処理の対象となる,バックエンドサーバ及びディクショナリサーバの最大数+1)×128+64
《指定値のチューニング方法》
統計解析ユティリティ(システムの稼働に関する統計情報)の次に示す情報を調べて,このオペランドの指定値を変更してください。
  • 入出力待ちバッファ面数(# OF BUFFER FOR WAIT I/O)
    入出力待ちバッファ面数の平均値が100を大きく超える場合は,このオペランドの値を大きくして,平均値が100に近付くようにしてください。
  • カレントバッファなしによる待ち回数(# OF WAIT THREAD)
    カレントバッファなしによる待ち回数が0以外の値になる場合は,このオペランドの値を大きくしてください。
《ほかのオペランドとの関連》
  • pd_log_write_buff_countオペランドとともに,ログ入出力バッファ長を決定してください。
  • pd_sysdef_default_optionオペランドにv6compatible又はv7compatibleを指定している場合,このオペランドの省略値は32000になります。

 

53) pd_log_write_buff_count = ログ出力バッファ面数
〜<符号なし整数>((3〜65000))《10》
システムログの出力に使用するバッファの面数を指定します。
《指定値のチューニング方法》
統計解析ユティリティ(システムの稼働に関する統計情報)のカレントバッファなしによる待ち回数(# OF WAIT THREAD)を調べて,待ち回数が多ければ,スループットが向上するよう指定値を大きくしてください。
《ほかのオペランドとの関連》
  • pd_log_max_data_sizeオペランドとともに,ログ出力バッファ面数を決定してください。
  • pd_sysdef_default_optionオペランドにv6compatible又はv7compatibleを指定している場合,このオペランドの省略値は3になります。

 

54) pd_log_rec_leng = システムログファイルのレコード長
〜<符号なし整数>((1024,2048,4096))《4096》(単位:バイト)
システムログファイルのレコード長を指定します。1024,2048,4096のどれかを指定します。
レコード長はpdloginitコマンドの-lオプションで設定します。-lオプションで設定するレコード長をこのオペランドに指定してください。
《注意事項》
  • pdloginitコマンドの-lオプションで設定するレコード長と異なるレコード長をこのオペランドに指定すると,そのシステムログファイルはオープンできません。
  • システムログファイルのレコード長を変更する方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

 

55) pd_log_rollback_buff_count = ロールバック用ログ入力バッファ面数
〜<符号なし整数>((0〜256))
ロールバック処理でシステムログの入力に使用するバッファの面数を指定します。このオペランドに0を指定した場合,HiRDBがロールバック用ログ入力バッファ面数を決定します。
《指定値のチューニング方法》
このオペランドに0を指定してください。0を指定してメモリ不足が発生する場合は,このオペランドの指定を省略してください。
《オペランドの省略値》
このオペランドの省略値を次に示します。
  • ユニットに1:1スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合
    代替BES数×2
  • ユニットに影響分散スタンバイレス型系切り替えを適用している場合
    (ホストBES数+pd_ha_max_act_guest_serversの値)×2
  • 上記以外の場合
    ユニット内サーバ数×2

 

56) pd_log_auto_expand_size = システムログファイルの拡張契機1回当たりに拡張するサイズ〔,拡張上限サイズ〕
〜<符号なし整数>((0〜104857600))《0,0》(単位:レコード)
このオペランドは,システムログファイルの自動拡張機能を使用する場合に指定します。
一つのシステムログファイルが拡張契機1回当たりに拡張するサイズ,及び拡張できるファイルサイズの上限をレコード数で指定します。
1回当たりに拡張するサイズを省略するか,又は0を指定した場合,システムログファイルの自動拡張を行いません。拡張上限サイズを省略するか,又は0を指定した場合,ファイルシステム領域のあるディスクが満杯になるか,システムログファイルの容量が上限に達するまでシステムログファイルの自動拡張を行います。また,1回当たりに拡張するサイズに拡張上限サイズより大きい値を指定した場合,拡張上限サイズに指定した値まで自動拡張を行います。
システムログファイルの自動拡張機能については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
《前提条件》
pd_large_file_useオペランドにYを指定しているか,又は指定を省略している必要があります。
《指定値の目安》
  • 1回当たりに拡張するサイズには,pdloginitコマンドの-nオプションでシステムログファイルを作成した際に指定したレコード数を基に指定します。サーバごとにシステムログファイルのレコード数の平均値の1/10を計算し,最大値を持つサーバの値を指定してください。
    ・1:1スタンバイレス型系切り替え機能を適用しているBESの場合,代替BESのシステムログファイルを含めた平均値の1/10を計算してください。
    ・影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用しているBESの場合,ゲストBESのシステムログファイルを含めた平均値の1/10を計算してください。
  • 通常,拡張上限サイズは省略してください。
《指定値のチューニング方法》
システムログの出力量が自動拡張で拡張するサイズを超えると,システムログファイルが満杯になってユニットダウンする場合があります。その場合は,1回当たりに拡張するサイズを大きくしてください。また,拡張処理に時間が掛かり,トランザクション性能に影響を及ぼす場合は,1回当たりに拡張するサイズを小さくしてください。