スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム定義(UNIX(R)用)

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2.2.3 HiRDBの開始方法に関するオペランド

9) pd_mode_conf = AUTO | MANUAL1 | MANUAL2
HiRDBの開始方法を指定します。
AUTO:
HiRDBを自動開始します。自動開始とは,OSを起動すると自動的にHiRDBも開始する開始方法です。
ただし,次に示す場合は手動開始になります。手動開始とはpdstartコマンドを実行してHiRDBを開始する開始方法です。
  • 正常終了後の正常開始(OSを再起動しない場合)
  • 計画停止後の再開始(OSを再起動しない場合)
  • 強制終了後の再開始
MANUAL1:
手動開始します。ただし,異常終了後の再開始は自動開始になります。
MANUAL2:
手動開始します。
《指定値の目安》
  • HiRDB(ユニット)が異常終了した場合にHiRDB(ユニット)を自動的に再開始したい場合は,AUTO又はMANUAL1を指定します。
  • 系切り替え機能を使用する場合はMANUAL1又はMANUAL2を指定します。MANUAL1を指定するか,又はMANUAL2を指定するかは,系切り替え機能の運用方法によって異なります。系切り替え機能の運用方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
  • このオペランドの指定値と前回の終了モード(正常終了,強制終了,計画停止,又は異常終了)の組み合わせによって,次のように開始モードが決まります。
    pd_mode_confの値 前回の終了モード 開始モード 開始方法
    AUTO 正常終了 正常開始 自動開始又は手動開始※1
    計画停止 再開始※2
    強制終了 再開始※2 手動開始
    異常終了 再開始 自動開始
    MANUAL1 正常終了 正常開始 手動開始
    計画停止 再開始※2
    強制終了 再開始※2
    異常終了 再開始 自動開始
    MANUAL2 正常終了 正常開始 手動開始
    計画停止 再開始※2
    強制終了 再開始※2
    異常終了 再開始※2
    注※1
     自動開始になるのはOSを起動するときだけです。正常終了後の正常開始又は計画停止後の再開始(OSを再起動しない場合)のときは手動開始になります。
    注※2
     pdstartコマンドのdbdestroyオプションで強制開始できます。ただし,強制開始すると,HiRDBはデータベースの内容を回復しません。したがって,HiRDB管理者がデータベースを回復する必要があります。
  • ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを使用する場合は,このオペランドの指定値と前回の終了モードに関係なく,開始モードは常に正常開始になります。ただし,ログ適用サイトの場合,変更できるシステム定義のオペランドは,再開始時に変更できるオペランドだけとなります。
《注意事項》
  • HiRDB/パラレルサーバで自動開始(pd_mode_conf=AUTO)をする場合は,最初のユニットを開始してから20分以内に全ユニットを開始するようにしてください。20分以内に全ユニットを開始しないと,HiRDBの開始処理を中止します。この20分という制限時間はpd_reduced_check_timeオペランドで変更できます。
    なお,ユニットの異常終了,又はOSの異常終了後の再起動ではこのような制限時間はありません。
  • pd_mode_confにAUTOやMANUAL1を指定した場合でも,HiRDBの開始処理中又は終了処理中にHiRDBが異常終了した場合,次回の開始は必ず手動開始となります。異常終了時のメッセージを確認して対処後,手動でHiRDBを開始してください。
  • リアルタイムSANレプリケーションを使用する場合は,AUTOを指定できません。AUTOを指定すると,HiRDBの開始処理がエラーになります。
  • ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを使用する場合,ログ適用サイトでこのオペランドにMANUAL1を指定しても,MANUAL2を指定したものと仮定されます。

 

10) pd_system_complete_wait_time = pdstartコマンド完了待ち時間
〜<符号なし整数>((610〜3600))《610》(単位:秒)
このオペランドは,pdstartコマンドの完了待ち時間を長くする場合に指定します。HiRDBは,pdstartコマンドが入力されてから610秒(10分10秒)を過ぎても開始処理が終了しないと,KFPS05078-Iメッセージを出力してpdstartコマンドをエラーリターンしています。この610秒を長くする場合に指定します。
なお,pdstartコマンドがエラーリターンしても,開始処理は続行されHiRDBは開始します。したがって,次に示す場合にこのオペランドを指定します。
  • KFPS05078-Iメッセージを監視対象としている場合
  • pdstartコマンドの正常終了後にほかの操作を自動的に行っている場合
《適用基準》
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
HiRDBの開始処理時にKFPS05078-Iメッセージが出力されて,pdstartコマンドがエラーリターンする場合に指定します。

 

11) pd_start_time_out = HiRDB開始準備処理の最大待ち時間
〜<符号なし整数>((1〜1440))《15》(単位:分)
pdstartコマンドの入力からHiRDBの開始準備処理の完了までの最大待ち時間を指定します。pdstartコマンドの入力からこのオペランドに指定した時間が経過してもHiRDBの開始準備処理が終了しない場合,pdstartコマンド入力画面にKFPS01861-Eメッセージ(reason code = TIMEOUT)が出力されます。
《指定値の目安》
通常,このオペランドを指定する必要はありません。一般的な環境ではHiRDBの開始準備処理時間は長くても3〜6分のため,最大待ち時間はこのオペランドの省略値の15分で十分です。サーバマシンの性能,ディスク容量,又はメモリ負荷などの要因によっては,HiRDBの開始準備処理に15分以上掛かることがまれにあります。この場合,pdstartコマンド入力画面にKFPS01861-Eメッセージ(reason code = TIMEOUT)が出力されます。このとき,このオペランドに15より大きい値を指定してください。
参考
HiRDBの開始準備処理の完了待ち時間とHiRDB開始完了待ち時間は,次に示すメッセージの出力時刻から算出できます。
[図データ]

 

12) pd_term_watch_count = 連続異常終了回数の上限
〜<符号なし整数>((1〜3))《3》
HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)の再開始処理に失敗すると,HiRDBは異常終了し,再開始処理をリトライしようとします。このオペランドには,HiRDBの再開始処理に失敗したときの異常終了回数の上限を指定します。
再開始処理の失敗による異常終了回数(30分以内の異常終了回数)がこのオペランドの指定値に達した場合,KFPS00715-Eメッセージを出力して再開始処理のリトライをやめます。このとき,HiRDBはPAUSE状態になります。PAUSE状態になると,pdstartコマンドが実行できないため,HiRDBを再開始できません。
PAUSE状態になっているかどうかは,pdls -d ustコマンドで確認できます。
PAUSE状態を解除するには,KFPS00715-Eメッセージの付加情報に従って異常終了の原因を取り除いた後に,pdrpauseコマンドを実行してください。なお,HiRDB/パラレルサーバの場合は,PAUSE状態のユニットでpdrpauseコマンドを実行してください。
《指定値の目安》
このオペランドに2又は3(デフォルト)を指定すると,HiRDBの再開始処理に失敗した場合,再開始処理をリトライします。例えば,3を指定した場合は,再開始処理を最大3回行います(再開始処理を最大2回リトライします)。
このオペランドに1を指定すると,HiRDBの再開始処理に失敗した場合,再開始処理のリトライは行われません。再開始処理のリトライを行いたくない場合は,1を指定してください。
《注意事項》
系切り替え構成の場合,実行系と待機系の間で異常終了回数のカウントを引き継ぎません。