スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム定義(UNIX(R)用)
- 9) pd_mode_conf = AUTO | MANUAL1 | MANUAL2
- HiRDBの開始方法を指定します。
- AUTO:
- HiRDBを自動開始します。自動開始とは,OSを起動すると自動的にHiRDBも開始する開始方法です。
- ただし,次に示す場合は手動開始になります。手動開始とはpdstartコマンドを実行してHiRDBを開始する開始方法です。
- 正常終了後の正常開始(OSを再起動しない場合)
- 計画停止後の再開始(OSを再起動しない場合)
- 強制終了後の再開始
- MANUAL1:
- 手動開始します。ただし,異常終了後の再開始は自動開始になります。
- MANUAL2:
- 手動開始します。
- 《指定値の目安》
- HiRDB(ユニット)が異常終了した場合にHiRDB(ユニット)を自動的に再開始したい場合は,AUTO又はMANUAL1を指定します。
- 系切り替え機能を使用する場合はMANUAL1又はMANUAL2を指定します。MANUAL1を指定するか,又はMANUAL2を指定するかは,系切り替え機能の運用方法によって異なります。系切り替え機能の運用方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
- このオペランドの指定値と前回の終了モード(正常終了,強制終了,計画停止,又は異常終了)の組み合わせによって,次のように開始モードが決まります。
pd_mode_confの値 |
前回の終了モード |
開始モード |
開始方法 |
AUTO |
正常終了 |
正常開始 |
自動開始又は手動開始※1 |
計画停止 |
再開始※2 |
強制終了 |
再開始※2 |
手動開始 |
異常終了 |
再開始 |
自動開始 |
MANUAL1 |
正常終了 |
正常開始 |
手動開始 |
計画停止 |
再開始※2 |
強制終了 |
再開始※2 |
異常終了 |
再開始 |
自動開始 |
MANUAL2 |
正常終了 |
正常開始 |
手動開始 |
計画停止 |
再開始※2 |
強制終了 |
再開始※2 |
異常終了 |
再開始※2 |
注※1
自動開始になるのはOSを起動するときだけです。正常終了後の正常開始又は計画停止後の再開始(OSを再起動しない場合)のときは手動開始になります。
注※2
pdstartコマンドのdbdestroyオプションで強制開始できます。ただし,強制開始すると,HiRDBはデータベースの内容を回復しません。したがって,HiRDB管理者がデータベースを回復する必要があります。
- ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを使用する場合は,このオペランドの指定値と前回の終了モードに関係なく,開始モードは常に正常開始になります。ただし,ログ適用サイトの場合,変更できるシステム定義のオペランドは,再開始時に変更できるオペランドだけとなります。
- 《注意事項》
- HiRDB/パラレルサーバで自動開始(pd_mode_conf=AUTO)をする場合は,最初のユニットを開始してから20分以内に全ユニットを開始するようにしてください。20分以内に全ユニットを開始しないと,HiRDBの開始処理を中止します。この20分という制限時間はpd_reduced_check_timeオペランドで変更できます。
なお,ユニットの異常終了,又はOSの異常終了後の再起動ではこのような制限時間はありません。
- pd_mode_confにAUTOやMANUAL1を指定した場合でも,HiRDBの開始処理中又は終了処理中にHiRDBが異常終了した場合,次回の開始は必ず手動開始となります。異常終了時のメッセージを確認して対処後,手動でHiRDBを開始してください。
- リアルタイムSANレプリケーションを使用する場合は,AUTOを指定できません。AUTOを指定すると,HiRDBの開始処理がエラーになります。
- ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを使用する場合,ログ適用サイトでこのオペランドにMANUAL1を指定しても,MANUAL2を指定したものと仮定されます。
- 10) pd_system_complete_wait_time = pdstartコマンド完了待ち時間
- 〜<符号なし整数>((610〜3600))《610》(単位:秒)
- このオペランドは,pdstartコマンドの完了待ち時間を長くする場合に指定します。HiRDBは,pdstartコマンドが入力されてから610秒(10分10秒)を過ぎても開始処理が終了しないと,KFPS05078-Iメッセージを出力してpdstartコマンドをエラーリターンしています。この610秒を長くする場合に指定します。
- なお,pdstartコマンドがエラーリターンしても,開始処理は続行されHiRDBは開始します。したがって,次に示す場合にこのオペランドを指定します。
- KFPS05078-Iメッセージを監視対象としている場合
- pdstartコマンドの正常終了後にほかの操作を自動的に行っている場合
- 《適用基準》
- 通常,このオペランドを指定する必要はありません。
- HiRDBの開始処理時にKFPS05078-Iメッセージが出力されて,pdstartコマンドがエラーリターンする場合に指定します。
- 11) pd_start_time_out = HiRDB開始準備処理の最大待ち時間
- 〜<符号なし整数>((1〜1440))《15》(単位:分)
- pdstartコマンドの入力からHiRDBの開始準備処理の完了までの最大待ち時間を指定します。pdstartコマンドの入力からこのオペランドに指定した時間が経過してもHiRDBの開始準備処理が終了しない場合,pdstartコマンド入力画面にKFPS01861-Eメッセージ(reason code = TIMEOUT)が出力されます。
- 《指定値の目安》
- 通常,このオペランドを指定する必要はありません。一般的な環境ではHiRDBの開始準備処理時間は長くても3〜6分のため,最大待ち時間はこのオペランドの省略値の15分で十分です。サーバマシンの性能,ディスク容量,又はメモリ負荷などの要因によっては,HiRDBの開始準備処理に15分以上掛かることがまれにあります。この場合,pdstartコマンド入力画面にKFPS01861-Eメッセージ(reason code = TIMEOUT)が出力されます。このとき,このオペランドに15より大きい値を指定してください。
- 参考
- HiRDBの開始準備処理の完了待ち時間とHiRDB開始完了待ち時間は,次に示すメッセージの出力時刻から算出できます。
- 12) pd_term_watch_count = 連続異常終了回数の上限
- 〜<符号なし整数>((1〜3))《3》
- HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)の再開始処理に失敗すると,HiRDBは異常終了し,再開始処理をリトライしようとします。このオペランドには,HiRDBの再開始処理に失敗したときの異常終了回数の上限を指定します。
- 再開始処理の失敗による異常終了回数(30分以内の異常終了回数)がこのオペランドの指定値に達した場合,KFPS00715-Eメッセージを出力して再開始処理のリトライをやめます。このとき,HiRDBはPAUSE状態になります。PAUSE状態になると,pdstartコマンドが実行できないため,HiRDBを再開始できません。
- PAUSE状態になっているかどうかは,pdls -d ustコマンドで確認できます。
- PAUSE状態を解除するには,KFPS00715-Eメッセージの付加情報に従って異常終了の原因を取り除いた後に,pdrpauseコマンドを実行してください。なお,HiRDB/パラレルサーバの場合は,PAUSE状態のユニットでpdrpauseコマンドを実行してください。
- 《指定値の目安》
- このオペランドに2又は3(デフォルト)を指定すると,HiRDBの再開始処理に失敗した場合,再開始処理をリトライします。例えば,3を指定した場合は,再開始処理を最大3回行います(再開始処理を最大2回リトライします)。
- このオペランドに1を指定すると,HiRDBの再開始処理に失敗した場合,再開始処理のリトライは行われません。再開始処理のリトライを行いたくない場合は,1を指定してください。
- 《注意事項》
- 系切り替え構成の場合,実行系と待機系の間で異常終了回数のカウントを引き継ぎません。
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