スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(UNIX(R)用)

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2.6 分散データベース製品との連携

分散データベース製品DF/UXと連携すると,分散データベース機能が使用できるようになります。ここでは,分散データベース機能の概要について説明します。分散データベース機能の運用方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

なお,分散データベース機能は,HP-UX版及びAIX版限定(64ビットモードのHiRDB,及びPOSIXライブラリ版を除く)の機能です。ただし,07-02より前のバージョンではHI-UX/WE2版のHiRDBをサポートしています。そのHI-UX/WE2版のHiRDBとの分散データベース機能は実行できます。

<この節の構成>
(1) 分散データベース機能とは
(2) 分散データベースの適用範囲
(3) 分散データベース機能の環境設定

(1) 分散データベース機能とは

分散データベース機能を使用すると,部門ごとに蓄積・管理されたデータを他部門からリアルタイムに利用したり,データベースの所在を意識することなく,データを取り出したり更新したりできます。また,基幹データベースの負荷分散,全社レベルでデータを活用できます。HiRDBと他ノードのDBMSとの分散データベースは,DF/UXのリモートデータベースアクセス機能を使用して実現します。リモートデータベースアクセス機能には,次に示す二つの機能があります。

(a) 分散クライアント機能

自ノードのHiRDBを分散クライアントとして,分散サーバにリモートデータベースアクセスできます(自ノードのHiRDBのUAPで,他ノードのDBMSのデータベースをリモートデータベースアクセスできます)。DF/UXの分散クライアント機能を使用して実現します。

UAPを作成するときには,自ノードのHiRDBのデータベースをローカルアクセスするときと同様に,HiRDBのSQL文を記述します。そのSQL文に分散サーバの表名やデータベースの所在を示す名称などを指定します。なお,UAPを作成するときに幾つかの制限事項がありますので,マニュアル「HiRDB Version 8 UAP開発ガイド」を参照してください。

分散クライアント機能の概要を次の図に示します。

図2-18 分散クライアント機能の概要

[図データ]

(b) 分散サーバ機能

自ノードのHiRDBを分散サーバとして,他ノードの分散クライアントからリモートデータベースアクセスできます(他ノードのDBMSから,自ノードのHiRDBのデータベースをリモートデータベースアクセスできます)。DF/UXの分散サーバ機能を使用して実現します。分散サーバ機能の概要を次の図に示します。

図2-19 分散サーバ機能の概要

[図データ]

(2) 分散データベースの適用範囲

HiRDBを利用した分散データベースの適用範囲を次の表に示します。

表2-5 分散データベースの適用範囲

分散クライアント
の種類
分散サーバの種類
HiRDB XDM/RD ORACLE
(HI-UX/
WE2版)
RDB1 E2 SQL/K
HiRDB ※1 ※2 ※2 ※2
XDM/RD
ORACLE
(HI-UX/WE2版)
※3
RDB1 E2 ×
SQL/K ×

(凡例)
○:分散データベースを適用できます。
×:分散データベースを適用できません。
−:該当しません。

  • 分散データベース機能は,HP-UX版及びAIX版限定(64ビットモードのHiRDB,及びPOSIXライブラリ版のHiRDBを除く)の機能です。ただし,07-02より前のバージョンではHI-UX/WE2版のHiRDBをサポートしています。そのHI-UX/WE2版のHiRDBとの分散データベース機能は実行できます。
  • 使用するプロトコルはOSI-RDAです。
  • XDM/RDとXDM/RD E2を総称して,XDM/RDと表記します。

注※1
プラットフォームが異なっていても分散データベースを構築できます。例えば,HP-UX版のHiRDBとAIX版のHiRDBで分散データベースを構築できます。

注※2
分散クライアントがHP-UX版のHiRDBの場合にかぎり,分散データベースを構築できます。

注※3
分散サーバがHP-UX版のHiRDBの場合にかぎり,分散データベースを構築できます。

(3) 分散データベース機能の環境設定

分散データベース機能の環境設定方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。DF/UXについては,マニュアル「分散データベース DF/UX」を参照してください。