スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(UNIX(R)用)

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1.2.2 HiRDB/パラレルサーバの構成

HiRDB/パラレルサーバは複数のユニット(複数のサーバ)で構成されます。HiRDB/パラレルサーバの構成を次の図に示します。

図1-5 HiRDB/パラレルサーバの構成

[図データ]

〔説明〕
  • このHiRDB/パラレルサーバは3台のサーバマシンで構成される例です。
  • フロントエンドサーバを複数設置するマルチフロントエンドサーバにしています。
  • バックエンドサーバは各サーバマシンに二つ設置しています。
<この項の構成>
(1) ユニット
(2) システムマネジャ(MGR)
(3) フロントエンドサーバ(FES)
(4) ディクショナリサーバ(DS)
(5) バックエンドサーバ(BES)
(6) HiRDB/パラレルサーバのヘテロ構成

(1) ユニット

HiRDB/パラレルサーバは次に示すサーバから構成されます。

ユニットはサーバの実行制御,監視,及びサーバ間通信を管理します。概念的にはユニットとはサーバを格納する器のようなものです。

(2) システムマネジャ(MGR)

システムマネジャとはHiRDBの開始及び終了処理を制御するサーバです。また,システム構成情報の管理やサーバの障害の検出などもします。システムマネジャはシステムで一つ必要になります。

(3) フロントエンドサーバ(FES)

フロントエンドサーバとはデータベースへのアクセス方法を決定し,バックエンドサーバに実行内容を指示するサーバです。また,SQLの解析処理,SQLの最適化処理,各バックエンドサーバへ処理の指示,検索結果の編集処理などもしています。

フロントエンドサーバはシステムで一つ以上(最大1,024個)必要になります。複数のフロントエンドサーバを設置する形態をマルチフロントエンドサーバといいます。SQL処理のCPU負荷が高く,一つのフロントエンドサーバで処理しきれない場合にマルチフロントエンドサーバにします。マルチフロントエンドサーバにすると,フロントエンドサーバが稼働するマシンの処理負荷を分散できます。

(4) ディクショナリサーバ(DS)

ディクショナリサーバとはデータベースの定義情報であるデータディクショナリ(ディクショナリ表)を一括管理するサーバです。ディクショナリサーバはシステムで一つ必要になります。

(5) バックエンドサーバ(BES)

バックエンドサーバとはデータベースを管理するサーバです。バックエンドサーバは,フロントエンドサーバからの実行指示に従って,データベースのアクセス,排他制御,演算処理などをします。また,検索結果に対してソート,マージ及び結合処理もします。

バックエンドサーバはシステムで一つ以上(最大16,382個)必要になります。バックエンドサーバを複数設定して,一つの表を複数のバックエンドサーバに分割して管理できます。

性能を向上させたい場合は,HiRDB/パラレルサーバ内に処理の負荷が高いソートやジョイン専用のバックエンドサーバ(データベースを管理しないバックエンドサーバ)を設定します。このようなバックエンドサーバをフロータブルサーバといいます。フロータブルサーバを次の図に示します。

図1-6 フロータブルサーバ

[図データ]

(6) HiRDB/パラレルサーバのヘテロ構成

通常,HiRDB/パラレルサーバのすべてのユニットは同じプラットフォームである必要がありますが,次の条件を満たす場合,異なるプラットフォームが混在したヘテロ構成のHiRDB/パラレルサーバが構築できます。

ヘテロ構成の例を次の図に示します。

図1-7 HiRDB/パラレルサーバのヘテロ構成の例

[図データ]

〔説明〕
  • このHiRDB/パラレルサーバは3台のサーバマシンで構成され,サーバマシンA及びBはアプリケーションサーバ,Cはデータベースサーバとして使用する例です。
  • サーバマシンA及びBのプラットフォームはLinux (EM64T),サーバマシンCのプラットフォームはLinux (IPF)です。