スケーラブルデータベースサーバ HiRDB ファーストステップガイド(UNIX(R)用)

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4.5.2 演習1(全RDエリアをバックアップ取得時点に回復する

データベースを格納しているディスクに障害が発生しました。全RDエリア(マスタディレクトリ用RDエリア,データディレクトリ用RDエリア,およびデータディクショナリ用RDエリアを含む)をバックアップ取得時点の状態に回復します。

<この項の構成>
(1) ディスクを交換します
(2) pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を初期設定します
(3) pdrstrコマンドの処理結果リストを格納するディレクトリを作成します
(4) RDエリアの回復に必要なファイルを準備します
(5) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します
(6) pdfrmコマンドでHiRDBファイルを削除します
(7) pdstart -rコマンドでHiRDBを開始します
(8) pdrstrコマンドで全RDエリアをバックアップ取得時点に回復します
(9) pdrstrコマンドの実行結果が表示されます
(10) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します
(11) pdstartコマンドでHiRDBを正常開始します

(1) ディスクを交換します

障害が発生したディスクを交換します。この演習では実際に交換はしません。交換したと仮定して以降の作業を行います。

(2) pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を初期設定します

pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を初期設定します。pdfmkfsコマンドで指定するオプションは,RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域を前回作成したときと同じにしてください。システムジェネレータによって実行されたpdfmkfsコマンドについては,$PDDIR/conf/pdgen_cmd.[HiRDBサーバ名]のファイルに記録されています。

この演習の場合,これは「2.3.1(2) pdfmkfsコマンドの実行」で実行した,次のコマンドに相当します。

 
$ pdfmkfs -r -n 119 -l 400 -k SVR -e 100 -i /HiRDB/sysfiles
$ pdfmkfs -r -n 81 -l 100 -k SVR -e 100 -i /HiRDB/rdfiles
 

なお,この演習では実際にpdfmkfsコマンドを実行しません。実行したと仮定して以降の作業を行います。

(3) pdrstrコマンドの処理結果リストを格納するディレクトリを作成します

pdrstrコマンドの処理結果リストを格納するディレクトリをmkdirコマンドで作成します。$HOME/HiRDB/pdrstrディレクトリを作成します。

(4) RDエリアの回復に必要なファイルを準備します

RDエリアの回復に必要なファイル(データベース回復ユティリティの入力情報ファイル)は次のとおりです。

(5) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します

HiRDBが稼働中の場合,正常終了してください。障害が発生すると,HiRDB/シングルサーバは停止しますが,pd_mode_confオペランドを「AUTO」または「MANUAL1」に設定していると,停止したあとに自動開始することがあります。

 
$ pdstop 
 

(6) pdfrmコマンドでHiRDBファイルを削除します

全RDエリアの回復なので,マスタディレクトリ用RDエリアを構成するHiRDBファイル,データディレクトリ用RDエリアを構成するHiRDBファイル,およびデータディクショナリ用RDエリアを構成するHiRDBファイルを削除する必要があります。次のコマンドを実行してください。

 
$ pdfrm  /HiRDB/rdfiles/master   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 
$ pdfrm  /HiRDB/rdfiles/ddir   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
 
$ pdfrm  /HiRDB/rdfiles/ddic   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

〔説明〕
  1. マスタディレクトリ用RDエリアを構成するHiRDBファイルを削除します。
  2. データディレクトリ用RDエリアを構成するHiRDBファイルを削除します。
  3. データディクショナリ用RDエリアを構成するHiRDBファイルを削除します。

(7) pdstart -rコマンドでHiRDBを開始します

マスタディレクトリ用RDエリアが使えない場合のデータベースの回復時には,-rオプションを指定してHiRDBを開始する必要があります。次のコマンドを実行してください。

 
$ pdstart -r 
 

(8) pdrstrコマンドで全RDエリアをバックアップ取得時点に回復します

「4.4 バックアップを取得する」の演習1で取得したバックアップファイルを指定して,データベース回復ユティリティを実行してください。

 
$ pdrstr -m /HiRDB/rdfiles/master -a
 -b $HOME/HiRDB/pdcopy/backup01
 -p $HOME/HiRDB/pdrstr/list01.txt
 

〔説明〕
-m
マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。
-a
全RDエリアの回復を指定します。
-b
バックアップファイルの名称を指定します。「4.4 バックアップを取得する」の演習1で取得した全RDエリアのバックアップファイル($HOME/hirdb/pdcopy/backup01)を指定します。
-p
pdrstrコマンドの処理結果出力リストの出力先を指定します。$HOME/hirdb/pdrstrディレクトリ下にlist01.txtファイルが作成されます。

(9) pdrstrコマンドの実行結果が表示されます

 
2928 18:11:41 SDSU _pd0rstr KFPR00764-I Pdrstr started   ・・・・・・・・・・1
2928 18:11:53 SDSU _pd0rstr KFPR26222-I Output result of pdrstr
 to /home/hirman/HiRDB/pdrstr/list01.txt   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2928 18:11:55 SDSU _pd0rstr KFPR00765-I Pdrstr terminated,
 return code=0   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

〔説明〕
  1. pdrstrコマンドの処理が開始しました。
  2. 処理結果リストが/home/hirman/HiRDB/pdrstr/list01.txtに出力されました。
  3. pdrstrコマンドの処理が正常終了しました。

(10) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します

HiRDBを通常の稼働状態(-r指定なしpdstart)にするため,一度HiRDBを正常終了してください。

 
$ pdstop 
 

(11) pdstartコマンドでHiRDBを正常開始します

HiRDBを正常開始してください。

 
$ pdstart