分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/User Agent編
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コネクション障害の発生個所に応じたTP1/NET/User Agentの障害処理については,「8.2 コネクション障害」を参照してください。
表8-1 コネクション障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
- UA層論理矛盾
- 下位層障害
- リトライオーバ
- mcftdctcn -fコマンド入力
など |
- 各UAの障害処理をします(「(2) UA(論理端末)障害」参照)。
- CERREVT(コネクション障害)を起動します。
- コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA13102-E)を出力します。
- コネクションを解放します。
|
運用コマンド(mcftactcn)を入力して,再びコネクションを確立します。 |
表8-2 UA障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
- UA障害
- UA層検出異常
- タイムアウト
- mcftdctleコマンド入力
など |
- UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
- CERREVT(UA障害)を起動します。
- 論理端末を閉塞します。
- UA(論理端末)の端末タイプに従って処理します。※1
|
運用コマンド(mcftactle)を入力して,UA開局処理をします。 |
| 受信メッセージと論理端末の端末タイプの不一致 |
- 受信メッセージを破棄します。※2
- 相手システムにUERRを送信します。
- UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
- CERREVT(UA障害)を起動します。
- 論理端末を閉塞します。
|
相手システムとの構成を見直してください。 |
| 送信メッセージと論理端末の端末タイプの不一致 |
dc_mcf_send,dc_mcf_reply,dc_mcf_sendrecv,dc_mcf_recvsyncがエラーリターンします。 |
UAPで後処理をする必要があります。 |
| UA再開局処理の失敗 |
- 該当するUAを縮退させます。
- UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
- CERREVT(UA障害)を起動します。
- 論理端末を閉塞します。
|
障害要因を取り除いたあと,運用コマンド(mcftactcn)を入力して,再びコネクションを確立します。 |
- 注※1
- 論理端末の端末タイプごとの処理内容を次の表に示します。
| 論理端末の端末タイプ |
TP1/NET/User Agentの処理 |
| reply |
問い合わせメッセージ(UINQ)受信障害の場合は,受信メッセージを無効にします。 |
応答メッセージ(UREP)送信障害の場合は,次に示す処理をします。
- 送信メッセージを送信済み扱いにします。
- 送信破棄を通知するメッセージログ(KFCA10607-W)を出力します。
|
| request |
一方送信メッセージ(UINQ)送信障害,および一方送信メッセージ(UREP)受信障害の場合は,次に示す処理をします。
- 一方送信メッセージ(UINQ)の先頭セグメントからの再送準備をします。
- 送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
|
| UA再開局後,一方送信メッセージ(UINQ)を再送します。 |
| 送信完了通知(UINF)送信障害です。 |
| request(send-recv時) |
一方送信メッセージ(UINQ)送信障害,および一方送信メッセージ(UREP)受信障害の場合は,問い合わせメッセージ(UINQ)を送信済みにし,UAPにエラーリターンします。 |
| 送信完了通知(UINF)送信障害です。 |
| send |
一方送信メッセージ(UBRD)送信障害,および送信完了通知(UINF)受信障害の場合は,次に示す処理をします。
- 一方送信メッセージ(UBRD)の先頭セグメントからの再送準備をします。
- 送信中断を通知するメッセージログ(KFCA13108-W)を出力します。
|
| UA再開局後,一方送信メッセージ(UBRD)を再送します。 |
| receive |
一方送信メッセージ(UBRD)受信障害の場合は,一方送信メッセージを無効にします。 |
| 処理完了通知(UINF)送信障害です。 |
- 注※2
- 1論理メッセージの組み立て以前に不一致が検出されるため,ERREVTは起動しません。
表8-3 入力メッセージ編集UOCの障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
|
- UOCエラーを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),UOC指定誤りを通知するメッセージログ(KFCA10620-E),およびアプリケーション不正を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。
- UA(論理端末)の端末タイプに従って処理します。※
|
UOCの処理を見直してください。 |
- 注※
- 論理端末の端末タイプごとの処理内容を次の表に示します。
| 論理端末の端末タイプ |
TP1/NET/User Agentの処理 |
| reply |
- 相手システムにUERRを送信します。
- CERREVT(UOC障害)を起動します。
- UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
- 論理端末を閉塞します。
|
| request |
- 相手システムにUERRを送信します。
- CERREVT(UOC障害)を起動します。
- UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
- 送信メッセージ(UINQ)は送信済み扱いとします。
- 論理端末を閉塞します。
|
| request(send-recv時) |
- 相手システムにUERRを送信します。
- CERREVT(UOC障害)を起動します。
- UAPにエラーリターンします。
- UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
- 送信メッセージ(UINQ)は送信済み扱いとします。
- 論理端末を閉塞します。
|
| send |
該当しません。 |
| receive |
- 相手システムにUERRを送信します。
- CERREVT(UOC障害)を起動します。
- UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
- 論理端末を閉塞します。
|
表8-4 入力キュー,スケジュールサービス,ネームサービス,またはRPCの障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
- アプリケーション閉塞
- サービス閉塞
- アプリケーション名不正※1
- 入力キュー書き込み障害(メモリ含む)
|
- 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。
- 入力メッセージの種類に従って次に示す処理をします。
通信メッセージ入力障害の場合は,ERREVT1またはERREVT2を起動します。
ERREVT1,ERREVT2,ERREVT3,ERREVT4,またはERREVTAの場合は,メッセージを破棄します。
CERREVT,COPNEVT,またはCCLSEVTの場合は,イベントを破棄します。
|
障害要因を取り除いてください。 |
| アプリケーション名の形式不正 |
- アプリケーション不正を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。
- 相手システムにUERRを送信します。
|
アプリケーション名の形式を見直してください。 |
| 同期メッセージリターン時障害※2 |
- 同期エラーを通知するメッセージログ(KFCA10606-E)を出力します。
- UAPではタイムアウトが発生します。
- リターンの種類に従って次に示す処理をします。
正常にリターンした場合は,次のように処理します。
1. 相手システムにUERRを送信します。
2. CERREVTを起動します。
3. UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
4. 論理端末を閉塞します。
エラーリターンした場合は,無視して処理を続けます。
|
障害要因を取り除いたあと,運用コマンド(mcftactcn)を入力して,再びコネクションを確立します。 |
- 注※1
- アプリケーション名の形式が不正の場合,ERREVT1を起動します。このERREVT1に対する応答メッセージを送信しなかった場合,相手システムにUERRを送信後,CERREVTを起動します。
- 注※2
- RPCだけで発生する障害です。
表8-5 出力キューおよび出力メッセージ編集UOCの障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
- 出力キュー読み込み障害(メモリ含む)
- UOCエラーリターン
- UOC指定誤り
|
- UOCエラーを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),UOC指定誤りを通知するメッセージログ(KFCA10620-E),および出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
- UA(論理端末)の端末タイプに従って処理します。※
|
障害要因を取り除いてください。 |
|
メッセージ送信後の障害を通知するメッセージログ(KFCA10617-E)を出力します。 |
処理を続けます。 |
- 注※
- 論理端末の端末タイプごとの処理内容を次の表に示します。
| 論理端末の端末タイプ |
TP1/NET/User Agentの処理 |
| reply |
- 該当するメッセージを送信済み扱いとし,送信破棄を通知するメッセージログ(KFCA10607-W)を出力します。
- 相手システムにUERRを送信します。
- UA障害を通知するメッセージログ(KFCA13103-E),およびUA閉局を通知するメッセージログ(KFCA13115-I)を出力します。
- CERREVT(出力キュー障害)を起動します。
- 論理端末を閉塞します。
|
| request |
- 該当するメッセージを送信済み扱いとし,送信破棄を通知するメッセージログ(KFCA10607-W)を出力します。
- 該当するメッセージを破棄し,次メッセージのサービスをします。
|
| request(send-recv時) |
- 該当するメッセージを送信済み扱いとし,送信破棄を通知するメッセージログ(KFCA10607-W)を出力します。
- UAPにエラーリターンします。
- 該当するメッセージを破棄し,次メッセージのサービスをします。
|
| send |
- 該当するメッセージを送信済み扱いとし,送信破棄を通知するメッセージログ(KFCA10607-W)を出力します。
- 該当するメッセージを破棄し,次メッセージのサービスをします。
|
| receive |
該当しません。 |
表8-6 ジャーナル障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
| ジャーナル取得障害(AJ/IJ/OJ) |
ジャーナル障害を通知するメッセージログ(KFCA10609-E)を出力します。 |
処理を続けます。 |
表8-7 送信バッファ障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
| サイズ不足 |
出力キュー読み込み障害として扱います。
- 出力障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E),および送信破棄を通知するメッセージログ(KFCA10607-W)を出力します。
- 論理端末を閉塞します。
- CERREVT(メッセージ出力障害)を起動します。
|
システム定義を修正してください。 |
| バッファ数不足 |
出力キュー読み込み障害として扱います。
- バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E),および送信破棄を通知するメッセージログ(KFCA10607-E)を出力します。
- コネクションを解放します。
- CERREVT(バッファ取得障害)を起動します。
|
システム定義を修正してください。 |
表8-8 受信バッファ障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
| サイズ不足 |
- 不正データ受信を通知するメッセージログ(KFCA13274-E)を出力します。
- コネクションを解放します。
- CERREVT(受信障害)を起動します。
|
相手システムとの構成を見直してください。 |
| バッファ数不足 |
- バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA13213-E)を出力します。
- コネクションを解放します。
- CERREVT(受信障害)を起動します。
|
システム定義を修正してください。 |
表8-9 編集バッファ障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
| サイズ不足 |
ありません。 |
必要に応じて,UOCでエラーリターンしてください。 |
| バッファ数不足 |
- バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。
- 障害の発生した処理に応じて,次に示す処理をします。
送信処理の場合は,次のように処理します。
1. 送信中断を通知するメッセージログ(KFCA13608-W)を出力します。
2. 送信メッセージを再送します。
受信処理の場合は,受信メッセージを破棄します。
- コネクションを解放します。
- CERREVT(バッファ取得障害)を起動します。
|
システム定義を修正してください。 |
表8-10 UAP障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
- UAP異常終了
- rollback(UAP 終了指定)呼び出し
|
reply型の論理端末を使用している場合は,相手システムにUERRを送信します。 |
UAPを見直してください。 |
表8-11 MCFの障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
|
- KFCA13197-E,KFCA13198-E,またはKFCA13199-Eを出力します。
- メモリダンプを出力します。
- 必要に応じて,MCFのプロセスを異常終了します(回復できる場合は終了しません)。
|
保守情報($DCDIR/spoolディレクトリ以下)を退避してください。 |
|
OSによるコアダンプを出力します。 |
保守情報($DCDIR/spoolディレクトリ以下)を退避してください。 |
表8-12 OpenTP1の障害発生時の処理
| 障害の内容 |
TP1/NET/User Agentの処理 |
ユーザの処理 |
| OpenTP1異常終了 |
OSによるコアダンプを出力します。 |
保守情報($DCDIR/spoolディレクトリ以下)を退避してください。 |
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