分散トランザクション処理機能 TP1/Client for .NET Framework 使用の手引

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2.9.2 UAPトレース

UAPトレースは,Client .NETが提供するメソッドの実行トレースとして,メソッドの開始時と終了時に次の情報を取得します。

注※
一部のメソッドを実行したときにUAPトレースに出力される情報です。詳細については,「2.9.7 TP1/Serverの性能検証用トレース」を参照してください。

送受信したデータの内容は,Callメソッドが受け渡したデータを取得します。なお,送受信データ長が60バイトを超える場合は,先頭の60バイトを取得します。クライアントスタブを使用している場合は,スタブが変換した送信データ,およびサーバから受信したデータが記録されます。

UAPトレースは,UAPおよびClient .NETのメソッド発行履歴を取得できるため,UAPのテストおよびデバッグに有効です。また,障害発生時の問題発生個所の特定や切り分けをする場合にも使用できます。

UAPトレース情報の出力ファイル名,および指定できるオプションとその指定方法については,「2.9.1 トレースファイル」を参照してください。

UAPトレースファイルの出力形式を次に示します。

[図データ]

yyyy:UAPトレース取得年
mm:UAPトレース取得月
dd:UAPトレース取得日
hh:mm:ss.uuu:UAPトレース取得時間
lll:UAPトレース取得場所
入り口の場合は「In」,出口の場合は「Out」が出力されます。
ttt:UAPトレースを取得したスレッドの情報
次の形式で取得されます。
プロセス名[プロセスID],スレッド名[スレッドID]
nnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn:呼び出したメソッドの名前
eeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee:発生した例外
メソッドの入り口で取得されるトレースの場合,または例外が発生しなかった場合は出力されません。
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx:TP1/Serverに伝播する性能検証用の識別情報
iii:メソッドの呼び出し情報

各メソッドの呼び出し情報を,以降の表に示します。

表2-10 AcceptNotificationメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 サーバからの通知メッセージを格納する領域の長さ inf_len inf_len引数で指定したサーバからの通知メッセージを格納する領域の長さ
サーバからの通知メッセージを受信するポート番号 port port引数で指定したサーバからの通知メッセージを受信するポート番号
タイムアウト値 timeout timeout引数で指定したタイムアウト値
出口 サーバからの通知メッセージ inf inf引数に格納したサーバからの通知メッセージ
サーバからの通知メッセージの長さ inf_len inf_len引数に格納したサーバからの通知メッセージの長さ
サーバのホスト名 hostname hostname引数に格納したサーバのホスト名
サーバのノード識別子 nodeid nodeid引数に格納したサーバのノード識別子

表2-11 AcceptNotificationChainedメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 サーバからの通知メッセージを格納する領域の長さ inf_len inf_len引数で指定したサーバからの通知メッセージを格納する領域の長さ
タイムアウト値 timeout timeout引数で指定したタイムアウト値
出口 サーバからの通知メッセージ inf inf引数に格納したサーバからの通知メッセージ
サーバからの通知メッセージの長さ inf_len inf_len引数に格納したサーバからの通知メッセージの長さ
サーバのホスト名 hostname hostname引数に格納したサーバのホスト名
サーバのノード識別子 nodeid nodeid引数に格納したサーバのノード識別子

表2-12 Beginメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 トランザクションブランチ限界経過時間 expireTime Client .NET構成定義の<transaction>要素のexpireTime属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
トランザクションブランチCPU監視時間 cpuTime Client .NET構成定義の<transaction>要素のcpuTime属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
トランザクションブランチの監視時間の対象 expireSuspend Client .NET構成定義の<transaction>要素のexpireSuspend属性で指定した値。
値を指定していない場合,0が設定されます。
  • all:89
  • async:78
  • none:70
統計情報取得項目 statistics Client .NET構成定義の<transaction>要素のstatistics属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
  • base:0x80000000
  • executiontime:0x40000000
  • cputime:0x20000000
  • nothing:0
トランザクション最適化項目 optimize Client .NET構成定義の<transaction>要素のoptimize属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
  • base:0x00000003
  • asyncprepare:0x00000004
トランザクション同期点処理時の最大通信待ち時間 internalWatchTime Client .NET構成定義の<transaction>要素のinternalWatchTime属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
ロールバック情報取得の値 rollbackInfo Client .NET構成定義の<transaction>要素のrollbackInfo属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
  • no:0
  • self:0x00000001
  • remote:0x00000002
  • all:0x00000003
トランザクションブランチ最大実行可能時間の値 limitTime Client .NET構成定義の<transaction>要素のlimitTime属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
ロールバック完了通知の値 rollbackResponse Client .NET構成定義の<transaction>要素のrollbackResponse属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
  • true
  • false
UAP障害時の同期点処理方式の値 recoveryType Client .NET構成定義の<transaction>要素のrecoveryType属性で指定した値。
値を指定していない場合,-1が設定されます。
  • type1:0x00000001
  • type2:0x00000002
  • type3:0x00000004
出口 性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報

表2-13 Callメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 サービスグループ名 group 呼び出すサービスのサービスグループ名
サービス名 service 呼び出すサービス名
送信データ長 in_len 送信するデータの長さ
送信データ in_data 送信するデータ
受信データ長 out_len 受信するデータの長さ
オプションフラグ flags Callメソッドのflagsパラメタに指定した値。
次のどれかの値が設定されます。
  • DCNOFLAGS:0x00000000
  • DCRPC_NOREPLY:0x00000001
  • DCRPC_CHAINED:0x00000004
トランザクション中は次のフラグが設定される場合があります。
  • DCRPC_TPNOTRAN:0x00000020
最大応答待ち時間 watchTime SetRpcWatchTimeメソッドで指定された最大応答待ち時間
rapサーバ通信遅延時間 delay SetRapDelayメソッドで指定されたrapサーバ通信遅延時間
出口 受信データ長 out_len 受信した応答の長さ
受信データ out_data 受信したデータ
性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報
注※
非応答型サービス要求の場合,出口情報は性能検証用トレースの識別情報だけです。

表2-14 CallToメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 接続先ホスト名 ConnectionHost DCRpcBindTblクラスで指定されたホスト名
接続先ポート番号 ConnectionPort DCRpcBindTblクラスで指定されたポート番号
通信プロトコルフラグ Protocol CallToメソッドの通信プロトコルフラグ
  • DCRPC_SCDPORT:0x00000002
サービスグループ名 group 呼び出すサービスのサービスグループ名
サービス名 service 呼び出すサービス名
送信データ長 in_len 送信するデータの長さ
送信データ in_data 送信するデータ
受信データ長 out_len 受信するデータの長さ
オプションフラグ flags CallToメソッドのflagsパラメタに指定した値。
次のどちらかの値が設定されます。
  • DCNOFLAGS:0x00000000
  • DCRPC_NOREPLY:0x00000001
最大応答待ち時間 watchTime SetRpcWatchTimeメソッドで指定された最大応答待ち時間
rapサーバ通信遅延時間 delay SetRapDelayメソッドで指定されたrapサーバ通信遅延時間
出口 受信データ長 out_len 受信した応答の長さ
受信データ out_data 受信したデータ
性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報
注※
非応答型サービス要求の場合,出口情報は性能検証用トレースの識別情報だけです。

表2-15 CancelNotificationメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 CUP.NETに通知するメッセージ inf inf引数で指定したCUP.NETに通知するメッセージ
CUP.NETに通知するメッセージの長さ inf_len inf_len引数で指定したCUP.NETに通知するメッセージの長さ
一方通知受信待ち状態のCUP.NETのホスト名 hostname hostname引数で指定した一方通知受信待ち状態のCUP.NETのホスト名
一方通知受信待ち状態のCUP.NETのポート番号 port port引数で指定した一方通知受信待ち状態のCUP.NETのポート番号
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-16 CloseConnectionメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 最大応答待ち時間 watchTime SetRpcWatchTimeメソッドで指定された最大応答待ち時間
出口 性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報

表2-17 Commitメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 なし
出口 性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報
(凡例)
−:該当しません。

表2-18 CommitChainedメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 なし
出口 性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報
(凡例)
−:該当しません。

表2-19 GetTransactionIDメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 なし
出口 トランザクショングローバル識別子 trngid メソッドが正常終了の場合だけ取得されます。
トランザクションブランチ識別子 trnbid メソッドが正常終了の場合だけ取得されます。
(凡例)
−:該当しません。

表2-20 GetTransactionInfoメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 なし
出口 トランザクション中フラグ isTransaction
  • トランザクション中である:True
  • トランザクション中ではない:False
(凡例)
−:該当しません。

表2-21 OpenConnectionメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 接続先ホスト名 host hostパラメタで指定されたrapリスナーまたはファイアウォールのホスト名
接続先ポート番号 port portパラメタで指定されたrapリスナーまたはファイアウォールのポート番号
rapサーバ問い合わせ間隔最大時間 inquireTime SetRapInquireTimeメソッドで指定されたrapサーバ問い合わせ間隔最大時間
最大応答待ち時間 watchTime SetRpcWatchTimeメソッドで指定された最大応答待ち時間
出口 性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報

表2-22 OpenNotificationメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 サーバからの通知メッセージを受信するポート番号 port port引数で指定したサーバからの通知メッセージを受信するポート番号
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-23 OpenRpcメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 プロファイルID profileId profileIdパラメタで指定された,使用するプロファイルID
出口 プロファイルID profileId profileIdパラメタで指定された,使用するプロファイルID

表2-24 ReceiveAssembledMessageメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 受信メッセージの最大待ち時間 timeout 受信メッセージの最大待ち時間
オプションフラグ flags ReceiveAssembledMessageメソッドのflagsパラメタで指定した値。
次のどちらかの値が設定されます。
  • DCNOFLAGS:0x00000000
  • DCCLT_RCV_CLOSE:0x00000002
出口 受信データ長 recvleng 受信した応答の長さ
受信データ buff 受信したデータ

表2-25 Rollbackメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 なし
出口 性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報
(凡例)
−:該当しません。

表2-26 RollbackChainedメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 なし
出口 性能検証用トレースの識別情報 PrfInfo 性能検証用トレースの識別情報
(凡例)
−:該当しません。

表2-27 SendAssembledMessageメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 送信データ buff 送信するデータ
送信データ長 sendleng 送信データの長さ
接続先ホスト名 hostname hostnameパラメタで指定した通信相手のホスト名
接続先ポート番号 portnum portnumパラメタで指定した通信相手のポート番号
送信メッセージの最大待ち時間 timeout 送信メッセージの最大待ち時間
オプションフラグ flags SendAssembledMessageメソッドのflagsパラメタで指定した値。
次のどちらかの値が設定されます。
  • DCNOFLAGS:0x00000000
  • DCCLT_SND_CLOSE:0x00000001
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-28 SetConnectInformationメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 DCCM3論理端末の論理端末名 inf infパラメタで指定されたDCCM3論理端末の論理端末名
端末識別情報長 inf_len inf_lenパラメタで指定された端末識別情報長
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-29 SetDataTraceModeメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 データトレースを出力するディレクトリ TrcPath TrcPath引数で指定したデータトレースを出力するディレクトリ
出力するデータトレースファイルのサイズ size size引数で指定した出力するデータトレースファイルのサイズ
データトレースに出力するデータサイズ DataSize DataSize引数で指定したデータトレースに出力するデータサイズ
データトレースの取得可否フラグ flag flag引数で指定したデータトレースの取得可否フラグ
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-30 SetErrorTraceModeメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 エラートレースを出力するディレクトリ TrcPath TrcPath引数で指定したエラートレースを出力するディレクトリ
出力するエラートレースファイルのサイズ size size引数で指定した出力するエラートレースファイルのサイズ
エラートレースの取得可否フラグ flag flag引数で指定したエラートレースの取得可否フラグ
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-31 SetExtendLevelメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 拡張機能のレベル flags Client .NETの機能の拡張レベル
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-32 SetMethodTraceModeメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 メソッドトレースを出力するディレクトリ TrcPath TrcPath引数で指定したメソッドトレースを出力するディレクトリ
出力するメソッドトレースファイルのサイズ size size引数で指定した出力するメソッドトレースファイルのサイズ
メソッドトレースの取得可否フラグ flag flag引数で指定したメソッドトレースの取得可否フラグ
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-33 SetRapDelayメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 rapサーバ通信遅延時間 sec rapサーバ通信遅延時間
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-34 SetRapInquireTimeメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 rapサーバ問い合わせ間隔最大時間 sec rapサーバ問い合わせ間隔最大時間
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-35 SetRpcExtendメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 拡張機能のレベル extendoption RPC機能の拡張レベル。
次のどれかの値が設定されます。
  • DCRPC_SCD_LOAD_PRIORITY:0x00000008
  • DCRPC_WATCHTIMINHERIT:0x00000010
  • DCRPC_RAP_AUTOCONNECT:0x00000020
  • DCRPC_WATCHTIMRPCINHERIT:0x00000040
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-36 SetRpcWatchTimeメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 最大応答待ち時間 sec 最大応答待ち時間
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-37 SetTP1Serverメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 接続先ホスト名 host hostパラメタで指定されたホスト名
接続先ポート番号 port portパラメタで指定されたポート番号
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。

表2-38 SetUapTraceModeメソッドの呼び出し情報

取得場所 項目 文字列 内容
入り口 UAPトレースを出力するディレクトリ TrcPath TrcPath引数で指定したUAPトレースを出力するディレクトリ
出力するUAPトレースファイルのサイズ size size引数で指定した出力するUAPトレースファイルのサイズ
UAPトレースの取得可否フラグ flag flag引数で指定したUAPトレースの取得可否フラグ
出口 なし
(凡例)
−:該当しません。