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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


11.2.1 KFCA00307-Eメッセージが出力された場合

〈この項の構成〉

(1) 現象

次に示すメッセージが出力されて,ファイル記述子の確保に失敗しました。

KFCA00307-E ソケット不足が発生したためRPCができません。

(2) 現象発生時の確認事項

(3) 取得情報

(4) 調査手順

KFCA00307-Eメッセージは,通信で使用するファイル記述子が確保できなかった場合に出力されます。ファイル記述子の上限値は,max_socket_descriptorsオペランドの指定値です。この障害の主な原因を次に示します。

注※

カーネルパラメタ名称はOSによって異なります。また,1プロセスまたはシステム全体とでパラメタが異なります。フローでは,カーネルパラメタ(システム全体)は,システム全体で使用できるファイル記述子の上限を意味し,カーネルパラメタ(プロセス)は,1プロセスで使用できるファイル記述子の上限を意味します。なお,カーネルパラメタを変更する場合は余裕を持った値を指定してください。

次に示すフローに従って原因を調査してください。

図11‒1 KFCA00307-Eメッセージが出力された場合の調査手順

[図データ]

各サーバが使用するファイル記述子の総数は,「各サーバの定義に指定されているmax_socket_descriptorsオペランド+max_open_fdsオペランド」です。OpenTP1全体で使用するファイル記述子の総数は「各サーバのmax_socket_descriptorsオペランド+max_open_fdsオペランド」です。

各サーバのmax_socket_descriptorsオペランド指定値については次の表を参照して確認してください。計算はプロセス単位で行ってください。

表11‒7 各サーバのmax_socket_descriptorsオペランドの指定値

項番

サーバ名

有効となるmax_socket_descriptorsオペランドの指定値

1

prcd,itvd,stsd,cpdd,tjld,qued,damd,tamd,tamiod,ismbd,istd,logd,prfiod,cltcond,cltd,clttrnd,xatd,xatcd,rmmd,admrsvre, mcfrmgrd

システム共通定義(betranrc)の指定値。省略値は64。

2

namd,namaudtd

ネームサービス定義(nam)の指定値。ネームサービス定義を省略している場合は,システム共通定義(betranrc)の指定値。省略値は64。

3

scdd,scdmltd

スケジュールサービス定義(scd)の指定値。スケジュールサービス定義を省略している場合は,システム共通定義(betranrc)の指定値。省略値は64。

4

trnd,trnrvd,trnrmd

トランザクションサービス定義(trn)の指定値。トランザクションサービス定義を省略している場合は,システム共通定義(betranrc)の指定値。省略値は64。

5

jnld,jnliod,jnlsdd,jnlswd,jard,jarswd,jarrvd

ジャーナルサービス定義(jnl)の指定値。ジャーナルサービス定義を省略している場合は,システム共通定義(betranrc)の指定値。省略値は64。

6

mcfmngrd,mapsmgrd,mcfcmdsv,mqtmngd

64で固定。

7

アプリケーション起動サービス,MCF通信サービス

システムサービス共通情報定義($DCDIR/lib/sysconf/mcf)の指定値。省略値は64。

8

mqad,mqaiod,mqacmd,mqamnd

TP1/Message Queue 05-12以前

システム共通定義(betranrc)の指定値。省略値は64。

TP1/Message Queue 05-13以降

MQAサービス定義(mqa)の指定値。省略値は64。

9

mqtdtcp

TP1/Message Queue 05-13以前

304で固定。

TP1/Message Queue 05-14以降

MQTサービス定義(mqt)の指定値。省略値は64。

10

rapリスナー,rapサーバ

rapリスナーサービス定義(任意名称)の指定値。省略している場合は次に示す優先順位に従います(1.>2.)。

  1. ユーザサービスデフォルト定義(usrrc)

  2. システム共通定義(betranrc)

上記のすべての定義を省略している場合,省略値は64。

11

ユーザサーバ

ユーザサービス定義(任意名称)の指定値。省略している場合は次に示す優先順位に従います(1.>2.)。

  1. ユーザサービスデフォルト定義(usrrc)

  2. システム共通定義(betranrc)

上記のすべての定義を省略している場合,省略値は64。

12

RTSSUP,RTSSPP

64で固定。

各サーバのmax_open_fdsオペランドの指定値については次の表を参照して確認してください。計算はプロセス単位で行ってください。

表11‒8 各サーバのmax_open_fdsオペランドの指定値

項番

サーバ名

有効となるmax_open_fdsオペランドの指定値

1

prcd,namd,namaudtd,scdd,scdmltd,trnd,trnrvd,trnrmd,jnld,jnlswd,jnliod,jnlsdd,jard,jarswd,jarrvd,itvd,stsd,cpdd,tjld,qued,damd,tamd,tamiod,ismbd,istd,logd,prfiop,cltcond,cltd,clttrnd,xatd,xatcd,rmmd,admrsvre,mcfmngrd,mcfrmgrd,mapsmgrd,mcfcmdsvmqad,mqaiod,mqacmd,mqamnd,mqtdtcp,mqtmngd

50で固定。

2

アプリケーション起動サービス,MCF通信サービス

システムサービス共通情報定義($DCDIR/lib/sysconf/mcf)の指定値。省略値は500。

3

rapリスナー,rapサーバ

ユーザサービスデフォルト定義(usrrc)の指定値。省略値は50。

4

ユーザサーバ

ユーザサービス定義(任意名称)の指定値。ユーザサービス定義を省略している場合は,ユーザサービスデフォルト定義(usrrc)の指定値。省略値は50。

5

RTSSUP,RTSSPP

50で固定。