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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


10.6.1 OpenTP1を開始できない場合

〈この項の構成〉

(1) OpenTP1が正しくインストール,およびセットアップされていないとき

OpenTP1のインストール,およびセットアップをやり直してください。

(2) システム定義が誤っているとき

システム定義で指定しなければならない項目の不良内容が,メッセージに出力されます。

システム定義の定義項目を見直し,正しく指定し直したあと,OpenTP1を再開始してください。

(3) メモリ,またはディスクの容量不足のとき

メモリ,またはディスクの容量が不足している旨のメッセージが出力されます。

必要ないプロセスを停止させるか,または必要ないファイルを削除したあと,OpenTP1を再開始してください。

また,必要に応じて,OSのシステム定数(特に共用メモリ関連)を見直し,OSを構築し直してください。OpenTP1の定義内容も見直したあと,OpenTP1を再開始してください。

(4) OpenTP1の開始に必要なファイルがないとき

必要なファイルがない旨のメッセージが出力されます。

必要なファイルを準備したあと,OpenTP1を再開始してください。

(5) OSの構成がOpenTP1の実行環境として不適当なとき

OSを構築し直し,OpenTP1の定義内容も見直したあと,OpenTP1を再開始してください。

(6) TCP/IP環境がセットアップされていないとき

通信不良のメッセージが出力されます。

TCP/IP環境を正しくセットアップしたあと,OpenTP1を再開始してください。

(7) ハードウェア(ディスク,LAN)不良のとき

入出力エラーのメッセージが出力されます。

不良デバイスを修理,または交換してください。

(8) ユーザ環境設定のコマンドが誤っているとき

システム環境定義のuser_commandオペランドで指定したユーザ環境設定コマンドに誤りがあると,OpenTP1を開始しようとしても,メッセージもダンプも出力されないで,開始できない場合があります。

user_commandオペランドで指定したユーザ環境設定コマンドが正しいかどうかを見直して,対策後に再度OpenTP1を開始してください。

(9) KFCA00715-Eが出力されるとき

KFCA00715-Eメッセージが出力された場合,dcresetコマンドを実行してください。KFCA00715-Eメッセージは,OpenTP1の開始処理,または再開始処理ができない場合に出力されます。これは,何らかの障害でプロセスサービスの処理が中断したことを示します。メッセージ中に要因コードが示されるので,OpenTP1が開始処理,または再開始処理ができない障害を取り除いたあとに,dcresetコマンドを実行してください。障害が取り除かれない場合に,dcresetコマンドを実行してもKFCA00715-Eメッセージが再出力されます。

dcresetコマンドは,OpenTP1が終了しているときに実行してください。システム共通定義を変更する場合は,OpenTP1を正常終了して実行しますが,KFCA00715-Eメッセージが出力された場合は,異常終了時でもdcresetコマンドを実行できます。OpenTP1オンライン中にdcresetコマンドを実行するとシステムダウンします。

(10) CPUの負荷が高いとき

JP1/AJSを使用してジョブからOpenTP1を開始するよう設定している場合,dcstartコマンドでOpenTP1を開始できないことがあります。このとき,CPUの利用率を確認すると,利用率が100%で,そのほとんどをOpenTP1のシステムサーバプロセスが占有していると表示されます。

JP1/AJSを使用してジョブからOpenTP1を開始するよう設定している場合,dcstartコマンドのOSプライオリティが最低値(nice値が39)に設定されます。そのため,多数のシステムサーバプロセスによってCPUの負荷が高まったとき,dcstartコマンドにCPUが割り当てられません。

次のようなマシン構成の場合,この現象が発生しやすくなります。

この現象が発生している場合,psコマンドを実行して,dcstartコマンドのプロセスのnice値を確認してください。psコマンドの実行例を次に示します。

AIXの場合
ps -elf|grep dcstart
  200001 A   betran  16382  21390   2  60 20 e7e4  3780          15:56:13  pts/1  0:00 dcstart
HP-UXの場合
ps -elf|grep dcstart
  1 S   betran  6995  6932  0 154 20         41516c00  344           c0fa80 15:56:43 pts/tn 0:00 dcstart
注※

nice値を示します。この数値が39と表示されている場合,dcstartコマンドのOSプライオリティが最低値になっています。

OpenTP1の運用コマンドを実行するときのOSプライオリティは,OpenTP1のプライオリティと同じ値を設定することをお勧めします。OpenTP1のdcstartコマンドのプロセスを起動するJP1/AJSのジョブ定義の実行優先順位を,JP1/AJS - Viewから変更することで,OpenTP1の運用コマンドのプライオリティを変更できます。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 操作ガイド」を参照してください。