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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


5.10.2 MCF構成変更再開始機能使用時の準備

MCF構成変更再開始機能使用時に,事前に実施しておく必要がある項目について説明します。

〈この項の構成〉

(1) メモリ使用量の再見積もり

(a) 静的共用メモリ

MCF構成変更再開始機能を使用する場合,MCFサービスで使用する共用メモリの使用量が増加します。MCFマネジャプロセスで使用する共用メモリの見積もり式に400バイトを加算してください。

また,構成変更する内容に応じて共用メモリのサイズを再見積もりしてください。詳細については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」の共用メモリの見積もり式の記述を参照してください。

(b) ローカルメモリ

MCF構成変更再開始機能を使用する場合,TP1/Message Controlの構成に応じてローカルメモリが増加します。増加するメモリ所要量の計算式を次に示します。

80×a+128×(b+c)+d+1204
(凡例)

a:キューグループ数(mcfmqgid定義コマンドの指定数)

b:論理端末数(mcftalcle定義コマンドの指定数)

c:MHPサービスグループ数(mcfaalcap定義コマンドに指定したサービスグループの種類数)

d:最大セグメント長(mcfmuap定義コマンドの-eオプションのsegsizeオペランドの指定値)

(2) 共用メモリ,ステータスファイル,およびチェックポイントダンプファイルの再見積もり

システム定義の内容に応じて,共用メモリ,ステータスファイル,およびチェックポイントダンプファイルの必要量が変わります。システムの構成変更を行う場合は,共用メモリ,ステータスファイルを再見積もりしてください。

共有メモリの見積もりについてはマニュアル「OpenTP1 システム定義」の共有メモリの見積もり式を,ステータスファイルの見積もりについては「付録H.1 ステータスファイルのサイズの見積もり式」を参照してください。

また,チェックポイントダンプファイルは,将来的に拡張する分をあらかじめ加算しておいてください。

(3) ネットワークコミュニケーション定義の見直し

(a) 状態引き継ぎ定義(mcfmstsおよびmcftsts)の見直し

MCF構成変更再開始機能では,次の項目の状態を引き継ぐことができます。

  • 論理端末

  • サービスグループ

  • サービス

  • アプリケーション

状態を引き継ぐ場合,次の指定値に将来的な拡張分をあらかじめ加算してください。

  • MCFマネジャ定義の状態引き継ぎ定義(mcfmsts -vおよび-g)

  • MCF通信構成定義の状態引き継ぎ定義(mcftsts -lおよび-a)

各定義の指定値が不足した場合は,状態引き継ぎの登録ができなかった旨のメッセージを出力し,状態引き継ぎは行いません。

(b) UAP共通定義(mcfmuap)の見直し

MCF構成変更再開始機能を使用する場合,MCFマネジャ定義のUAP共通定義に指定する最大セグメント長(mcfmuap -e segsize指定値)には,次の中で最も大きい値を指定してください。

  • すべてのMCF通信プロセスのバッファグループ定義のバッファ長(mcftbuf -g length)

  • エラーイベント処理用MHPで送受信するメッセージの最大セグメント長

  • アプリケーションプログラムを起動する場合に送信するメッセージの最大セグメント長

指定値を超える未処理受信メッセージまたは未送信メッセージがある場合は,MCF構成変更準備停止時にOpenTP1が異常終了します。

(4) オンラインの停止および開始時間の見積もり

オンラインの停止および開始の所要時間は,次の項目に比例して増減します。ご注意ください。

(5) 系切り替え構成時の注意事項

系切り替え構成でMCF構成変更再開始機能を使用する場合の注意事項を次に示します。