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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


5.8.2 処理の流れ

メッセージキューの滞留監視の処理の流れを説明します。

  1. MCFサービスの開始後,滞留数監視区間が始まり,入力キューの滞留監視インタバル時間(mcfmsvg -w watchintで指定)の間隔でメッセージキューの滞留数の監視を開始します。

  2. 入力キューに滞留しているメッセージ数が入力キューの滞留監視数(mcfmsvg -w watchcntで指定)を超えた時点で処理能力判定区間に入ります。

    処理能力判定区間では,次に示す式によってMHPの処理能力が判定されます。

    MHPの処理能力判定式

    [図データ]

    判定後の処理を次に示します。

    • MHPの処理能力判定式が成立しない場合

      処理が続行されます。

    • MHPの処理能力判定式が成立し,MHPの処理能力の不足時にOpenTP1システムをダウンさせる指定をしていない場合(mcfmsvg -w abortにnoを指定)

      KFCA11820-Wメッセージが出力され,処理が続行されます。

    • MHPの処理能力判定式が成立し,MHPの処理能力の不足時にOpenTP1システムをダウンさせる指定をしている場合(mcfmsvg -w abortにyesを指定)

      KFCA11821-Eメッセージが出力され,OpenTP1システムをダウンさせます。

    入力キューに滞留しているメッセージ数が入力キューの滞留監視数(mcfmsvg -w watchcntで指定)よりも少なくなった場合,処理能力判定区間から滞留数監視区間に戻ります。

メッセージキューの滞留監視時の判定条件とMCFの動作を次の表に示します。

表5‒2 メッセージキューの滞留監視時の判定条件とMCFの動作

判定条件

MCFの動作

前回判定時の区間

滞留数と監視数の関係

AとBの関係

AとCの関係

mcfmsvg -w abortの指定

滞留数監視区間

滞留数<監視数

判定しない

判定しない

判定しない

滞留数監視区間のまま処理を続行する。

滞留数≧監視数

判定しない

判定しない

判定しない

処理能力判定区間に遷移して処理を続行する。

処理能力判定区間

滞留数<監視数

判定しない

判定しない

判定しない

滞留数監視区間に遷移して処理を続行する。

滞留数≧監視数

A≧B

A≧C

判定しない

処理能力判定区間のまま処理を続行する。

A<C

判定しない

A<B

A≧C

判定しない

A<C

yes

KFCA11821-Eメッセージを出力して,MHPを強制終了し,OpenTP1システムをダウンさせる。

no

KFCA11820-Wメッセージを出力して,処理能力判定区間のまま,処理を続行する。

(凡例)

A:MHPが処理したサービス要求数

B:MHPに期待するサービス要求の処理数

C:前回判定時に滞留していたサービス要求数