Hitachi

OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


4.3.2 システムジャーナルファイルの作成と定義

ユーザは,OpenTP1を開始する前に,jnlinitコマンドで物理ファイルをOpenTP1ファイルシステム上に作成します。このとき,物理ファイルの名称には,システムジャーナルサービス定義の物理ファイル名と同じ名称を指定します。

物理ファイル作成後,複数の物理ファイルを管理するための論理的なファイルであるファイルグループ,およびファイルグループと要素ファイルの対応関係をシステムジャーナルサービス定義に指定します。

ファイルグループとは,OpenTP1がジャーナルを世代管理するための論理的なファイルです。オンライン中のジャーナルファイルのスワップなどは,この単位で実行されます。システムジャーナルサービス定義には,2個以上256個までのファイルグループを指定でき,ユーザはそれぞれのファイルグループに任意の名称を付けます。この名称は,システムジャーナルサービス定義内で一意になるように付けてください。

要素ファイルとは,システムジャーナルファイルの並列アクセス機能を使用する場合に,分散して使用する論理的なファイルです。オンライン中のジャーナルファイルへのアクセスは,分散された要素ファイルに並列に行われます。そのため,ディスクへの負荷を分散できます。

並列アクセス機能を使用する場合は,システムジャーナルサービス定義のjnl_max_file_dispersionオペランドに2以上を指定し,jnl_min_file_dispersionオペランドを指定します。また,一つのファイルグループには2個以上8個までの要素ファイルを指定できます。ユーザは,それぞれの要素ファイルに任意の名称を付けます。この名称はシステムジャーナルサービス定義内で一意になるように付けてください。jnl_max_file_dispersionオペランドにはファイルグループを構成する最大要素ファイル数を指定します。jnl_min_file_dispersionオペランドには要素ファイルが障害などで使用できなくなった場合に,最低限の並列アクセスを保障する要素ファイル数を指定します。

並列アクセス機能を使用しない場合,ユーザは要素ファイルを指定する必要はありません。

システムジャーナルファイルは二重化することもできます。この場合,OpenTP1を開始する前に,jnlinitコマンドでA系,B系の二系統の物理ファイルを作成します。物理ファイル作成後,システムジャーナルサービス定義でjnl_dual=Yと指定し,さらに,A系,B系の物理ファイルとファイルグループの対応関係を指定します。また,二重化したときに,片系しか使用できなくなった場合について,片系運転可とするか,片系運転不可とするかをシステムジャーナルサービス定義のjnl_singleoperationオペランドで指定します。

ジャーナルファイルをオンラインで一度使用したあとでOpenTP1の環境を変更した場合,ジャーナルファイルの再作成が必要です。ジャーナルファイルの再作成が必要となる変更を次に示します。

変更後の環境で,ジャーナルファイルを再作成しないでOpenTP1を起動しようとした場合,KFCA01240-Eメッセージが出力されます。この場合,エラーとなったジャーナルファイルは使用できません。

システムジャーナルサービス定義については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。