Hitachi

OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 解説


7.1 OpenTP1のプロセス構造

システムサービスプロセスを次の表に示します。

表7‒1 システムサービスプロセス

実行形式ファイル名

稼働数

サービス

関連するシステム定義

親プロセス

プロセスダウン後の動作※1

server_countの見積もりに加算する値

prcd

1※2

プロセスサービス(スーパユーザプロセス)

プロセスサービス定義

initまたはsystemd

#3

1

dcmond

1

OpenTP1監視サービス

システム共通定義

prcd

#1

0

prctee

1※3

プロセスサービス(OpenTP1の標準出力,標準エラー出力のリダイレクト機能)

なし

initまたはsystemd

#1

0

namd

1

ネームサービス

ネームサービス定義

prcd

#3

1

namaudtd

0または1※4

ネームサービス(監視機能)

ネームサービス定義

prcd

#3

0または1※4

scdd

1

スケジュールサービス

スケジュールサービス定義

prcd

#3

1

scdmltd

≧0〜n※5

スケジュールサービス(マルチスケジューラ機能)

スケジュールサービス定義

prcd

#1

≧0※6

trnd

1

トランザクションサービス(トランザクション管理)

トランザクションサービス定義

prcd

#3

1

trnrvd

1〜128※7

トランザクションサービス(トランザクション回復<並行回復プロセス数>)

トランザクションサービス定義

prcd

#1

1

trnrmd

1

トランザクションサービス(リソースマネジャ監視)

トランザクションサービス定義

prcd

#3

1

jnld

1

ジャーナルサービス(ジャーナル管理)

ジャーナルサービス定義

prcd

#3

1

jnlswd

0または1※8

ジャーナルサービス(ジャーナルファイル管理)

システムジャーナルサービス定義

prcd

#3

0または1※8

jnliod

0〜16※8,※9

ジャーナルサービス(ジャーナルファイル入出力)

なし

prcd

#3

0〜16※8,※9

1〜256※10

ジャーナルサービス(アーカイブジャーナルファイル入出力)※11

なし

prcd

#3

1〜256※10

jnlutld

0または1※12

ジャーナルユティリティサービス

システムジャーナルサービス定義

prcd

#3

0または1※12

jnlsdd

1

グローバルアーカイブジャーナルサービス※13

システムサービス構成定義

prcd

#3

1

jard

1

グローバルアーカイブジャーナルサービス(グローバルジャーナル管理)※11

グローバルアーカイブジャーナルサービス定義

prcd

#3

1

jarswd

1〜16

グローバルアーカイブジャーナルサービス(アーカイブジャーナルファイル管理)※11

アーカイブジャーナルサービス定義

prcd

#3

1

jarrvd

1〜320※14

グローバルアーカイブジャーナルサービス(ジャーナルデータアーカイブ)※11

なし

prcd

#3

1〜320※14

itvd

1

インタバルサービス

インタバルサービス定義

prcd

#3

1

stsd

1

ステータスサービス

ステータスサービス定義

prcd

#3

1

cpdd

≧0※8,※15

チェックポイントダンプサービス

ジャーナルサービス定義

チェックポイントダンプサービス定義

prcd

#3

≧0※8,※15

tjld

0または1※8

トランザクションジャーナルサービス

なし

prcd

#3

0または1※8

qued

0または1※16

メッセージキューサービス

メッセージキューサービス定義

prcd

#3

0または1※16

damd

0または1※17

DAMサービス

DAMサービス定義

prcd

#3

0または1※17

tamd

0または1※18

TAMサービス

TAMサービス定義

prcd

#3

0または1※18

tamiod

0または1※18

TAMサービス(TAMファイル入出力)

TAMサービス定義

prcd

#3

0または1※18

istd

0または1※19

ISTサービス

ISTサービス定義

prcd

#3

0または1※19

logd

1

ログサービス

ログサービス定義

prcd

#3

1

prfiop※20

0,8,または9※21

性能検証用トレース取得サービス

システム共通定義

dcstart→initまたはsystemd※22

#2

0

cltcond

0または1※23

クライアントサービス(CUP実行プロセス)

クライアントサービス定義

prcd

#1

0または1※23

cltd

0または1※24

クライアントサービス

クライアントサービス定義

prcd

#3

0または1※24

clttrnd

0または1※25

クライアントサービス(トランザクショナルRPC実行プロセス)

クライアントサービス定義

prcd

#1

0または1※25

xatd

0または1※26

XATMIサービス

なし

prcd

#3

0または1※26

xatcd

0または1※26

XATMI通信サービス

XATMI通信サービス定義

prcd

#3

0または1※26

rmmd

0または1※27

リソースマネジャモニタサービス

RMMサービス定義

prcd

#3

0または1※27

admrsvre

0または1

プロセスサービス(部分回復)

プロセスサービス定義

prcd

#3

0

mcfmngrd

0または1※28

MCFサービス(MCFマネジャ)

MCFマネジャ定義

prcd

#1

0または1※28

mapsmgrd

0または1※28,※29

マッピングサービス

マッピングサービス定義

マッピングサービス属性定義

prcd

#3

0または1※28,※29

mcfcmdsv

0または1※28,※30

MCFサービス(MCFオンラインコマンド)

なし

prcd

#3

0または1※28,※30

ユーザ指定※30

0〜239※28,※32

MCFサービス(MCF通信)

MCF通信構成定義

MCFアプリケーション定義

prcd

#3

0から239※28,※32

mqad

0または1※33

MQAサービス(MQAサーバ)

MQAサービス定義

prcd

#3

0または1※33

mqaiod

0または1以上※33,※34

MQAサービス(MQA入出力サーバ)

MQAサービス定義

prcd

#3

0または1以上※33,※34

mqcdtcp

0または1※33,※35

MQAサービス(MQCリスナサーバ)

MQAサービス定義

MQCサービス定義

prcd

#3

0または1※33,※35

mqacmd

0または1※33

MQAサービス(MQAコマンドサーバ)

MQAサービス定義

prcd

#3

0または1※33

mqamnd

0または1※33

MQAサービス(MQA監視サーバ)

MQAサービス定義

prcd

#3

0または1※33

mqtdtcp

0または1以上※33,※36

MQAサービス(MQTサーバ)

MQT通信構成定義

MQTサービス定義

prcd

#3

0または1以上※33,※36

mqtmngd

0または1※33

MQAサービス(MQTマネジャサーバ)

MQAサービス定義

prcd

#3

0または1※33

mqcgwp

0または1以上※33,※37

MQAサービス(MQCゲートウェイサーバ)

MQCゲートウェイサーバユーザサービス定義

prcd

#3

0または1以上※33,※37

mqrsup

0または1※33,※38

MQAサービス(リポジトリ管理サーバ(mqrsup))

リポジトリ管理サーバユーザサービス定義「$DCCONFPATH/mqrsup」

prcd

#1

0または1※33,※38

mqrspp

0または1※33,※38

MQAサービス(リポジトリ管理サーバ(mqrspp))

リポジトリ管理サーバユーザサービス定義「$DCCONFPATH/mqrspp」

prcd

#1

0または1※33,※38

rapclman

0または1※39

リモートAPIサービス(rapクライアントマネジャ)

rapクライアントマネジャサービス定義

prcd

#3

0または1※39

raplisnr

0〜1024※40

リモートAPIサービス(rapリスナー)

rapリスナーサービス定義

prcd

#1

0〜1024※40

rapservr

0〜1024※40

リモートAPIサービス(rapサーバ)

rapリスナーサービス定義

prcd

#1

0〜1024※40

rtsspp

0または1※41

リアルタイム統計情報サービス

リアルタイム取得項目定義

prcd

#1

0または1※41

rtssup

0または1※42

リアルタイム統計情報サービス

リアルタイム取得項目定義

prcd

#1

0または1※42

utod

0または1※43

テスタサービス

テスタサービス定義

prcd

#3

0または1※43

「稼働数」は,一つのノード内でOpenTP1が一つ稼働する場合の,一つのノード当たりのシステムサービスプロセス数です。

注※1

#1:プロセスは自動で再起動します。操作は不要です。ただし,クリティカルセクション内でダウンした場合はOpenTP1システムがシステムダウンします。

#2:プロセスは再起動しないでOpenTP1システムは縮退運転します。なお,手動でプロセスの再起動はできません。

#3:プロセスは再起動しないでOpenTP1システムがシステムダウンします。OpenTP1システムを再起動してください。

注※2

通常,稼働時のプロセス数は一つですが,このプロセスはOpenTP1プロセスの起動処理を行っているため,主に次に示すようなタイミングで一時的に複数のプロセスが存在しているように見えることがあります。

・dcstartコマンドによるOpenTP1開始時

・dcsvstartコマンドによるユーザサーバ起動時

・非常駐サーバのプロセス起動時

注※3

標準出力,標準エラー出力のリダイレクト用のプロセスです。このプロセスは,dcsetupコマンド,prcdの延長で作成されますが,このプロセスで取得した情報は,OpenTP1のコマンド(prclsコマンド)では表示できません。内容を表示する場合は,OSのコマンド(psコマンドなど)を実行してください。

注※4

次のどちらかの場合,稼働数が1になります。

・ネームサービス定義のname_audit_confオペランドに1または2を指定している

・システム共通定義のname_service_modeオペランドにmanagerまたはagentを指定している

注※5

n:スケジュールサービス定義のscdmulti定義コマンドの-mオプション指定値の総数です。

注※6

マルチスケジューラ機能使用時のマルチスケジューラグループ数です。

注※7

トランザクションサービス定義のtrn_recovery_process_countオペランド指定値です。

注※8

システム共通定義のjnl_fileless_optionオペランドにYを指定している場合,稼働数が0になります。

注※9

この値は,次に示す計算式で算出されます。

a×b

a:ジャーナルを二重化しているときは2,二重化していないときは1。

b:システムジャーナルファイルの並列アクセス機能での最大分散数(システムジャーナルサービス定義のjnl_max_file_dispersionオペランド指定値)。

注※10

この値は,次に示す計算式で算出されます。

a×b×c

a:ジャーナルを二重化しているときは2,二重化していないときは1。

b:アーカイブジャーナルファイルの並列アクセス機能での最大分散数(アーカイブジャーナルサービス定義のjnl_max_file_dispersionオペランド指定値)。

c:グローバルアーカイブジャーナルサービス定義で指定したリソース数(jnldfsv -aに指定するリソースグループ名の数)。

注※11

グローバルアーカイブジャーナルサービスがあるノードで稼働するプロセスです。

注※12

システムジャーナルサービス定義のjnl_auto_unloadオペランドにYを指定している場合,1になります。

注※13

被アーカイブジャーナルノードで稼働するプロセスです。

注※14

アーカイブジャーナルノードに転送中の被アーカイブジャーナルノードの数と同じです。

注※15

ジャーナルサービス定義のjnldfsv -cで指定するチェックポイントダンプサービス定義数です。

注※16

システムサービス構成定義のque_confオペランドにYを指定している場合,1になります。

注※17

システムサービス構成定義のdam_confオペランドにYを指定している場合,1になります。

注※18

システムサービス構成定義のtam_confオペランドにYを指定している場合,1になります。

注※19

システムサービス構成定義のist_confオペランドにYを指定している場合,1になります。

注※20

トレース取得用のプロセスです。このプロセスは,prcdの延長で作成されますが,このプロセスは,OpenTP1のコマンド(prclsコマンド)では表示できません。状態を表示する場合は,OSのコマンド(psコマンドなど)を実行してください。

注※21

システムの稼働数は,次のとおりです。

・システム共通定義のprf_traceオペランドにNを指定した場合

 稼働数は0になります。

・システム共通定義のprf_traceオペランドにYを指定した場合

 MCFを使用しないとき,稼働数は8になります。

 MCFを使用するとき,稼働数は9になります。

なお,これらの稼働数はプロセスサービス定義のprc_process_countオペランドに加算する必要はありません。

注※22

親プロセスは,dcstartプロセス終了後,initまたはsystemdに遷移します。

注※23

クライアントサービス定義のclt_cup_confオペランドにYを指定した場合,1になります。

注※24

システムサービス構成定義のclt_confオペランドにYを指定している場合,1になります。

注※25

クライアントサービス定義のclt_trn_confオペランドを省略,またはYを指定している場合,1になります。

注※26

システムサービス構成定義のxat_confオペランドにYを指定した場合,1になります。

注※27

システムサービス構成定義のrmm_confオペランドにYを指定した場合,1になります。

注※28

MCFを使用しない(システムサービス構成定義にdcsvstart -m システムサービス名の記載がない)場合,0になります。

注※29

MCFマネジャ定義のmcfmcomn -m mapsvnameに指定がある場合,1になります。

注※30

MCFマネジャ定義のmcfmcomn -o cmdsvnameに指定がある場合,1になります。

注※31

TP1/Messagingを使用した場合,"mcfutcpd"および"mcfupsvd"で固定となります。

注※32

MCFマネジャ定義のmcfmcname -s mcfsvnameの指定数です。

注※33

MQを使用しない(システムサービス構成定義のmqa_confオペランドを省略,またはNを指定している)場合,0になります。

注※34

MQAサービス定義のmqa_ioproc_numオペランド(mqaiod)の指定値については,定義内で指定しているキューファイル数に依存します(ただし,二重化定義のバックアップのキューファイル数は除外となります)。

・mqa_ioproc_numの指定値≦キューファイル数の場合:サーバ数=mqa_ioproc_numの指定値

・mqa_ioproc_numの指定値>キューファイル数の場合:サーバ数=キューファイル数

注※35

・MQAサービス定義でmqa_mqc_confオペランドを省略,またはNを指定している場合,0になります。

・MQAサービス定義でmqa_mqc_confオペランドにYを指定している場合,1になります。

注※36

この値は,次に示す計算式で算出されます。

a+b+c

a:MQAサービス定義のmqamqtnam定義コマンドで,プロトコル名称にmqttcpと指定している定義数

b

 ・MQTサーバでUOCを使用していない場合,0になります。

 ・MQTサーバでUOCを使用している場合,次の指定の合計値です。

  ・MQAサービス定義のmqamqtnam定義コマンドで,プロトコル名称がmqtuで始まるシステムサービス定義名と指定している定義数

  ・MQAサービス定義のmqamqtnam定義コマンドで,プロトコル名称がmqttcpcsuで始まるシステムサービス定義名と指定している定義数

  ・MQAサービス定義のmqamqtnam定義コマンドで,プロトコル名称がmqttcpcruで始まるシステムサービス定義名と指定している定義数

c

 ・MQAサービス定義でmqa_mqr_confオペランドを省略,またはNを指定している場合,0になります。

 ・MQAサービス定義でmqa_mqr_confオペランドにYを指定している場合,MQA サービス定義のmqamqtnam定義コマンドで,プロトコル名称がmqttcpcrおよびmqttcpcsと指定している定義数です。

注※37

・MQAサービス定義でmqa_mqc_confオペランドを省略,またはNを指定している場合,0になります。

・MQAサービス定義でmqa_mqc_confオペランドにYを指定している場合,MQCサービス定義($DCCONFPATH/mqc)の中のmqcgwpnam定義コマンドの指定数になります。

注※38

・MQAサービス定義でmqa_mqr_confオペランドを省略,またはNを指定している場合,0になります。

・MQAサービス定義でmqa_mqr_confオペランドにYを指定している場合,1になります。

注※39

リモートAPIクライアントマネジャ機能を使用する場合,1になります。

注※40

リモートAPI機能未使用時は0になります。

リモートAPI機能使用時に起動するrapリスナーサービス定義数です。

注※41

リアルタイム統計情報サービスを起動する場合,1になります。

注※42

リアルタイム統計情報サービスの拡張機能を起動する場合,1になります。

注※43

システムサービス構成定義のuto_confオペランドにYを指定している場合,1になります。