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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


24.5.1 UAP履歴情報だけを移行する方法

〈この項の構成〉

(1) 実行手順

UAP履歴情報だけを移行する方法の実行手順を次の図に示します。

図24‒6 UAP履歴情報だけを移行する方法

[図データ]

(a) 最大履歴情報長の確認

(c) リロード先の履歴情報表の作成」で行うリロード先の履歴情報表の作成には,アンロード元の履歴情報表を登録したUAP履歴情報グループを作成したときの,UAP履歴情報グループ作成コマンド(eeaphgrph)の-zオプションに指定した最大履歴情報長が必要となります。そのため,UAP履歴情報グループ作成コマンド(eeaphgrph)の-zオプションに指定した最大履歴情報長を,UAP履歴情報グループの状態表示コマンド(eeaphlsh)で確認します。

(b) 履歴情報表のアンロード

履歴情報表のアンロードは,HiRDBのデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)で実行します。履歴情報表のアンロードで指定する必要のあるHiRDBのデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)のオプションを次の表に示します。この表にないオプションについては,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)」を参照し,必要に応じて指定してください。

作成した履歴情報表のアンロードファイルと,「(a) 最大履歴情報長の確認」で確認した最大履歴情報長の対応は,ユーザが管理する必要があります。アンロードファイルに対応する最大履歴情報長が不明な場合,履歴情報表のリロードを行うことはできません。

表24‒9 pdrorgのオプションの指定内容

項番

オプションの指定内容

1

-k unld

2

-t [認可識別子.]リロード元の履歴情報表の表識別子

3

-W bin

(c) リロード先の履歴情報表の作成

リロード先の履歴情報表は,リロード用履歴情報表作成コマンド(eeaphrtblh)で作成します。作成済みのリロード先の履歴情報表に対してリロードを行う場合は,本手順は不要です。

-tオプションの履歴情報表名には,リロード先の履歴情報表の表名を指定します。リロード先の履歴情報表の表名はアンロード元の履歴情報表の表名と異なる名称を指定できます。HiRDBのスキーマが,アンロード元の履歴情報表を作成したスキーマとは異なる場合は,同じ表名を指定することもできます。

-zオプションの最大履歴情報長には,アンロード元の履歴情報表を登録したUAP履歴情報グループ作成時のUAP履歴情報グループ作成コマンド(eeaphgrph)の-zオプションに指定した値(「(a) 最大履歴情報長の確認」で確認した値)を指定します。

-bオプションと-iオプションには,リロード先の履歴情報表とインデクスを格納するRDエリア名をそれぞれ指定します。それぞれのRDエリア名は,アンロード元の履歴情報表と異なるRDエリア名を指定できます。同じRDエリア名を指定することもできます。

リロード先の履歴情報表は,アンロード元の履歴情報表,およびアンロード元の履歴情報表を登録したUAP履歴情報グループのグループ管理表とは,異なるHiRDBサーバまたは異なるスキーマに作成できます。同じHiRDBサーバの同じスキーマに作成することもできます。

(d) 履歴情報表のリロード

履歴情報表のリロードは,HiRDBのデータベース作成ユティリティ(pdload)で実行します。履歴情報表のリロードで指定する必要のあるHiRDBのデータベース作成ユティリティ(pdload)のオプションを次の表に示します。この表にないオプションについては,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)」を参照し,必要に応じて指定してください。

表24‒10 pdloadのオプションの指定可否

項番

オプションの指定内容

備考

1

-d

なし

2

-b -W

なし

3

[認可識別子.]リロード先の履歴情報表の表識別子

リロード用履歴情報表作成コマンド(eeaphrtblh)の-tオプションに指定した名称

(e) 注意事項

本手順にはRDエリアの閉塞と閉塞解除や,バックアップの取得などは含まれていません。必要に応じてRDエリアの閉塞と閉塞解除やバックアップの取得など行ってください。

履歴情報表のアンロードファイルのディスク所要量を削減したい場合は,gzipやcompressコマンドなどで履歴情報表のアンロードファイルを圧縮してください。圧縮した場合は,伸張してから履歴情報表のリロードを実行してください。

(2) 実行例

UAP履歴情報だけを移行する方法の例を次の図に示します。ここでは,次の図に示すように,アンロード元の履歴情報表名をTBL1,履歴情報表のアンロードファイル名を/usr/unload_file,リロード先の履歴情報表名をTBL2とします。また,リロード先の履歴情報表はアンロード元の履歴情報表と同じHiRDBサーバに作成するものとします。

図24‒7 UAP履歴情報だけを移行する方法の例

[図データ]

(a) 最大履歴情報長の確認

次のようにUAP履歴情報グループの状態表示コマンド(eeaphlsh)を実行します。

eeaphlsh -u GRP1

出力結果から最大履歴情報長が4,096であることを確認します。

(b) 履歴情報表のアンロード

次のようにHiRDBのデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)を実行します。このとき,-tオプションには,アンロード元の履歴情報表の表名(表識別子)であるTBL1を指定します。

pdrorg -k unld -W bin -t TBL1 /usr/rorg

制御情報ファイルである/usr/rorgの内容を次に示します。

unload /usr/unload_file

(c) リロード先の履歴情報表の作成

次のようにリロード用履歴情報表作成コマンド(eeaphrtblh)を実行します。このとき,-tオプションには,リロード先の履歴情報表の表名であるTBL2を指定します。また,-zオプションには,「(a) 最大履歴情報長の確認」で確認した最大履歴情報長である4,096を指定します。

eeaphrtblh -t TBL2 -z 4096

(d) 履歴情報表のリロード

次のようにHiRDBのデータベース作成ユティリティ(pdload)を実行します。このとき,表識別子には,リロード先の履歴情報表の表名(表識別子)であるTBL2を指定します。

pdload -d -b -W TBL2 /usr/load

制御情報ファイルである/usr/loadの内容を次に示します。

source /usr/unload_file