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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


12.1 機能概要

複数のサーバで共有するリソースの初期化を各サーバの開始時に初期化するのではなく,システム全体で1回だけ初期化を行う場合に,共有リソース初期化トランザクション(以下JIトランザクションと呼ぶ)を使用します。

システム内のすべてのサーバが正常終了している状態で正常開始を行い,最初にMIトランザクションが終了したサーバを最初に起動したサーバとして扱います。TP1/EEの開始コマンドを実行した順番とは一致しないことがあります。

システム内で最初にMIトランザクションが終了したサーバでは,MIトランザクション終了後にJIトランザクションを起動します。JIトランザクションでは,サーバ間で共有するリソース(DB上の表や,DBキュー(の通番))の初期化などを目的として起動します。JIトランザクションが終了してからオンラインを開始します。

システム内で2番目以降にMIトランザクションが終了したサーバでは,MIトランザクション終了後に,最初に起動したサーバ上でJIトランザクションが終了するのを待ち合わせます。最初に起動したサーバ上のJIトランザクションの終了を確認後にJIトランザクションを起動します。このトランザクションは,システム内で最初にMIトランザクションが終了したサーバで初期化した共有するリソースの確認などを目的として起動します。JIトランザクションが終了してからオンラインを開始します。

システム内で最初にMIトランザクションが終了したサーバか,2番目以降にMIトランザクションが終了したサーバかは,JIトランザクションのトランザクションインタフェースを参照することで判断できます。

なお,DBキューの通番などオフラインでも初期化可能なリソースは,オンライン開始前にあらかじめ初期化しておき,JIトランザクションで初期化するリソースをできるだけ少なくすることを推奨します。あらかじめ初期化しておくことで,JIトランザクションの実行時間,およびJIトランザクションの終了待ち合わせ時間を短縮し,システム全体の初期化時間が短くなります。

図12‒1 JIトランザクション概要

[図データ]