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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


7.5.4 反映先指定UOC

〈この項の構成〉

(1) 概要

反映処理するサービスを指定します。データ連携支援は1トランザクション分のUJを反映先指定UOCに引き渡します。反映先指定UOCでは1トランザクション分のUJの,反映処理するサービス名を指定します。反映先指定UOCリターン後,データ連携支援はUJを反映先指定UOCで指定された反映サービスに対応する処理キューに登録します。

図7‒29 反映先指定UOC概要

[図データ]

反映サービスへはUJを1つずつ引き渡すことも,複数UJを一括で引き渡すことも可能です。反映サービスへ引き渡すUJの単位は次の方法で指定します。

反映先指定UOCにおいて,末尾にあたるUJを指定(末尾指定)します。末尾指定のUJの反映サービスへUJを引き渡します。

図7‒30 反映サービスに引き渡すUJの単位の設定

[図データ]

図7‒31 反映サービスへのUJ引き渡し

[図データ]

(2) 反映先指定UOC省略時

反映先指定UOCは省略可能です。省略した場合,1トランザクション分のUJを一括して定義したすべての反映サービスへ引き渡します。

図7‒32 反映先指定UOC省略時

[図データ]

(3) 中断要求

ユーザが反映先指定UOC内で中断要求のリターンコードを設定した場合,データ連携支援は中断します。中断要求は2種類あり,データ連携支援を再開始したときの動作が異なります。

図7‒33 反映先指定UOCで中断要求のリターンコードを設定した場合

[図データ]

表7‒15 リターンコードに応じた再開始時の動作

項番

リターンコード

対象UJの処理キュー登録有無

中断前に反映処理するUJの範囲

再開時に渡し始める1トランザクション分UJ

1

EETRN_RKS_RTN_12

(COBOL言語は12)

処理キュー登録しない

処理キューに滞留中の全UJ

リターンコードを設定した1トランザクション分のUJ(UJ1)

2

EETRN_RKS_RTN_16

(COBOL言語は16)

処理キュー登録する

処理キューに滞留中の全UJ(リターンコードを設定したUJも含む)

リターンコードを設定した次の1トランザクション分のUJ(UJ2)

(4) 読み出しUJ指定の再開始

ユーザが反映先指定UOC内で再開始(読み出しUJ指定)指示のリターンコードEETRN_RKS_RTN_08(COBOL:8)を設定した場合,KFSB82020-Iメッセージを出力し,中断しないで処理を続行します。

その後,リターンコードEETRN_RKS_RTN_12(COBOL:12)またはEETRN_RKS_RTN_16(COBOL:16)でデータ連携支援を中断させた場合でも,データ連携支援の再開始時はリターンコードEETRN_RKS_RTN_08(COBOL:8)を設定したUAP履歴情報から再開します。再開始はリターンコードEETRN_RKS_RTN_08(COBOL:8)を指定したUAP履歴情報が優先されます。

また,リターンコードEETRN_RKS_RTN_08(COBOL:8)を返却後,次の中断要因の場合,開始終了UOCの終了モードが「中断(読み出しUJ指定)」で終了し,開始モードが「再開始(読み出しUJ指定)」で再開始します。ただし,再開始の読み出し開始位置をDBに書き込む前に中断要因が発生した場合は,これに該当しません。

リターンコードEETRN_RKS_RTN_08(COBOL:8)を指定した場合でも,データ連携支援のその他の機能に影響することはありません。通常どおり,引き継ぎ情報などを使用できます。

リターンコードEETRN_RKS_RTN_08(COBOL:8)を指定したあと,中断時に出力されるメッセージの世代番号や履歴情報表名,累積データ通番等の情報は,中断時の情報です。再開始時に有効となる情報は,KFSB82020-Iメッセージ,またはeeaphdsprksコマンドで確認できます。

次の図に,リターンコードEETRN_RKS_RTN_08(COBOL:8)の有無による再開始時のUAP履歴情報の読み出し位置を示します。

図7‒34 再開始時のUAP履歴情報の読み出し位置

[図データ]