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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


7.2.2 概要

データ連携支援は,TP1/EEのUAP履歴取得機能がDB上の履歴情報表に取得したユーザデータ(UJ)を抽出し,トランザクション単位にユーザデータ(UJ)をユーザ(UOC)に引き渡す処理を行います。ユーザでは,反映先を指定することで,ユーザデータ(UJ)をリアルタイムに反映できます。

〈この項の構成〉

(1) データ連携支援の環境構築(環境構築機能)

データ連携支援を稼働させるための環境の作成および環境の削除を行います。ここで作成したデータ連携支援環境が,データ連携支援機能のホームディレクトリとなります。

データ連携支援環境下には,データ連携支援IDごとにデータ連携支援実行環境ディレクトリを作成し,メッセージログファイルなどの各種トラブルシュート情報ファイルを格納します。データ連携支援環境下では,複数のデータ連携支援を同時に実行できます。

(2) データ連携支援の開始/終了(ジョブ制御機能)

データ連携支援では,1ルート世代分のユーザデータ(UJ)の抽出を1つのジョブとして実行します。eeaphrunrkshコマンドを契機にジョブを開始し,開始モードおよび抽出開始ポイントを決定します。

そのあと,終了条件を満たすまでユーザデータ(UJ)の抽出を行い,終了条件の検知によってジョブを終了します。

注※

オンライン開始による現用決定から,オンライン終了によるEOF取得までを1つのルート世代として管理します。

(3) データ連携支援の回復(ジョブ制御機能)

データ連携支援は,マシンダウンやDB障害などによってデータ連携支援が中断したあとの再開始に備え,実行状態やユーザの引き継ぎ情報をPJ管理表とPJ突き合わせ表に退避しています。データ連携支援が中断したあとに再開始すると,前回の実行時に処理が完了した次のユーザデータ(UJ)から抽出を開始します。

また,PJ管理表やPJ突き合わせ表が壊れ,再作成した状態でデータ連携支援を再開始すると,世代番号1の履歴情報表の先頭からユーザデータ(UJ)を抽出することになり,業務に影響する場合があります。これに対応するため,ユーザ処理が完了したときの累積データ通番を指定してデータ連携支援を再開始できる機能(強制開始)を提供します。

(4) ユーザデータ(UJ)の抽出(データ抽出機能)

データ連携支援はTP1/EEのUAP履歴情報取得機能によってDB上の履歴情報表に出力したユーザデータ(UJ)を入力としリアルタイムに反映するため,TP1/EEがオンラインで使用している現用の履歴情報表を抽出対象とします。そのため,TP1/EEが履歴情報表にどこまでユーザデータ(UJ)を出力しているかの情報をグループ管理表によって取得し,有効な情報だけ抽出するようにします。

(5) ユーザデータ(UJ)の反映(データ反映機能)

データ抽出機能で抽出したユーザデータ(UJ)をパラレルに反映処理を実行します。反映処理をマルチスレッドで行い,反映処理ごとに反映処理スレッドを割り当てることで,ユーザデータ(UJ)の反映処理をスレッドごとにパラレルに処理できます。

(6) データ連携支援の自動再実行(自動再実行機能)

DB障害や反映サービスでの障害発生時,データ連携支援のプロセスを終了しないで一時中断し,定義に従って一定時間経過後にデータ連携支援を開始できます。