Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Solaris®用)

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3.9.4 HDLMをアンインストールする

はじめに,ブートディスクと同一の容量でかつ同一のスライス構成のLUをブートディスクのミラーの数だけ用意します。これらは,移行後のブートディスクになります。

この項の構成
(1) 新しく用意したLUをHDLMの管理対象外にする
(2) 環境を構築してHDLMをアンインストールする

(1) 新しく用意したLUをHDLMの管理対象外にする

  1. dlmsetconfユティリティでHDLMデバイスの構成設定を行います。
  2. 新しく用意したLUをHDLMの管理対象外に設定します。
    3.5.6 HDLMの新規インストール時のHDLMデバイスの非構成機能」を参照してください。
  3. 再構成リブートを実行します。
     
    # reboot -- -r
     

(2) 環境を構築してHDLMをアンインストールする

ここでは次の図に示すデバイス名を使用して説明します。

図3-21 既存のブートディスクと移行後のブートディスク

[図]

既存のブートディスクのLUのデバイス名は,図のようにc8t50060E08000436D1d4c8t50060E08000436D1d5であるとし,移行後のブートディスクのLUのデバイス名はc6t50060E08000436D1d6c6t50060E08000436D1d7であるとします。

また,以降のコマンドおよび設定の例では,それぞれのスライスが次のように割り当てられていると仮定します。

  1. メタデバイスの名称を決定します。
    既存のブートディスクのメタデバイス名と,移行後のブートディスクは「表3-26 メタデバイスの名称」に示すように設定するものとします。

    表3-26 メタデバイスの名称

    ブートディスク ファイルシステム ミラー サブミラー
    既存 /(root) d100 d101
    d102
    swap d200 d201
    d202
    /usr d300 d301
    d302
    移行後 /(root) d10 d11
    d12
    swap d20 d21
    d22
    /usr d30 d31
    d32
  2. sd/ssdデバイス上にメタデバイスを作成して,ミラー化します(1面ミラー)。
     
    # metainit -f d11 1 1 c6t50060E08000436D1d6s0
    # metainit d10 -m d11
    
    # metainit -f d21 1 1 c6t50060E08000436D1d6s1
    # metainit d20 -m d21
    
    # metainit -f d31 1 1 c6t50060E08000436D1d6s6
    # metainit d30 -m d31
     
  3. 移行後のスライス0(/root)ファイルシステム)を指定して,移行後の環境のブートブロックを設定します。
    コマンドの実行例を次に示します。
     
    # installboot /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/ufs/bootblk /dev/md/rdsk/d10
     
  4. 移行後の環境のSolaris基本ファイルシステムを初期化します。
    コマンドの実行例を次に示します。
     
    # newfs /dev/md/rdsk/d10
    # newfs /dev/md/rdsk/d30
     
  5. 移行後の環境のSolaris基本ファイルシステムをマウントします。
    コマンドの実行例を次に示します。
     
    # mount /dev/md/dsk/d10 /mnt0
    # mount /dev/md/dsk/d30 /mnt1
     
  6. 既存のSolaris基本ファイルシステムを移行後の環境にコピーします。
    コマンドの実行例を次に示します。
     
    # ufsdump 0f - / | (cd /mnt0; ufsrestore rf -)
    # ufsdump 0f - /usr | (cd /mnt1; ufsrestore rf -)
     
  7. 移行後のブートディスクの/etc/vfstabファイル(/mnt0/etc/vfstab)を編集して,swapの定義を移行後のメタデバイス(/dev/md/dsk/d20)に変更し,/usrの定義を移行後のメタデバイス(/dev/md/dsk/d30)に変更します。
    (変更前)
     
    /dev/md/dsk/d200 -       swap    -       no      -
    /dev/md/dsk/d300  /dev/md/rdsk/d300 /usr ufs 1       no      -
     
    (変更後)
     
    /dev/md/dsk/d20 -       swap    -       no      -
    /dev/md/dsk/d30 /dev/md/rdsk/d30 /usr ufs 1       no      -
     
  8. 移行後のブートディスクの/etc/dumpadm.confファイル(/mnt0/etc/dumpadm.conf)を編集して,DUMPADM_DEVICEパラメタのダンプデバイスの定義を移行後の環境のブートディスクに変更します。
    (変更前)
     
    DUMPADM_DEVICE=/dev/md/dsk/d200
     
    (変更後)
     
    DUMPADM_DEVICE=/dev/md/dsk/d20
     
  9. metarootコマンドを実行します。
    -Rオプションで移行後の/root)ファイルシステムのマウントポイントを指定してください。
    コマンドの実行例を次に示します。
     
    # metaroot -R /mnt0 d10
     
  10. 移行後の環境からブートします。
    実際にブートするディスクを次の図に示します。

    図3-22 移行後の環境からのブート

    [図]

  11. マシンが起動したら,スワップデバイスおよびダンプデバイスの確認とmountコマンドで/root)および/usrの確認をします。
     
    # swap -l
    swapfile             dev  swaplo blocks   free
    /dev/md/dsk/d20     85,20     16 8409584 8409584
    
    # dumpadm
          Dump content: kernel pages
           Dump device: /dev/md/dsk/d20 (swap)
    Savecore directory: /var/crash/host
      Savecore enabled: yes
    
    # mount
    / on /dev/md/dsk/d10 read/write/setuid/devices/intr/largefiles/logging/xattr/onerror=panic/dev=154000a on Mon Mar  9 11:00:25 2009
    /usr on /dev/md/dsk/d30 read/write/setuid/devices/intr/largefiles/logging/xattr/onerror=panic/dev=154001e on Mon Mar  9 11:00:25 2009
     
  12. /root),swap/usrを2面ミラー構成にします。
     
    # metainit -f d12 1 1 c6t50060E08000436D1d7s0
    # metattach d10 d12
    
    # metainit -f d22 1 1 c6t50060E08000436D1d7s1
    # metattach d20 d22
    
    # metainit -f d32 1 1 c6t50060E08000436D1d7s6
    # metainit d30 d32
     
  13. SVMの状態データベースの複製を移行後のブートディスクに作成します。
     
    # metadb -a c6t50060E08000436D1d6s7
    # metadb -a c6t50060E08000436D1d7s7
     
  14. 移行前のSVMの環境を削除します。
     
    # metaclear d100 d101 d102
    # metaclear d200 d201 d202
    # metaclear d300 d301 d302
    
    # metadb -d c8t50060E08000436D1d4s7
    # metadb -d c8t50060E08000436D1d5s7
     
  15. metastatコマンドを実行して,2面ミラー構成になっていることを確認します。
     
    # metastat
    d10: Mirror
        Submirror 0: d11
          State: Okay
        Submirror 1: d12
          State: Okay
        Pass: 1
        Read option: roundrobin (default)
        Write option: parallel (default)
        Size: 25190400 blocks (12 GB)
    
    d11: Submirror of d10
        State: Okay
        Size: 25190400 blocks (12 GB)
        Stripe 0:
            Device                             Start Block  Dbase        State Reloc Hot Spare
            /dev/dsk/c6t50060E08000436D1d6s0          0     No            Okay   Yes
    
    
    d12: Submirror of d10
        State: Okay
        Size: 25190400 blocks (12 GB)
        Stripe 0:
            Device                             Start Block  Dbase        State Reloc Hot Spare
            /dev/dsk/c6t50060E08000436D1d7s0          0     No            Okay   Yes
           ...
     
  16. HDLMをアンインストールします。
    3.18 HDLMの設定解除」を参照し,HDLMをアンインストールします。

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