Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Solaris®用)
ここでは,ゲストドメインにHDLM管理対象のsdまたはssdデバイスを仮想ディスクとして割り当てているシステム構成へHDLMをインストールする手順について説明します。
HDLMインストール前の構成例を次の図に示します。
- 注※
- 仮想ディスクバックエンドは,仮想ディスクのデータの格納場所です。バックエンドには,ディスク,ディスクスライス,ファイル,またはボリューム(ZFS,SVM,VxVMなど)を使用できます。
制御ドメインは内蔵ディスク上のinstall_diskファイルを仮想ディスクバックエンドとして登録します。I/Oドメインはこのディスクを仮想ディスクとして認識します。この仮想ディスクのデバイス名は「/dev/[r]dsk/c0d0」となります。また,I/Oドメインでは,ストレージシステムのディスクのsdまたはssdデバイスを仮想ディスクバックエンドとして登録します。ゲストドメインはこのディスクを仮想ディスクとして認識します。
この構成例では,「/dev/dsk/c2t50060E8010027A82d0s2」および「/dev/dsk/c2t50060E8010027A82d1s2」がsdまたはssdデバイスです。
LDomsドメインの設定例を次の表に示します。
ドメイン名 ドメインの種類 ブートデバイス 仮想ディスクバックエンドのエクスポート primary 制御ドメイン(I/Oドメイン,サービスドメインを含む) 内蔵ディスク vol1: /install_disk
(I/Oドメインのローカルブートディスク用)ldg1 I/Oドメイン(サービスドメインを含む) vol1@primary-vds0 vol1: /dev/dsk/c2t50060E8010027A82d0s2
(ゲストドメインのローカルブートディスク用)
vol2: /dev/dsk/c2t50060E8010027A82d1s2
(ゲストドメインのデータディスク用)ldg2 ゲストドメイン vol1@ldg1-vds0 - HDLMインストール前のLDoms環境の構成設定例を次に示します。
LDomsを導入したホストへHDLMをインストールする手順について次に示します。
- 制御ドメインにログインします。
- ldm stopコマンドを実行してゲストドメインを停止します。
ゲストドメイン「ldg2」の停止コマンドの実行例を次に示します。# ldm stop ldg2- ldm unbindコマンドを実行してゲストドメインの資源のバインド(接続)を解除します。
ゲストドメイン「ldg2」の,資源のバインド(接続)の解除コマンドの実行例を次に示します。# ldm unbind ldg2- ldm rm-vdiskコマンドを実行してゲストドメインから仮想ディスクを削除します。
ゲストドメイン「ldg2」からの仮想ディスク「vdisk1」「vdisk2」削除コマンドの実行例を次に示します。# ldm rm-vdisk vdisk1 ldg2 # ldm rm-vdisk vdisk2 ldg2- ldm rm-vdsdevコマンドを実行してHDLMのインストール先のI/Oドメイン上のサービスドメインから仮想ディスクバックエンドのエクスポートを停止します。
サービスドメイン「ldg1」からの仮想ディスクバックエンド「vol1」「vol2」エクスポート停止コマンドの実行例を次に示します。# ldm rm-vdsdev vol1@ldg1-vds0 # ldm rm-vdsdev vol2@ldg1-vds0- I/Oドメインにログインします。
- I/OドメインへHDLMをインストールします。
HDLMのインストール前に,エクスポートしていた仮想ディスクバックエンドによって,次の処理をしてください。HDLMのインストールについては,「3.5.4 HDLMの新規インストール(Sun Clusterを使用していない場合)」,または「3.5.8 HDLMのアップグレードまたは再インストール」で説明しているインストール手順に従って操作を進めてください。HDLMをインストールしたあと,仮想ディスクバックエンドにするボリュームグループおよびファイルシステムを回復します。
- 物理ディスクおよび物理ディスクスライスの場合
特に前処理はありません。- UFS,VxFSファイルシステムの場合
ファイルシステムをアンマウントします。- ZFSファイルシステムの場合
ZFSファイルシステムをエクスポートします。- VxVMの論理ボリュームの場合
ディスクグループをデポートします。- SVMの論理ボリュームの場合
ボリュームグループの設定を解除します。- 制御ドメインでldm add-vdsdevコマンドを実行して,HDLMのインストール先のI/Oドメイン上サービスドメインから仮想ディスクバックエンドをエクスポートします。
サービスドメイン「ldg1」からの仮想ディスクバックエンド「vol1」「vol2」エクスポートコマンドの実行例を次に示します。# ldm add-vdsdev /dev/dsk/c4t50060E8010027A82d0s2 vol1@ldg1-vds0※ # ldm add-vdsdev /dev/dsk/c4t50060E8010027A82d1s2 vol2@ldg1-vds0※
- 注※
- 「/dev/dsk/c4t50060E8010027A82d0s2」および「/dev/dsk/c4t50060E8010027A82d1s2」は,移行後のHDLMデバイス名です。
- 制御ドメインでldm add-vdiskコマンドを実行して,仮想ディスクバックエンドをゲストドメインに割り当てます。
サービスドメイン「ldg1」からエクスポート済みの仮想ディスクバックエンド「vol1」「vol2」をゲストドメイン「ldg2」へ割り当てるコマンドの実行例を次に示します。# ldm add-vdisk vdisk1 vol1@ldg1-vds0 ldg2 # ldm add-vdisk vdisk2 vol2@ldg1-vds0 ldg2- 制御ドメインでldm bindコマンドを実行して,ゲストドメインの資源をバインド(接続)します。
ゲストドメイン「ldg2」の資源をバインド(接続)するコマンドの実行例を次に示します。# ldm bind ldg2- 制御ドメインでldm startコマンドを実行して,ゲストドメインを起動します。
ゲストドメイン「ldg2」の起動コマンドの実行例を次に示します。# ldm start ldg2HDLMインストール後の構成例を次の図に示します。
この構成例では,「/dev/dsk/c4t50060E8010027A82d0s2」および「/dev/dsk/c4t50060E8010027A82d1s2」がHDLMデバイスです。
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