Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(AIX®用)

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4.1.7 HDLM管理対象デバイスの属性変更

chdevコマンドを使用して,HDLM管理対象デバイスの属性を変更できます。chdevコマンドは,次に示す条件をすべて満たした状態で使用してください。

chdevコマンドを使用するときは,HDLM管理対象のデバイスを定義するHDLMデバイスまたは物理ボリューム(hdisk)のどちらかを指定します。chdevコマンドで変更できるHDLM管理対象デバイスの属性は,各SCSIデバイスのドライバのマニュアルを参照してください。

この項の構成
(1) HDLMデバイスを指定して変更する場合
(2) 物理ボリューム(hdisk)を指定して変更する場合

(1) HDLMデバイスを指定して変更する場合

HDLMデバイス(dlmfdrvn)をchdevコマンドで指定して,待ち行列の深さを変更する場合のコマンド実行例を示します。

  1. 属性を変更するHDLMデバイスが属するボリュームグループを非活動化します。
     
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryoffvg ボリュームグループ名
     
    Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用していない場合は,手順4に進みます。
  2. Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用している場合は,次のHitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドを実行して,物理ボリューム(hdisk)のpreserved_attr属性の値を確認します。
    # /opt/hitachi/drivers/hsdrv_lsdkinfo -l hdiskn -a preserved_attr
    preserved_attr unuse 保存された属性
     
    下線部のpreserved_attr属性の値がunuseに設定されているか確認してください。属性を変更するHDLMデバイス(dlmfdrvn)に対応するすべての物理ボリューム(hdisk)に対して,このHitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドを実行してください。
    Hitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドの詳細については,Hitachi Disk Array Driver for AIXのマニュアルを参照してください。
    preserved_attr属性の値がunuseに設定されていた場合は,手順4に進んでください。useに設定されていた場合は,手順3に進んでください。
  3. 次のコマンドを実行して,該当するhdiskのpreserved_attr属性の値をunuseに変更します。
    # /opt/hitachi/drivers/hsdrv_chdkinfo -l hdiskn -a preserved_attr=unuse
     
  4. chdevコマンドを実行して属性を変更します。
    次にコマンドの実行例を示します。
     
    # chdev -l dlmfdrv1 -a queue_depth=8
     
    このコマンドを実行すると,HDLM管理対象のデバイスを定義するHDLMデバイス(dlmfdrvn)および,対応するすべての物理ボリューム(hdisk)の属性が変更されます。
    Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用していない場合は手順6に進みます。
  5. Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用している場合は,次のHitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドを実行してHitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピングデータベースを保存します。
    # /opt/hitachi/drivers/hsdrv_savedkinfo -a
    # bosboot -a
     
    Hitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドの詳細については,Hitachi Disk Array Driver for AIXのマニュアルを参照してください。
  6. 手順1で非活動化したボリュームグループを活動化します。
     
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryonvg ボリュームグループ名
     

注※
chdevコマンドを使ってHDLMデバイスの属性を変更したときは,lsattrコマンドを実行して,対応する物理ボリューム(hdisk)の属性が変更されたことを確認してください。HDLMデバイスのdlmrsvlevel属性を変更したときは,物理ボリューム(hdisk)のreserve_policy属性が変更されたことを確認してください。属性が変更されていない場合,対応する物理ボリューム(hdisk)の状態をlsdevコマンドで確認してください。パスに障害が発生していると,属性が変更されないで物理ボリューム(hdisk)が定義済みとなります。この場合,次の操作手順によって,再度chdevコマンドで物理ボリュームの属性を変更してください。
  1. パス障害が発生している場合には,障害を回復させます。
  2. 対応するHDLMデバイスを定義済み状態にします。
    # rmdev -l dlmfdrvn
  3. 物理ボリューム(hdisk)を使用可能状態にします。
    # mkdev -l hdiskn
  4. HDLMデバイスを使用可能状態にします。
    # mkdev -l dlmfdrvn

注意事項
HDLMデバイス(dlmfdrvn)をchdevコマンドで指定して,HDLM管理対象のデバイスの属性を変更する場合,オプション-P-Tは指定できません。

(2) 物理ボリューム(hdisk)を指定して変更する場合

物理ボリューム(hdiskn)を指定して,HDLM管理対象のデバイスの属性を変更するには,対応するHDLMデバイスを削除するか,定義済みにしてから実施します。

物理ボリューム(hdiskn)をchdevコマンドで指定して,待ち行列の深さとタイムアウト値を変更する場合のコマンド実行例を示します。

  1. HDLMで使用しているボリュームグループを非活動化します。
    次に,コマンドの実行例を示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryoffvg ボリュームグループ名
     
  2. 定義済みにするHDLMデバイス(dlmfdrvn)に対応する物理ボリューム(hdiskn)を確認し,控えておきます。
    次に,コマンドの実行例を示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -drv | grep -w dlmfdrv6
    000024 dlmfdrv6 hdisk10 SANRISE_AMS.73010236.0007
    000025 dlmfdrv6 hdisk49 SANRISE_AMS.73010236.0007
    000026 dlmfdrv6 hdisk80 SANRISE_AMS.73010236.0007
    000027 dlmfdrv6 hdisk111 SANRISE_AMS.73010236.0007
     
  3. HDLMデバイス(dlmfdrvn)を定義済みにします。
    次に,コマンドの実行例を示します。
    # rmdev -l dlmfdrv6
     
    Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用していない場合は,手順6に進みます。
  4. Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用している場合は,次のHitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドを実行して,物理ボリューム(hdisk)のpreserved_attr属性の値を確認します。
    手順2で控えておいたそれぞれの物理ボリューム(hdisk)に対し,下線部のpreserved_attr属性の値がunuseに設定されているか,次のコマンドを実行して確認してください。
    # /opt/hitachi/drivers/hsdrv_lsdkinfo -l hdiskn -a preserved_attr
    preserved_attr unuse 保存された属性
     
    Hitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドの詳細については,Hitachi Disk Array Driver for AIXのマニュアルを参照してください。
    preserved_attr属性の値がunuseに設定されていた場合は,手順6に進んでください。useに設定されていた場合は,手順5に進んでください。
  5. 次のコマンドを実行して,該当するhdiskのpreserved_attr属性の値をunuseに変更します。
    # /opt/hitachi/drivers/hsdrv_chdkinfo -l hdiskn -a preserved_attr=unuse
     
  6. chdevコマンドを実行して属性を変更します。
    手順2で控えておいたそれぞれの物理ボリュームについて次のコマンドを実行してください。
    # chdev -l hdisk10 -a queue_depth=32 -a rw_timeout=60
     
    Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用していない場合は手順8に進みます。
  7. Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用している場合は,次のHitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドを実行してHitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピングデータベースを保存します。
    # /opt/hitachi/drivers/hsdrv_savedkinfo -a
    # bosboot -a
     
    Hitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドの詳細については,Hitachi Disk Array Driver for AIXのマニュアルを参照してください。
  8. HDLMデバイス(dlmfdrvn)を使用可能にします。
    次に,コマンドの実行例を示します。
    # mkdev -l dlmfdrv6
     
  9. 手順1で非活動化したボリュームグループを活動化します。
    次に,コマンドの実行例を示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryonvg ボリュームグループ名
     

注※
chdevコマンドを使ってHDLMデバイスの属性を変更したときは,lsattrコマンドを実行して,対応する物理ボリューム(hdisk)の属性が変更されたことを確認してください。属性が変更されていない場合,対応する物理ボリューム(hdisk)の状態をlsdevコマンドで確認してください。パスに障害が発生していると,属性が変更されないで物理ボリューム(hdisk)が定義済みとなります。この場合,次の操作手順によって,再度chdevコマンドで物理ボリュームの属性を変更してください。
  1. パス障害が発生している場合には,障害を回復させます。
  2. 対応するHDLMデバイスを定義済み状態にします。
    # rmdev -l dlmfdrvn
  3. 物理ボリューム(hdisk)を使用可能状態にします。
    # mkdev -l hdiskn
  4. HDLMデバイスを使用可能状態にします。
    # mkdev -l dlmfdrvn

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