Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(AIX®用)
ホストとOracle RACの投票ディスク(Voting Disk)を複数のパスで接続しているとき,それらのパスの一部でI/Oタイムアウトが発生すると通常のパスと同様にHDLMはフェイルオーバ処理を実行します。
ただし,Oracle RACの設定状態によっては,HDLMのフェイルオーバ処理が完了する前にOracle RAC側でノード障害が発生したと見なし,クラスタを再構成してしまうおそれがあります。
したがって,Oracle RACの投票ディスクに接続したパスをHDLMが管理する場合,使用しているOracle RACのバージョンに応じて,次に示す設定値を変更してください。
- Oracle RAC 10g 10.1.0.3.0以降,またはOracle RAC 11gを使用している場合
- ストレージシステムの種別に応じて,「MISSCOUNT」の値を変更してください。設定する値は,次に示す表に従って計算してください。算出した値以上に変更してください。
ストレージシステム種別 「MISSCOUNT」に設定する値の計算式
- Hitachi AMS2000/AMS/TMS/WMS/SMSシリーズ
- HUS100シリーズ
- SANRISE9500Vシリーズ
投票ディスクへ接続するパスの数×30秒
- Hitachi USPシリーズ
- SANRISE2000シリーズ
- SANRISE9900Vシリーズ
- Universal Storage Platform V/VMシリーズ
- Virtual Storage Platformシリーズ
- HUS VM
投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- Oracle RAC 10g 10.2.0.2.0以降,またはOracle RAC 11gを使用している場合
- 上記の「MISSCOUNT」の値の変更に加え,「DISKTIMEOUT」の値も変更してください。「DISKTIMEOUT」に設定する値は,「MISSCOUNT」の値の変更と同様,ストレージシステムの種別に応じて異なります。設定する値は,次に示す表に従って計算してください。算出した値以上に変更してください。
ストレージシステム種別 投票ディスクへ接続するパスの数 「DISKTIMEOUT」に設定する値の計算式
- Hitachi AMS2000/AMS/TMS/WMS/SMSシリーズ
- HUS100シリーズ
- SANRISE9500Vシリーズ
6以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 7以上 投票ディスクへ接続するパスの数×30秒
- Hitachi USPシリーズ
- SANRISE2000シリーズ
- SANRISE9900Vシリーズ
- Universal Storage Platform V/VMシリーズ
- Virtual Storage Platformシリーズ
- HUS VM
3以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 4以上 投票ディスクへ接続するパスの数×60秒 「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の変更方法については,Oracleサポートサービスを契約した会社へお問い合わせください。
なお,上記の構成からHDLMをアンインストールする場合,変更した「MISSCOUNT」や「DISKTIMEOUT」の設定値を元の値に戻す必要があるため,変更する前のそれぞれの設定値を控えておいてください。
All Rights Reserved. Copyright© 2011, 2013, Hitachi, Ltd.