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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option プログラム作成の手引


2.8 リモートAPI機能

リモートAPI機能は,クライアント側が呼び出したAPIをサーバ側に転送して,サーバ側で代理実行する機能です。代理実行を要求するクライアント側をrapクライアント,代理実行の要求を受けるサーバ側をrapサーバと呼びます。また,rapクライアント,rapサーバのプロトコルをrapプロトコルと呼びます。

リモートAPI機能を使用する場合,TP1/EEは,rapクライアントとしても,rapサーバとしても動作します。

リモートAPI機能で代理実行できるAPIを次に示します。

rapサーバとして動作するTP1/EEは,サポートしていないAPIの代理実行を要求された場合,rapクライアントに代理実行エラー応答メッセージを返します。

なお,TP1/Clientを使用する場合は,マニュアル「OpenTP1 クライアント使用の手引 TP1/Client/W,TP1/Client/P編」またはマニュアル「OpenTP1 クライアント使用の手引 TP1/Client/J編」を参照してください。

rapクライアントとrapサーバは,論理的な通信路である常設コネクションを使用して,リモートAPIのメッセージを送受信します。常設コネクションは,トランスポート層以下ではTCPコネクション(INETドメイン)を使用します。TCPコネクション制御の詳細については,マニュアル「TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引」のコネクションに関する運用の説明を参照してください。なお,TP1/EEでは,常設コネクションの確立・解放をOpenTP1が管理します(オートコネクトモード)。

rapプロトコルは,次に示す段階で構成されます。各段階で,rapクライアントとrapサーバとの間で要求メッセージと応答メッセージが送受信されます。

  1. 常設コネクションの確立

  2. APIの代理実行

  3. 常設コネクションの解放

TP1/EEがrapサーバとしてリモートAPI機能を使用する場合の,コネクション確立からコネクション切断までの流れを,次の図に示します。

図2‒46 リモートAPI機能を使用する場合の,コネクション確立からコネクション切断までの流れ

[図データ]

  1. TCPコネクション確立要求メッセージ

  2. 常設コネクション確立要求メッセージ

  3. 常設コネクション確立応答メッセージ

  4. APIの代理実行要求メッセージ

  5. APIの代理実行応答メッセージ

  6. 常設コネクション解放要求メッセージ

  7. 常設コネクション解放応答メッセージ

注※1

常設コネクションがオートコネクトモードのときに,TCPコネクションの確立が要求されます。

注※2

rap受信スレッドは,プロセスごとに1スレッドあります。ソケットAPIを使用してrapクライアントからのメッセージを受信します。

注※3

TCPコネクション確立要求の受け付けは,オンライン開始(初期化トランザクション終了)からプロセス終了処理開始(終了コマンド受け付け)の間だけ受信できます。

rapプロトコルの段階ごとの処理と,メッセージ受信処理を実行できない場合について説明します。

〈この節の構成〉