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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option プログラム作成の手引


2.6.5 運用コマンド実行機能使用時の定義

運用コマンド実行機能を使用する場合に,運用コマンド実行サーバに指定する必要があるTP1/Server Baseのユーザサービス定義およびTP1/EEのシステムサービス定義を示します。

〈この項の構成〉

(1) TP1/Server Baseのユーザサービス定義

運用コマンド実行サーバに指定する必要があるTP1/Server Baseのユーザサービス定義のオペランドを次の表に示します。次の表で示すオペランドの詳細については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」のユーザサービス定義の説明を参照してください。

なお,運用コマンド実行サーバ特有の説明があるオペランドについては,表のあとに説明します。

表2‒8 運用コマンド実行サーバのTP1/Server Baseのユーザサービス定義

形式

オペランド

定義内容

指定値

set

service_group

サービスグループ名

〈必須〉

module

このサービスグループを実行する実行形式プログラム名

eeadmspp※1

service

このサービスグループに属するサービス名とそのサービスを提供するエントリポイント名の組

〈必須〉=ee_call_cmd※2

nice

プロセスの優先順位の変更

0※1

parallel_count

常駐プロセス数と最大プロセス数

1※3

hold

UAPが異常終了した場合にサービスグループまたはサービスを閉塞するかどうかを指定

N※1

hold_recovery

サービスグループまたはサービスの閉塞状態をプロセスの回復時に引き継ぐかどうかを指定

N※1

schedule_priority

スケジュールの優先順位

8※1

message_buflen

最大メッセージ長

3000※1

message_store_buflen

メッセージ格納プール長

30000※3

atomic_update

サービスをトランザクションとして実行するかどうかを指定

N※1

receive_from

スケジュールキュー,またはUNIXドメインもしくはインターネットドメインを使用するかどうかを指定

queue※1

uap_trace_max

UAPトレース格納最大数

32※1

term_watch_time

連続異常終了限界経過時間

30※3

type

このサービスグループの種別

other※1

balance_count

1プロセスが処理するサービス要求数

3※3

uid

ユーザ識別子

〈デフォルト〉

auto_restart

UAPが異常終了した場合のサービスグループの処置を指定

Y※1

critical

UAPが異常終了した場合のシステムの処置

N※1

service_hold

サービス単位に閉塞管理するかどうかを指定

N※1

service_priority_control

サービス要求単位の優先順位に従ってスケジュールするかどうかを指定

N※1

trf_put

トランザクションが出力したジャーナルをトランザクションリカバリジャーナルファイルへ出力するかどうかを指定

N※1

trn_statistics_item

トランザクションブランチの統計情報項目

nothing※1

node_down_restart

ユーザサーバを自動起動するかどうかを指定

Y※1

rpc_response_statistics

レスポンス統計情報を取得するかどうかを指定

N※1

server_type

サービス関数呼び出し時OpenTP1のパラダイムに従うかXATMIのパラダイムに従うか指定

betran※1

purge_msgget

非常駐サーバでサーバプロセスがない場合OSのメッセージキューを解放するかどうか指定

N※1

cancel_normal_terminate

dcsvstopコマンドによる正常終了を抑止するかどうかを指定

N※1

prc_abort_signal

サーバのアボート用シグナル番号

3※3

rpc_extend_function

RPCサービスの機能拡張レベル

00000000※1

max_socket_descriptors

ソケット用ファイル記述子の最大数

100※3

max_open_fds

UAPプロセスでアクセスするファイルおよびパイプの最大数

100※3

termed_after_service

サービス終了時非常駐プロセス終了させるかどうか

N※3

rpc_trace

RPCトレースを取得するかどうかを指定

N※1

trn_rollback_information_put

ロールバック要因に関する情報をログに取得するかどうか

no※1

schedule_method

ユーザサーバのスケジューリング方式

msgque※1

adm_message_option

メッセージ出力指定

F※3

status_change_when_terming

次回再開始時に最終的な状態の変化を反映するかどうかを指定

Y※1

service_expiration_time

サービス関数開始から終了までの実行監視時間

60※3

multi_schedule

マルチスケジューラ機能を使用してスケジューリングするかどうかを指定

N※3

make_queue_on_starting

非常駐のサービスグループに割り当てるスケジュールキューをサーバ起動時に割り当てるかどうかを指定

Y※3

ipc_sockctl_highwater

ソケットの一時クローズ処理開始数パーセンテージ

100,0※3

ipc_sockctl_watchtime

ソケット再利用可能監視時間

60※3

ipc_conn_interval

コネクション確立監視時間

60※3

ipc_send_interval

データ送信監視間隔

5※3

ipc_send_count

データ送信監視回数

5※3

ipc_header_recv_time

通信制御データの受信監視時間

10※3

rpc_send_retry_count

TCP/IPコネクションの接続時にエラーが発生した場合のリトライ回数

0※3

rpc_send_retry_interval

TCP/IPコネクションの接続時にエラーが発生した場合のリトライ間隔

0※3

thdlock_sleep_time

スレッド間で排他が競合した場合のスレッドの待ち時間

15※3

ipc_recvbuf_size

TCP/IPの受信バッファサイズ

8192※3

ipc_sendbuf_size

TCP/IPの送信バッファサイズ

8192※3

polling_control_data

一時クローズ処理要求が到着していないかどうかを検査

Y※1

thread_yield_interval

ソケットの再利用指示を受信できる契機を与えるインタバル時間

60※3

ipc_backlog_count

コネクション確立要求を格納するキューの長さ

0※3

rpc_buffer_pool_max

プーリングするバッファ数

64※3

schedule_delay_limit

スケジュール遅延限界経過時間

0※1

core_shm_suppress

コアファイルへの共用メモリダンプの出力を抑止するかどうか

N※1

dcputenv

PATH

パス

〈デフォルト〉

LIBPATH※4

ライブラリパス

$DCDIR/lib※3

(凡例)

〈必須〉:任意の値を指定できるオペランドです。このオペランドは省略できません。

〈デフォルト〉:任意の値を指定できるオペランドです。このオペランドの指定は省略できます。省略した場合は,デフォルト値が設定されます。

注※1

固定の値を指定するオペランドです。指定値の値を指定してください。このオペランドは省略できません。

注※2

サービス名には任意の値を指定してください。エントリポイント名にはee_call_cmdを指定してください。このオペランドは省略できません。

注※3

任意の値を指定できるオペランドです。表中で示している指定値の値はサンプルです。このオペランドを省略すると,TP1/Server Baseのユーザサービスデフォルト定義の該当オペランドの指定値が有効になります。

注※4

OSがLinuxの場合は,LD_LIBRARY_PATHです。

(a) 運用コマンド実行サーバ特有の説明があるオペランド

表2-8中で,運用コマンド実行サーバ特有の説明があるオペランドを,次に示します。

●service_group="サービスグループ名"

運用コマンド実行サーバのサービスグループ名を指定します。ネットワークで接続されるすべてのOpenTP1システムの中で一意になるように指定してください。

●service="サービス名=エントリポイント名"

運用コマンド実行サーバのサービス名およびエントリポイント名を指定します。エントリポイント名には,ee_call_cmdを指定してください。

●max_socket_descriptors=ソケット用ファイル記述子の最大数

OpenTP1制御下のプロセスで,ソケット用に使用するファイル記述子の最大値を指定します。運用コマンド実行サーバで指定するソケット用ファイル記述子の最大数の計算式を次に示します。

↑(運用コマンド実行サーバにサービス要求するTP1/EEの数+1+システムサービスプロセス数)/0.8↑

↑↑:小数点以下を切り上げます。

●max_open_fds=UAPプロセスでアクセスするファイルおよびパイプの最大数

サーバのプロセスでアクセスするファイルおよびパイプの最大数を指定します。サーバのプロセスでアクセスするファイルおよびパイプの最大数の計算式を,次に示します。

(全OpenTP1ファイルシステム数)+20+3
●service_expiration_time=サービス関数開始から終了までの実行監視時間

SPPプロセスでの,サービス関数開始から終了までの実行監視時間を指定します。

ee_adm_call_command関数のtimeで指定する応答監視時間より大きい値を指定してください。また,運用コマンド実行サーバにサービス要求するTP1/EEのプロセス関連定義のcall_cmd_timeオペランドの指定値より大きい値を指定してください。

●ipc_recvbuf_size=TCP/IPの受信バッファサイズ

コネクションごとに確保されるTCP/IPの受信バッファのサイズを指定します。運用コマンド実行サーバにサービス要求するTP1/EEのRPC関連定義のipc_sendbuf_sizeオペランドの指定値と同じ値を指定することをお勧めします。

●ipc_sendbuf_size=TCP/IPの送信バッファサイズ

コネクションごとに確保されるTCP/IPの送信バッファのサイズを指定します。運用コマンド実行サーバにサービス要求するTP1/EEのRPC関連定義のipc_recvbuf_sizeオペランドと同じ値を指定することをお勧めします。

●PATH△運用コマンド実行機能で実行するコマンドの格納ディレクトリ

運用コマンド実行機能で実行するコマンドの格納ディレクトリを指定します。運用コマンド実行機能の実行環境で,実行したいコマンドのパスが設定されていない場合は,このオペランドで該当コマンドの格納ディレクトリのパスを追加してください。

●LIBPATH△OpenTP1のライブラリパス:TP1/EEのライブラリパス

OpenTP1のライブラリパスとTP1/EEのライブラリパスを指定します。

(2) TP1/EEのシステムサービス定義

運用コマンド実行機能を使用する場合に指定する必要があるTP1/EEサービス定義のオペランドを,次に示します。

プロセス関連定義
  • call_cmd_srvgroup

  • call_cmd_service

  • call_cmd_time

サービスグループ情報関連定義
  • eesvgdef

注※

運用コマンド実行機能を使用するRPC通信では,ネームサービスを使用しないため,サービスグループ情報関連定義のeesvgdef定義コマンドを指定する必要があります。

オペランドの詳細については,マニュアル「TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引」を参照してください。