5.2.4 グリッド終了ジョブの定義
グリッド終了ジョブは,グリッド開始ジョブで作成したグリッドプロパティを削除するためのジョブです。また,グリッドジョブ後処理プログラムを実行することで,データの統合などもできます。
(1) グリッド終了ジョブの処理
グリッド終了ジョブの実行によって,グリッドジョブ後処理プログラムの標準入力に,各データ識別子に対応する実行結果が渡されます。その形式については,「(4) 実行結果情報の形式」を参照してください。なお,後処理が不要な場合はグリッドジョブ後処理プログラムの指定は省略できます。
グリッドジョブ後処理プログラムを呼び出さない場合でも,グリッド終了ジョブを実行すると,グリッドプロパティが削除されます。
- 入力情報
-
グリッド終了ジョブはスクリプトファイル形式であるため,引数として入力情報を指定して,グリッドジョブ後処理プログラムに渡すこともできます。
グリッドジョブ後処理プログラムは,標準入力から実行結果情報を入力できます。また,次に示す環境変数が設定されます。
・UGPSM_GEN環境変数(世代識別子)
- 出力情報
-
ありません。
- 終了コード
-
グリッド終了ジョブの終了コードを次に示します。
終了コード
意味
0
グリッドプロパティを削除しました。
1〜255
グリッド終了ジョブの処理に失敗したため,実行を中止します。
グリッドクライアント実行ホストが,JP1/AJS3に返す終了コードについては,「9.5.4 グリッド終了ジョブの終了コード」を参照してください。
(2) グリッド終了ジョブの実行前の準備
-
グリッドジョブ後処理プログラムは,グリッドジョブ管理ホストに配置してください。
-
グリッドジョブ後処理プログラムは,ジョブマネージャデーモンを起動したアカウントの権限,またはグリッド終了ジョブを実行したユーザの権限で実行されます。そのため,プログラム,スクリプトおよび入出力するファイルに,適切なパーミッションを設定してください。
-
グリッドジョブ後処理プログラムには通常ファイルを指定してください。
(3) グリッド終了ジョブの定義のポイント
グリッド終了ジョブの定義で,次に示す項目を指定する際のポイントを説明します。
-
グリッドプロパティ名
-
グリッドジョブ管理ホスト名
-
グリッドジョブ後処理プログラム
(a) グリッドプロパティ名
グリッド終了ジョブを実行した場合,指定された名称のグリッドプロパティが存在しないときには,グリッド終了ジョブが終了コード88で終了します。この場合は,正しいグリッドプロパティ名を指定して,グリッド終了ジョブを再実行してください。
(b) グリッドジョブ管理ホスト名
グリッドジョブ後処理プログラムは,分散ファイルの統合など後処理のためのプログラムです。
グリッドジョブ後処理プログラムは,グリッドジョブ管理ホスト名に指定したホストで動作します。そのため,分割データの統合などの処理ができるホストを指定してください。なお,データの統合の処理を,グリッドジョブ管理ホストではなく,各実行ノードで行う場合は,グリッドジョブ後処理プログラムを使用する必要はありません。
そのため,分割データの統合などの処理ができるホストを指定してください。
(c) グリッドジョブ後処理プログラム
グリッドジョブ後処理プログラムの実行ファイル名をフルパスで指定します。グリッドジョブ後処理プログラムはグリッドジョブ管理ホスト上で動作するため,ジョブの実行までにグリッドジョブ管理ホスト上に用意してください。なお,グリッドジョブ後処理プログラムが不要な場合は,指定を省略できます。
グリッド後処理プログラムの実行にBJEXは使用できません。
LinuxまたはAIXで,ジョブを強制終了した場合,グリッドジョブ後処理プログラムとして実行しているプロセスはSIGTERMシグナルで停止します。CANCEL_WAIT_TIMEパラメータで指定した監視時間を経過しても停止しない場合は,SIGKILLシグナルで停止します。
(4) 実行結果情報の形式
バッチジョブ分散実行システムからグリッドジョブ後処理プログラムに渡される実行結果情報の形式を次に示します。
(a) 形式
-
フォーマット識別子が0101または0201の場合
FORMATID=フォーマット識別子 GRIDPROP_NAME=グリッドプロパティ名 [GENERATION=世代識別子] GRIDJOB_RC=グリッドジョブの終了コード データ識別子,実行ノード名,サブジョブの終了コード[,データ識別情報] データ識別子,実行ノード名,サブジョブの終了コード[,データ識別情報] : :
-
フォーマット識別子が0102または0202の場合
FORMATID=フォーマット識別子 GRIDPROP_NAME=グリッドプロパティ名 [GENERATION=世代識別子] GRIDJOB_RC=グリッドジョブの終了コード データ識別子,実行ノード名,サブジョブの終了コード,[スケジュール優先順位],[リソース名][,データ識別情報] データ識別子,実行ノード名,サブジョブの終了コード,[スケジュール優先順位],[リソース名][,データ識別情報] : :
(b) 項目
-
FORMATID=フォーマット識別子
データ配置情報のフォーマットとスケジュール方法を識別するためのIDです。グリッドジョブ前処理プログラムで指定したフォーマット識別子が設定されます。
-
GRIDPROP_NAME=グリッドプロパティ名
グリッドプロパティ名が1〜30文字の任意の文字列で設定されます。
-
GENERATION=世代識別子
世代識別子が1〜10文字の任意の文字列で設定されます。世代管理機能を使用している場合に,出力されます。
-
GRIDJOB_RC=グリッドジョブの終了コード
グリッドジョブの終了コードが整数で設定されます。
-
データ識別子
分割したデータ(データ群)を識別するための識別子が,1〜31文字の任意の文字列で設定されます。
-
実行ノード名
サブジョブを実行した実行ノード名が1〜31文字の任意の文字列で設定されます。サブジョブが未実行の場合は,「-」が設定されます。
-
サブジョブの終了コード
サブジョブの終了コードが整数で設定されます。サブジョブが未実行の場合は,「-」が設定されます。
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データ識別情報
サブジョブに渡したデータ識別情報が,0〜8502byteの任意の文字列で設定されます。
-
スケジュール優先順位
サブジョブに指定したスケジュール優先順位が,0〜4294967295の数字で設定されます。フォーマット識別子が0101または0201の場合は出力されません。
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リソース名
サブジョブに指定されたリソース名が,1〜63文字の任意の文字列で設定されます。フォーマット識別子が0101または0201の場合は出力されません。