3.3.2 ユーザプログラムの使用方法
特定のジョブまたはジョブステップで使用するユーザプログラムは,通常,システムのプログラムとは別のディレクトリに格納する。ユーザプログラムを格納したディレクトリのパスを,JOBLIB DD要素,またはSTEPLIB DD要素で指定すると,バッチジョブ実行システムは,ジョブステップの実行開始時に,PATH環境変数の先頭に登録し,ジョブステップの実行終了時にPATH環境変数への登録を削除する。
STEPLIB DD要素を指定した場合,STEPLIB DD要素で指定されたディレクトリを,PATH環境変数の先頭に登録する。
JOBLIB DD要素を指定した場合,JOBLIB DD要素で指定されたディレクトリを,PATH環境変数の先頭に登録する。
STEPLIB DD要素が指定された場合,PATH環境変数にJOBLIB DD要素で指定されたディレクトリは登録されない。
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1つのジョブの中で有効なプログラムのディレクトリであり,DD要素の名前はJOBLIBである。JOBLIB DD要素の指定位置は,JOB要素の中で最初のSTEP要素の前にする必要がある。
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1つのジョブステップの中で有効なプログラムのディレクトリであり,DD要素の名前はSTEPLIBである。STEP要素内でEXEC要素の後ろで定義する。
PATH環境変数にプログラムのディレクトリを複数登録する場合,DSN属性に登録するプログラムのディレクトリを記述したJOBLIB DD要素(またはSTEPLIB DD要素)を連続して記述する。バッチジョブ実行システムは,JOBLIB DD要素(またはSTEPLIB DD要素)を記述した順序で,プログラムのディレクトリをPATH環境変数の先頭に登録する。次に示す例の場合,PATH環境変数の値がDIR0であると,ジョブステップ実行時のPATH環境変数の値は,DIR1:DIR2:DIR0となる。
<DD NAME="JOBLIB" TYPE="LIB" DSN="DIR1" DISP="SHR"/> <DD NAME="JOBLIB" TYPE="LIB" DSN="DIR2" DISP="SHR"/>
- 〈この項の構成〉
(1) JOBLIB,STEPLIB,およびPATH環境変数の使用方法
JOBLIB,STEPLIB,およびPATH環境変数の使用方法を次に示す。
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使用するプログラムパスに対するDD要素を準備する。JOBLIBの場合はJOB要素の直後に,STEPLIBの場合はジョブステップ内のほかのDD要素群と一緒に置く。ジョブ内の複数のジョブステップが同一ディレクトリ内のプログラムを利用する場合は,JOBLIBを指定した方が簡単である。
JOBLIBおよびSTEPLIBの使用例を次の図に示す。
図3‒6 JOBLIBおよびSTEPLIBの使用例 -
ジョブ内でJOBLIBおよびSTEPLIBの両方を指定した場合,そのジョブステップではSTEPLIBを優先して,JOBLIBの指定を無視する。
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DD要素の後処理(DISP属性)は省略するか,またはSHRパラメータを指定する。