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uCosminexus Batch Job Execution Server 使用の手引


1.1 バッチジョブ実行システムとは

バッチジョブ実行システムは,一定期間のデータを集めて,一括処理をするバッチ処理を対象としたシステムである。今までメインフレームなどでバッチジョブの実行をしていた場合でも,ジョブ制御言語によるバッチジョブイメージを継承したジョブ制御を実現できる。

従来,オープンシステムでのバッチジョブの運用は,OSなどが提供する多彩なコマンド群とシェルプログラミング技術を使って一括処理の手順を作成していたため,プログラム作成と同等の作業量が必要であった。バッチジョブ実行システムを導入することで,バッチジョブの手続きをXML(eXtensible Markup Language)形式でジョブ定義XMLファイル(定型ドキュメント)として,プログラムとファイルを定義することができ,バッチジョブの定義を簡素化できる。

ジョブ定義XMLファイルでは,ファイルの管理方法が付加できる。ファイルの管理方法には,世代管理や,異常終了時の削除などがある。これによって,シェルプログラムによるファイルの事前準備や後処理が不要となる。また,プログラム間の関連を持たせることで,従来のジョブ制御では実現が難しかったプログラム間のジョブステップ制御を実現でき,バッチジョブの運用が容易になる。

定義されたジョブ定義XMLファイルは,ジョブコントローラで解析される。ジョブコントローラは,入出力装置や各種システム資源の割り当て,および解放処理をして,ジョブの実行・終了を制御する。

さらに,バッチジョブ実行システムは,この定型ドキュメントを実行し,実行結果をスプールに集めて,一元管理できる。また,JP1/AJSおよびPDEと連携することによって,次に示す運用が実現できる。

バッチジョブ実行システムの処理の流れを次の図に示す(図中の番号は,次に示す説明の項番と対応している)。バッチジョブ実行システムが処理する内容は1,3,および4が該当する。

図1‒1 バッチジョブ実行システムの処理の流れ

[図データ]

  1. バッチジョブ実行システムにジョブの実行を依頼するために,ジョブ定義XMLファイルを定義する。

  2. JP1/AJSで登録されているスケジュールに従い,ジョブコントローラ(実行制御)が起動される。

  3. 1で定義したジョブ定義XMLファイルの内容に従い,次に示す順序でジョブコントローラがジョブを実行する。

    ジョブ定義XMLファイルの解析→システム資源の確保→ジョブステップの実行→ジョブステップの終了

  4. ジョブの実行結果をスプールに集めて,一元管理する。

  5. スプールに管理されているジョブの実行結果をPDEと連携し,帳票出力する。