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OpenTP1 Version 7 OpenTP1 メッセージキューイング機能 TP1/Message Queue 使用の手引


2.1.2 メッセージキューイングの基本構成要素

メッセージキューイングの基本構成要素はメッセージとキューです。

〈この項の構成〉

(1) メッセージの概要

メッセージはアプリケーションにとって意味のあるバイト文字列です。メッセージはアプリケーション間または同じアプリケーション内の異なる部分の間で情報を転送するために使用されます。アプリケーションは同じOS上または異なるOS上で動作します。

メッセージは次に示す二つの部分で構成されます。

メッセージ記述子の形式はIBM MQによって規定されます。詳細については,マニュアル「TP1/Message Queue プログラム作成リファレンス」を参照してください。

(2) キューの概要

キューはメッセージを保存するために使用されるデータ構造体です。

各キューはキューマネジャに属します。キューマネジャは所属するキューを管理し,受信したメッセージを適切なキューへ保存します。メッセージは通常操作の一部として,アプリケーションプログラムやキューマネジャによってキューに登録されます。

キューマネジャが管理するキューの種類について,次の表に示します。

表2‒1 キューの種類

キューの種類

説明

作成方法

使用方法

ローカルキュー

アプリケーションがMQCONN命令を利用して接続するキューマネジャに属しているキューです。

次に示す2とおりの作成方法があります。

  • mqamkqueコマンドで作成(定義済みキュー)

  • アプリケーションからMQOPEN命令で作成(動的キュー)

あて先キュー

イニシエーションキュー

応答キュー

デッドレターキュー

転送キュー

ベースキュー

リモートキュー

(リモートキューのローカル定義による)

アプリケーションがMQCONN命令を利用して接続するキューマネジャとは別のキューマネジャに属しているキューです。

リモートキューのローカル定義で指定します。また,特に定義はなく,アプリケーションで指定する場合もあります。

あて先キュー

応答キュー

ベースキュー

別名キュー

ローカルキューまたはリモートキューのローカル定義の別名です。

別名キューの属性定義で指定します。

別名キュー

モデルキュー

運用中に作成するキューの基になる属性を持つキューです。

モデルキューの属性定義で指定します。

モデルキュー

(3) キューの説明

TP1/Message Queueのキューの構造について,次の図に示します。

図2‒1 TP1/Message Queueのキューの構造

[図データ]

(a) キューの使用方法による分類

キューの使用方法およびそのキューがローカルキューかリモートキューになるかについて,次の表に示します。表の項番は,図2-1の括弧の数字に対応します。

表2‒2 キューの使用方法による分類

項番

使用方法

意味

ローカルキュー

リモートキュー

1

イニシエーションキュー

トリガメッセージを登録するキュー

×

2

応答キュー

アプリケーションが応答メッセージを受け取るキュー

3

転送キュー

特定のリモートキューマネジャにメッセージを転送するキュー

×

4

デッドレターキュー

障害などでキューに登録できなかったメッセージを登録するキュー

×

5

あて先キュー

メッセージのあて先になるキュー

6

モデルキュー

属性が一時的動的キュー,永続的動的キューの基になるキュー

7

ベースキュー

別名キューの基になるキュー

8

別名キュー

キューに付けられた別名だけのキュー

(凡例)

○:該当キューになります。

×:該当キューになりません。

−:実体のないキューのため該当しません。

(b) ローカルキューの作成方法による分類

ローカルキューには,2とおりの作成方法があります。作成方法によって定義済みキューと動的キューに分けられます。

定義済みキュー

mqamkqueコマンドで作成します。作成方法については,「2.2.2(2) キューの作成と削除」を参照してください。

動的キュー

アプリケーションからMQOPEN命令で作成します。定義タイプ(DefinitionType属性)によって永続的動的キュー一時的動的キューに分けられます。永続的動的キューは,キューマネジャの障害発生時に回復されます。一時的動的キューは,キューマネジャの障害発生時に回復されません。

(4) キューの属性

キューには,属性と呼ばれる特性があります。キューの属性には,キュー名,キュータイプ,取り出し許可などがあります。属性については,マニュアル「TP1/Message Queue プログラム作成リファレンス」を参照してください。

キューの属性の決定・変更方法を次に示します。