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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/Secondary Logical Unit - TypeP2編


mcftalccn(コネクション定義の開始)

〈このページの構成〉

形式

mcftalccn  -c コネクションID
           -p slup2
           -g "sndbuf=メッセージ送信用バッファグループ番号
               rcvbuf=メッセージ受信用バッファグループ番号"
         〔-e "msgbuf=メッセージ編集用バッファグループ番号
               count=メッセージ編集用バッファ数"〕
           -m "mode=xnfas"
         〔-i auto|manual〕
         〔-b "〔bretry=yes|no〕
               〔bretrycnt=コネクション確立障害時の確立再試行回数〕
               〔bretryint=コネクション確立障害時の確立再試行間隔〕"〕
           -k host|ws|auto
           -n "ownnode=自局ノード名称"
           -q "hostnode=x'ホストノード名称'"
           -r "sndrusiz=送信最大RU長
               rcvrusiz=受信最大RU長"
           -o e'LOGONモード名称'|space
           -j "pluname=e'PLU名称'"
         〔-d rqd|rqe〕
         〔-w "〔cmderrstp=yes|no〕
               〔firststsn=positive|negative〕"〕
         〔-f yes|no〕
         〔-t "〔termself=orderly|forced〕
               〔setplu=yes|no〕
               〔dactlu=on|off〕"〕

機能

コネクションに関する環境を定義します。

オプション

●-c コネクションID  〜<1〜8文字の識別子>

OpenTP1システム内で,一意となるコネクションIDを指定します。

●-p slup2

プロトコルの種別を指定します。

slup2

SLUTYPE-Pプロトコル(2次局)

●-g

(オペランド)

sndbuf=メッセージ送信用バッファグループ番号  〜<符号なし整数>((1〜512))

メッセージ送信用バッファグループ番号を指定します。

mcftbufコマンドの-gオプションのgroupnoオペランドで指定するバッファグループ番号を指定してください。

rcvbuf=メッセージ受信用バッファグループ番号  〜<符号なし整数>((1〜512))

メッセージ受信用バッファグループ番号を指定します。

mcftbufコマンドの-gオプションのgroupnoオペランドで指定するバッファグループ番号を指定してください。

●-e

(オペランド)

msgbuf=メッセージ編集用バッファグループ番号  〜<符号なし整数>((1〜512))

入力,出力メッセージ編集UOC呼び出し時に,メッセージ編集用として使用するバッファグループ番号を指定します。このオペランドを省略した場合は,メッセージ編集用バッファは確保されません。

メッセージ編集用バッファグループ番号には,mcftbufコマンドの-gオプションのgroupnoオペランドで指定するバッファグループ番号を指定してください。

count=メッセージ編集用バッファ数  〜<符号なし整数>((1〜131070))

入力,出力メッセージ編集UOC呼び出し時に,メッセージ編集用として使用するバッファの数を指定します。

msgbuf オペランドで指定するメッセージ編集用バッファグループ番号に対応するmcftbufコマンドの-g オプションのcount,およびextendオペランドで指定するバッファ数の中から,メッセージ編集用に使用するバッファ数を指定してください。

メッセージ編集用バッファグループ番号に対応するmcftbufのcountオペランドおよびextendオペランドには,すべての論理端末で入力メッセージ編集UOCおよび出力メッセージ編集UOCが,同時に動作した場合を考慮した面数を指定してください。

また,このオペランドの指定はmcftbufコマンドの-gオプションのcount,およびextendオペランドで指定されたバッファ数の合計値を超える指定はできません。

msgbufオペランドを省略した場合は,このオペランドの指定は無効です。

msgbufオペランドを指定した場合,このオペランドを省略できません。省略した場合,定義オブジェクト生成時にKFCA11519-Eメッセージを出力してエラーとなります。

●-m

(オペランド)

mode=xnfas

使用する通信管理を指定します。

xnfas

XNF/ASを使用します。

●-i auto|manual  〜《manual》

オンライン開始時および再開始時にコネクションを自動的に確立するかどうかを指定します。

auto

オンライン開始時および再開始時にコネクションを自動的に確立します。

manual

MCF起動後,コネクションを確立します。コネクションの確立は,運用コマンド(mcftactcn)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactcn関数もしくはCBLDCMCF('TACTCN△△'))の発行で行います。

-kオプションでhostまたはautoを指定した場合,-iオプションの指定は無効になります。

●-b

(オペランド)

bretry=yes|no  〜《yes》

コネクション確立時に障害が発生した場合,コネクションの確立再試行をするかどうかを指定します。

yes

コネクションの確立再試行をします。

no

コネクションの確立再試行をしません。

-kオプションでhostを指定した場合,bretryオペランドの指定は無効になります。

-kオプションでautoを指定した場合,bretryオペランドの指定に関係なくコネクションの確立再試行をします。ここで,bretryオペランドにnoを指定した場合,bretryintオペランドの指定に関係なく直ちにコネクションの確立再試行をします。

bretrycnt=コネクション確立障害時の確立再試行回数  〜<符号なし整数>((0〜65535))《0》(単位:回)

コネクションの確立再試行をする場合の確立再試行回数を指定します。このオペランドを省略した場合,または0を指定した場合は,無限に確立再試行を繰り返します。

bretryオペランドでnoを指定した場合,bretrycntオペランドの指定は無効になります。-kオプションでhostまたはautoを指定した場合,bretrycntオペランドの指定は無効になります。

通信管理から再試行不可能な障害が通知された場合,または相手システムから確立要求に対する拒否応答を受けた場合は,再試行を中止します。

bretryint=コネクション確立障害時の確立再試行間隔  〜<符号なし整数>((0〜2550))《60》(単位:秒)

コネクションの確立再試行をする場合の確立再試行間隔を指定します。0を指定した場合,障害が発生するたびにコネクションの確立再試行をします。

bretryオペランドでnoを指定した場合,bretryintオペランドの指定は無効になります。-kオプションでhostを指定した場合,bretryintオペランドの指定は無効になります。

注意事項

再試行間隔の精度は秒単位です。また,タイマ定義(mcfttim -t)のbtimオペランドで指定する時間の間隔で再試行するかどうかをチェックします。このため,このオペランドで指定した再試行間隔と実際に再試行する時間には秒単位の誤差が生じます。

●-k host|ws|auto

起動種別を指定します。

host

ホスト(1次局)側からSLU - TypeP2へコネクションを確立します。SLU - TypeP2は,ホスト(1次局)側からのコネクション確立要求(BIND)を待ち合わせます。

ws

SLU - TypeP2からホスト(1次局)側へコネクションを確立します。

auto

INI-SELF送信制御機能でコネクションを確立します。

●-n

(オペランド)

ownnode=自局ノード名称  〜<符号なし整数>((0〜253))

自局ノード名称を指定します。XNF/ASの構成定義で指定したLU番号を指定してください。

詳細については,この章の「自システムの通信管理プログラムと関連づける内容」を参照してください。

●-q

(オペランド)

hostnode=x'ホストノード名称'  〜<1〜8けたの16進数字>

ホストノード名称を指定します。xは,16進数形式で指定することを意味します。

XNF/ASの構成定義で指定したPU番号と同じ値を指定してください。

詳細については,この章の「自システムの通信管理プログラムと関連づける内容」を参照してください。

●-r

(オペランド)

sndrusiz=送信最大RU長  〜<符号なし整数>((0〜32767))

送信最大RU長を指定します。

rcvrusiz=受信最大RU長  〜<符号なし整数>((8〜32767))

受信最大RU長を指定します。

●-o

(オペランド)

e'LOGONモード名称'  〜<1〜8文字の識別子>

LOGONモード名称を指定します。eは,EBCDICコードに変換されることを意味します。

指定した文字数が8文字に満たない場合,指定領域の右側はスペースで埋められます。LOGONモード名称はEBCDICコードに変換されます。

space

LOGONモード名称に8文字のスペース(EBCDICコードの(4040404040404040)16)を設定します。

●-j

(オペランド)

pluname=e'PLU名称'  〜<1〜8文字の識別子>

PLU名称を指定します。eは,EBCDICコードに変換されることを意味します。

●-d rqd|rqe  〜《rqd》

ホスト(1次局)への問い合わせ応答時の,応答識別を指定します。複数セグメントの問い合わせメッセージを送信する場合,このオプションの指定値は,最終セグメントだけ有効です。先頭セグメントおよび中間セグメントの応答識別は,このオプションの指定内容に関係なく,RQEになります。

rqd

問い合わせメッセージの応答識別にRQDを指定します。RQDを指定すると,問い合わせメッセージに対するホストからの応答(+RSPまたは-RSP)が送信されます。

rqe

問い合わせメッセージの応答識別にRQEを指定します。RQEを指定すると,エラーが発生した場合だけホストからの応答(-RSP)が送信されます。

●-w

(オペランド)

cmderrstp=yes|no  〜《no》

SLU - TypeP2が運用コマンド(mcftactcn,mcftactle,mcftdctcn,およびmcftdctle)による状態変更ができない場合,運用コマンドを正常に受け付けたことにするかどうかを指定します。状態変更ができない場合とは,コネクションが確立済みのときにmcftactcnを入力したなどが該当します。

ただし,コネクションおよび論理端末の状態と受け付けた運用コマンドの組み合わせが以下の場合,このオペランドの指定に関係なくエラーとします。

  • コネクション確立処理障害時(mcftactcn)

  • コネクション使用中(mcftdctcn)

  • コネクション解放処理障害(正常解放時,および強制解放時)(mcftdctcn)

  • 論理端末閉塞解除処理障害(mcftactle)

  • 論理端末閉塞処理障害(mcftdctle)

  • 論理端末使用中(mcftdctle)

yes

入力された運用コマンドを正常に受け付けたことにします。

no

入力された運用をエラーとします。運用コマンドはエラーメッセージを出力します。

firststsn=positive|negative  〜《negative》

OpenTP1の開始後初めてのコネクションの確立において,ホストからSTSNコマンドのアクションコードが"SET&TEST要求"の送達確認がされた場合に,ホストに送信する応答の種類を指定します。

positive

ホストに肯定応答(TEST POSITIVE)を送信します。

negative

ホストに否定応答(TEST NEGATIVE)を送信します。

●-f yes|no  〜《yes》

ホストに送信するデータで,FMHを使用するかどうかを指定します。

yes

ホストへのデータ送信でFMHを使用します(RH内のFIフィールドにONを設定する)。

ただし,FMHデータはUAPで送信メッセージ内に設定する必要があります。

no

ホストへのデータ送信でFMHを使用しません(RH内のFIフィールドにOFFを設定する)。

ただし,このオペランドの指定値に関係なく,ホスト側から受信するBINDセションパラメタは,FMHを使用する設定(バイト6,ビット1=ON)になっている必要があります。FMHを使用しない設定の場合,BINDパラメタ不正として-RSP(センスコード:0x0821)が応答され,コネクションの確立が拒否されます。

●-t

(オペランド)

termself =orderly|forced  〜《orderly》

TERM-SELFコマンドの終了方式フィールド(バイト3,ビット2)に設定する終了方式を指定します。

orderly

計画終了('1')を設定します。

forced

強制終了('0')を設定します。

setplu=yes|no  〜《no》

TERM-SELFコマンドにPLU名称を設定するかどうかを指定します。設定するPLU名称は,-jオプションに指定したPLU名称です。

yes

PLU名称を設定します。

no

PLU名称を設定しません。

なお,TERM-SELFコマンドの解放セションフィールド(バイト3,ビット5〜6)への値の設定は,SLU - TypeP2がsetpluオペランドの指定値を基に決定します。

setpluオペランドの指定

解放セションフィールドへの設定値

yesの場合

'00'

noの場合

'10'

-tオプションのsetpluは省略し,そのほかのオペランドを指定した場合

'10'

-tオプション全体を省略した場合

'00':SLU - TypeP2がTERM-SELFコマンドを送信する場合

'10':通信管理がTERM-SELFコマンドを送信する場合

注1

解放セションフィールドの設定値の意味は次のとおりです。

  • '00'が設定されると,TERM-SELFコマンドの送信先がPLUに限定されます。

  • '10'が設定されると,PLU,SLUの区別に関係なくTERM-SELFコマンドが送信されます。

注2

解放セションフィールドの設定値は,-tオプション全体を省略する場合と-tオプションの各オペランドに省略時解釈値を明示指定する場合で異なります。解放セションフィールドの設定値をこのオプションが未サポートのSLU - TypeP2旧バージョンを使用する場合と同じにするには,-tオプション全体を省略してください。

dactlu=on|off  〜《off》

TERM-SELFコマンドのDACTLU送信フィールド(バイト3,ビット3)に設定する送信種別を指定します。

on

送信可('1')を設定します。

off

送信不可('0')を設定します。

注意事項

-gオプション,および-eオプションで指定するバッファグループ番号は,バッファグループ定義のmcftbufコマンドに対応しています。mcftbufコマンドでは,1コネクション単位に次の表に示す資源が必要です。バッファグループ定義については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。

バッファ種別

バッファサイズ

バッファ面数

sndbuf

ユーザデータ長(送信最大RU長)

最大セグメント分割数+1

rcvbuf

ユーザデータ長(受信最大RU長)

最大セグメント分割数+2

msgbuf

次に示すどちらか大きい方の値

  • ユーザデータ長(送信最大RU長)

  • ユーザデータ長(受信最大RU長)

メッセージ編集用バッファ数(mcftalccn -e count)×2