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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/OSAS-NIF編


アプリケーション起動機能を使用する場合に関連づける内容

EXECAP要求によってアプリケーションを起動する場合,自システム内の次のプロセス間で定義する内容を関連づける必要があります。

ここでは,次に示す三つのパターンで,それぞれの定義をどのように関連づけるのか説明します。

〈このページの構成〉

SPPからのシステム間通信によってアプリケーションを起動する場合

SPPからEXECAP要求で相手システムのアプリケーションを起動する場合は,次の図に示すように定義を関連づけます。

図6‒7 SPPからのシステム間通信によってアプリケーションを起動する場合の定義例

[図データ]

  1. SPP1のユーザサービス定義のアプリケーション起動プロセス識別子(set mcf_psv_id)には,OSASNF1通信プロセスのMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

  2. OSASNF1通信プロセスのアプリケーション環境定義のアプリケーション起動プロセス識別子(mcfaenv -p)には,アプリケーション起動プロセス(PSV1)のMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

  3. SPP2のユーザサービス定義のアプリケーション起動プロセス識別子(set mcf_psv_id)には,OSASNF2通信プロセスのMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

  4. OSASNF2通信プロセスのアプリケーション環境定義のアプリケーション起動プロセス識別子(mcfaenv -p)には,アプリケーション起動プロセス(PSV2)のMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

この定義例の場合,各SPPからアプリケーション起動を要求すると,次の表に示すような結果になります。

表6‒8 SPPからのアプリケーション起動の結果

SPP

起動するアプリケーション

アプリケーション起動の可否

アプリケーション起動の結果

SPP1

APL01

SPP1のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF1通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef01)のAPL01の論理端末(NFLE01)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム1で起動されます。

APL02

SPP1のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF1通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef01)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。

APL03

SPP1のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF1通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef01)のAPL03の論理端末(NFLE03)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。

SPP2

APL01

×

SPP2のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF2通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef02)にAPL01の定義がないため,起動要求がエラーになります。

APL02

SPP2のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF2通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef02)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。

APL03

×

SPP2のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF2通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef02)にAPL03の定義がないため,起動要求がエラーになります。

(凡例)

○:起動できます。

×:起動できません。

MHPからのシステム間通信によってアプリケーションを起動する場合

MHPからEXECAP要求で相手システムのアプリケーションを起動する場合は,次の図に示すように定義を関連づけます。

図6‒8 MHPからのシステム間通信によってアプリケーションを起動する場合の定義例

[図データ]

  1. OSASNF1通信プロセスのアプリケーション環境定義のアプリケーション起動プロセス識別子(mcfaenv -p)には,アプリケーション起動プロセス(PSV1)のMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

  2. OSASNF2通信プロセスのアプリケーション環境定義のアプリケーション起動プロセス識別子(mcfaenv -p)には,アプリケーション起動プロセス(PSV2)のMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

この定義例の場合,各MHPからアプリケーション起動を要求すると,次の表に示すような結果になります。

表6‒9 MHPからのアプリケーション起動の結果

MHP

起動するアプリケーション

アプリケーション起動の可否

アプリケーション起動の結果

MHP1

(OSASNF1のMHP)

APL01

MHP1を起動したOSASNF1通信プロセスのアプリケーション定義(apldef01)のAPL01の論理端末(NFLE01)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム1で起動されます。

APL02

MHP1を起動したOSASNF1通信プロセスのアプリケーション定義(apldef01)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。

APL03

MHP1を起動したOSASNF1通信プロセスのアプリケーション定義(apldef01)のAPL03の論理端末(NFLE03)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。

MHP2

(OSASNF2のMHP)

APL01

×

MHP2を起動したOSASNF2通信プロセスのアプリケーション定義(apldef02)にAPL01の定義がないため,起動要求がエラーになります。

APL02

MHP2を起動したOSASNF2通信プロセスのアプリケーション定義(apldef02)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。

APL03

×

MHP2を起動したOSASNF2通信プロセスのアプリケーション定義(apldef02)にAPL03の定義がないため,起動要求がエラーになります。

(凡例)

○:起動できます。

×:起動できません。

システム間通信と自システム内のアプリケーション起動を併用する場合

自システム内でのアプリケーション起動によってUAPを起動したあと,そのUAPでシステム間通信を行ってアプリケーション起動要求を行う場合は,次の図に示すように定義を関連づけます。

図6‒9 システム間通信と自システム内アプリケーション起動の併用する場合の定義例

[図データ]

  1. 自システム内のアプリケーション起動の場合,SPP1のユーザサービス定義のアプリケーション起動プロセス識別子(set mcf_psv_id)には,アプリケーション起動プロセス(PSV1)のMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

  2. アプリケーション起動プロセス(PSV1)のアプリケーション環境定義のアプリケーション起動プロセス識別子(mcfaenv -p)には,アプリケーション起動プロセス(PSV1)のMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

  3. 自システム内でのアプリケーション起動によって起動したUAPから,さらにシステム間通信によるアプリケーション起動要求を行う場合,アプリケーション起動プロセス(PSV1)のMCFアプリケーション定義に,起動するアプリケーションを定義します。

  4. OSASNF1通信プロセスのアプリケーション環境定義のアプリケーション起動プロセス識別子(mcfaenv -p)には,アプリケーション起動プロセス(PSV1)のMCF環境定義(mcftenv -s)の識別子を指定します。

注※

OSASNF1通信プロセスの論理端末名も設定してください。

この定義例の場合,各UAPからアプリケーション起動を要求すると,次の表に示すような結果になります。

表6‒10 UAPからのアプリケーション起動の結果

UAP

起動するアプリケーション

アプリケーション起動の可否

アプリケーション起動の結果

SPP1

APL01

SPP1ユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するアプリケーション起動プロセス(PSV1)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL01の論理端末(PSV01)に要求を出すため,自システムで起動されます。

APL02

SPP1ユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するアプリケーション起動プロセス(PSV1)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。

APL03

SPP1ユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するアプリケーション起動プロセス(PSV1)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL03の論理端末(NFLE03)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。

APL01(PSV1のMHP)

APL01

APL01を起動したアプリケーション起動プロセス(PSV01)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL01の論理端末(PSV01)に要求を出すため,自システムで起動されます。

APL02

APL01を起動したアプリケーション起動プロセス(PSV01)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。

APL03

APL01を起動したアプリケーション起動プロセス(PSV01)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL03の論理端末(NFLE03)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。

MHP1(OSASNF1のMHP)

APL01

×

MHP1を起動した通信プロセス(OSASNF1)のアプリケーション定義(apldef02)にAPL01の定義がないため,起動要求がエラーになります。

APL02

MHP1を起動した通信プロセス(OSASNF1)のアプリケーション定義(apldef02)の,APL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。

APL03

×

MHP1を起動した通信プロセス(OSASNF1)のアプリケーション定義(apldef02)にAPL03の定義がないため,起動要求がエラーになります。

(凡例)

○:起動できます。

×:起動できません。