2.1.8 過着呼による障害検出
着呼型のコネクションでは,相手システム,または,自システムと相手システム間のネットワークの障害を長時間検出できないことがあります。このとき,TP1/NET/OSAS-NIFは,障害を検出できていないコネクションを確立状態と判断します。
確立状態の着呼型のコネクションに対して相手システムから新たにコネクション確立要求を受け付けることを過着呼と呼びます。過着呼による障害検出は,過着呼をきっかけとして着呼型のコネクションの障害を検出する機能です。
過着呼による障害検出を使用しない場合と使用する場合に分け,過着呼を検出したときの処理について説明します。
(1) 過着呼による障害検出を使用しない場合の処理
過着呼が発生した場合,TP1/NET/OSAS-NIFは新たに受け付けたコネクション確立要求を拒否します。
確立状態にある既存のコネクションを解放するか自システムで障害を検出するまで,コネクションは再確立できません。
自システムで無通信状態を監視し,必要に応じてコネクションを強制解放するなどの処置をしてください。
(2) 過着呼による障害検出を使用する場合の処理
過着呼が発生した場合,TP1/NET/OSAS-NIFは確立状態にある既存のコネクションを強制解放します。
その後のTP1/NET/OSAS-NIFの動作は,着呼型コネクションの自動受付開始を使用するかどうかで異なります。
過着呼が発生した場合のTP1/NET/OSAS-NIFの動作を次の表に示します。
(3) 注意事項
過着呼による障害検出を使用する場合,次の点に注意してください。
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着呼型コネクションの自動受付開始を使用しない場合,過着呼の検出と同時にコネクションを確立することはできません。相手システム側はコネクションの確立拒否を受信したとしても一定回数コネクション確立要求を再試行する運用を行ってください。
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過着呼による障害検出を使用し,着呼型コネクションの自動受付開始を使用しない構成は,既存のUAPを再利用する環境での使用を想定しています。新規にシステムを構築する場合は,過着呼による障害検出と着呼型コネクションの自動受付開始を併用することをお勧めします。