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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/OSAS-NIF編


2.1.8 過着呼による障害検出

着呼型のコネクションでは,相手システム,または,自システムと相手システム間のネットワークの障害を長時間検出できないことがあります。このとき,TP1/NET/OSAS-NIFは,障害を検出できていないコネクションを確立状態と判断します。

確立状態の着呼型のコネクションに対して相手システムから新たにコネクション確立要求を受け付けることを過着呼と呼びます。過着呼による障害検出は,過着呼をきっかけとして着呼型のコネクションの障害を検出する機能です。

過着呼による障害検出を使用しない場合と使用する場合に分け,過着呼を検出したときの処理について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 過着呼による障害検出を使用しない場合の処理

過着呼が発生した場合,TP1/NET/OSAS-NIFは新たに受け付けたコネクション確立要求を拒否します。

確立状態にある既存のコネクションを解放するか自システムで障害を検出するまで,コネクションは再確立できません。

自システムで無通信状態を監視し,必要に応じてコネクションを強制解放するなどの処置をしてください。

(2) 過着呼による障害検出を使用する場合の処理

過着呼が発生した場合,TP1/NET/OSAS-NIFは確立状態にある既存のコネクションを強制解放します。

その後のTP1/NET/OSAS-NIFの動作は,着呼型コネクションの自動受付開始を使用するかどうかで異なります。

過着呼が発生した場合のTP1/NET/OSAS-NIFの動作を次の表に示します。

表2‒5 過着呼が発生した場合のTP1/NET/OSAS-NIFの動作

着呼型コネクションの自動受付開始

TP1/NET/OSAS-NIFの動作

使用しない

  1. 強制解放を通知するメッセージログ(KFCA13588-I)を出力します。

  2. 確立状態にある既存のコネクションを強制解放します。

  3. 確立要求拒否を通知するメッセージログ(KFCA13590-W)を出力します。

  4. 相手システムへ確立拒否を送信します。

  5. アソシエーション層障害を通知するメッセージログ(KFCA13586-E)を出力します。

  6. NIFアソシエーション解放を通知するメッセージログ(KFCA13552-I)を出力します。

  7. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA13502-E)を出力します。

  8. CERREVTを起動します。

使用する

  1. 強制解放を通知するメッセージログ(KFCA13588-I)を出力します。

  2. 確立状態にある既存のコネクションを強制解放します。

  3. リプレース※を通知するメッセージログ(KFCA13590-W)を出力します。

  4. NIFアソシエーション解放を通知するメッセージログ(KFCA13552-I)を出力します。

  5. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA13502-E)を出力します。

  6. CERREVTを起動します。

  7. 相手システムへ初期設定回答を送信します。

  8. NIFアソシエーション確立を通知するメッセージログ(KFCA13550-I)を出力します。

  9. COPNEVTを起動します。

注※

確立状態にあるコネクションを強制解放し,新たに受け付けたコネクション確立要求に切り替えることをリプレースと呼びます。

リプレース中に相手システムから再度コネクション確立要求を受け付けた場合,リプレース中のコネクションを強制解放し,再度受け付けたコネクション確立要求を受け付けます。

また,リプレース中に新しいコネクション確立要求の障害を検出した場合,リプレース中のコネクションを強制解放し,相手システムからのコネクション確立要求を待ちます。

(3) 注意事項

過着呼による障害検出を使用する場合,次の点に注意してください。