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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/OSAS-NIF編


2.1.7 着呼型コネクションの自動受付開始

着呼型コネクションの自動受付開始は,着呼型のコネクションを解放したあとに相手システムからのコネクション確立要求を自動的に受け付けできるようにする機能です。この機能を使用すると,コネクションを解放したあとの運用コマンド(mcftactcn)の入力,およびAPI(dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△'))の発行が不要となります。着呼型コネクションの自動受付開始を使用するかどうかは,プロトコル共通定義(mcftpcmn -r)のautoonlnオペランドで指定します。

なお,この機能を使用する場合,確立処理中の運用コマンド(mcftdctcn)およびAPI(dc_mcf_tdctcn関数またはCBLDCMCF('TDCTCN△△'))の動作に差異があります。確立処理中の運用コマンドおよびAPIの動作差異を次の表に示します。

表2‒4 確立処理中の運用コマンドおよびAPIの動作差異

autoonlnオペランドの指定内容

運用コマンド(mcftdctcn)の動作

API(dc_mcf_tdctcn関数またはCBLDCMCF('TDCTCN△△'))の動作

正常解放

強制解放

正常解放

強制解放

no

運用コマンドは無効です。

運用コマンドを正常に受け付けます。

相手システムからのコネクション確立要求は受け付けられなくなります。

APIはエラーリターンします。

(リターン値DCMCFRTN_71010またはステータスコード71010)

APIは正常リターンします。

相手システムからのコネクション確立要求は受け付けられなくなります。

yes

運用コマンドは無効です。

(KFCA13530-Eの理由コード:CN_PASI)

APIはエラーリターンします。

(リターン値DCMCFRTN_71010またはステータスコード71010)

注意事項

着呼型コネクションの自動受付開始を使用する場合,次の点に注意してください。

  • プロトコル共通定義(mcftpcmn -e)のtermactbオペランドにcontを指定する必要があります。waitを指定,または省略した場合,定義オブジェクト生成時にエラーとなります。

  • 運用コマンド(mcftactcn)の入力およびAPI(dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△'))の発行は,次の条件を満たしている場合に行えます。

    ・コネクション定義(mcftalccn)の-iオプションにmanualを指定,または省略している。

    ・オンライン開始後,運用コマンド(mcftactcn)の入力や,API(dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△'))の発行を行っていない。

    システム移行などによって既存のUAPを再利用する場合,MCFイベント(CCLSEVTやCERREVTなど)を処理するUAPで,自動的に運用コマンド(mcftactcn)を入力したり,API(dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△'))を発行したりする処理がないか確認してください。問題がある場合,処理を削除するなどの対策を行ってください。

  • 着呼型コネクションの自動受付開始を使用するコネクションと使用しないコネクションが混在する場合,使用するコネクションと使用しないコネクションでMCF通信プロセスを分割してください。

    このとき,MCFイベントを処理するUAPを各々のMCF通信プロセスで共用する場合,コネクション解放後にUAPからコネクション確立要求をするかどうかは,MCFが通知したコネクションIDを基に判断してください。