2.1.4 コネクションの確立
TP1/NET/OSAS-NIFは,相手システムとの間で,論理的な通信路(コネクション)を確立してメッセージの送受信をします。
(1) 発呼型のコネクション確立
発呼型は,TP1/NET/OSAS-NIFからコネクションを確立する方法です。次に示す三つがあります。
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オンライン開始時に自動的に確立します(コネクション定義(mcftalccn -i)でautoを指定)。
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運用コマンド(mcftactcn)で確立します。
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API(dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△'))で確立します。
オンライン開始または運用コマンド入力による発呼型のコネクションの確立について,次の図に示します。
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オンラインを開始します。または,運用コマンド(mcftactcn)を入力します。
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TP1/NET/OSAS-NIFは,MCF通信構成定義情報に基づいて,初期設定要求を相手システムに送信します。
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相手システムはTP1/NET/OSAS-NIFから受信した初期設定要求の構成情報の内容と突き合わせます。
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相手システムから初期設定回答として構成情報を受信します。
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初期設定回答に従い,構成合わせをします。なお,構成合わせについては,「(3) システム間の構成合わせ」を参照してください。
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コネクションが確立されます。
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TP1/NET/OSAS-NIFは,コネクションが確立されると状態通知イベント(COPNEVT)を通知します。アプリケーション定義にCOPNEVTが定義されていない場合は,MHPは起動しません。
API発行による発呼型のコネクションの確立について,次の図に示します。
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API(dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△'))を発行します。
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TP1/NET/OSAS-NIFは,MCF通信構成定義情報に基づいて,初期設定要求を相手システムに送信します。
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相手システムはTP1/NET/OSAS-NIFから受信した初期設定要求の構成情報の内容と突き合わせます。
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相手システムから初期設定回答として構成情報を受信します。
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初期設定回答に従い,構成合わせをします。なお,構成合わせについては,「(3) システム間の構成合わせ」を参照してください。
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コネクションが確立されます。
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TP1/NET/OSAS-NIFは,コネクションが確立されると状態通知イベント(COPNEVT)を通知します。アプリケーション定義にCOPNEVTが定義されていない場合は,MHPは起動しません。
発呼型の場合のコネクションの確立方式には,重畳型と非重畳型があり,相手システムと確立方式を合わせておく必要があります。コネクションの確立方式は,コネクション定義(mcftalccn -x)で指定します。
(2) 着呼型のコネクション確立
着呼型は,相手システムからの要求でコネクションを確立する方法です。
TP1/NET/OSAS-NIFは,あらかじめ,次のどれかを行う必要があります。
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コネクション定義(mcftalccn -i)にautoを指定する。
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運用コマンド(mcftactcn)を入力する。
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API(dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△'))を発行する。
その後,相手システムからのコネクション確立要求の初期設定要求を受け,初期設定回答を送信すると,コネクションが確立します。コネクションの確立方式は,相手システムの確立方式に合わせます。
(3) システム間の構成合わせ
TP1/NET/OSAS-NIFは,コネクション確立時に相手システムとの構成情報を突き合わせます。次に示す三つの情報を突き合わせ,相手システムと構成の同期を取ります。
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NIF通番の最大値
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タイマ監視値
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論理端末構成
(a) NIF通番の最大値の突き合わせ
NIF通番とは,送受信メッセージごとにTP1/NET/OSAS-NIFが設定する通し番号のことです。
TP1/NET/OSAS-NIFは,NIF通番の最大値の突き合わせをします。突き合わせの結果,不一致となる場合は,小さい方の値を最大値とします。
NIF通番については,「2.5.2 NIF通番」を参照してください。
(b) タイマ監視値の突き合わせ
TP1/NET/OSAS-NIFは,次に示す監視時間の値を突き合わせます。
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正常処理監視時間
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ユーザ処理監視時間
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送達確認監視時間
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連続送信監視時間
突き合わせの結果,値が不一致となる場合は,大きい値に合わせます。ただし,どちらかが0を指定した場合は,タイマ監視はしません。また,終了処理監視時間は突き合わせをしません。
タイマ監視の詳細については,「2.6 タイマ監視」を参照してください。
(4) コネクション確立処理中のオンライン終了
コネクションの状態が確立処理中※でのオンライン終了時動作をプロトコル共通定義(mcftpcmn -e)のtermactbオペランドで指定できます。
- 注※
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コネクションが次に示す状態のときを,コネクション確立処理中といいます。
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発呼型のコネクションで,コネクション確立を再試行しているとき。
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着呼型のコネクションで,相手システムからのコネクション確立要求を待っているとき。
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termactbオペランドの指定内容とTP1/NET/OSAS-NIFの動作を次の表に示します。
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termactbオペランドの指定内容 |
TP1/NET/OSAS-NIFの動作 |
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wait |
コネクション確立処理中にオンラインの終了を受け付けた場合,コネクション確立処理が完了するまで終了処理を待ち合わせます。 コネクション確立処理は,相手システムとコネクションを確立するか,コネクション確立再試行回数を超過した場合に完了します。 長時間コネクション確立処理が完了しない場合,dcstopコマンドがタイムアウトし,OpenTP1が異常終了します。 |
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cont |
コネクション確立処理中にオンラインの終了を受け付けた場合,コネクション確立処理を停止し,終了処理を続行します。 |
termactbオペランドの指定がwaitの場合は,あらかじめ,すべてのコネクションを解放したあとに,オンラインを終了してください。オンライン終了中は,運用コマンドやAPIによるコネクション解放を受け付けられません。