分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/User Datagram Protocol編
dc_mcf_send − 一方送信メッセージの送信(C言語)
形式
ANSI C,C++の形式
#include <dcmcf.h> int dc_mcf_send(DCLONG action, DCLONG commform, char *termnam, char *resv01, char *senddata, DCLONG sdataleng, char *resv02, DCLONG opcd)
K&R版 Cの形式
#include <dcmcf.h> int dc_mcf_send(action, commform, termnam, resv01, senddata, sdataleng, resv02, opcd) DCLONG action; DCLONG commform; char *termnam; char *resv01; char *senddata; DCLONG sdataleng; char *resv02; DCLONG opcd;
機能
相手システムへ一方送信メッセージを送信します。一方送信メッセージは,一つのセグメントで構成されます。
セグメントを送信する領域の形式を次に示します。Lはバッファ形式1の場合は8バイト,バッファ形式2の場合は4バイトです。
制御ヘッダ(dcmudp_dc_header)は<dcmudpu.h>に,次のように定義されています。
typedef struct {
unsigned char r_exipaddr[12]; …予備
DCULONG r_ipaddr; …相手IPアドレス
unsigned char rsv1[2]; …予備
unsigned short r_portno; …相手ポート番号
unsigned char rsv2[4]; …予備
} dcmudp_dc_header;
相手IPアドレスと相手ポート番号の設定方法については,「2.1.3 通信相手のアドレスの指定」を参照してください。
UAPで値を設定する引数
単一セグメントを送信すること,一般か優先かどうか,出力通番を付けるかどうか,および使用するバッファ形式を,次の形式で設定します。
DCMCFEMI〔|{DCMCFNORM|DCMCFPRIO}〕〔|{DCMCFSEQ|DCMCFNSEQ}〕〔|{DCMCFBUF1|DCMCFBUF2}〕
一方送信を示す,DCMCFOUTを設定します。
出力先の論理端末名称を設定します。論理端末名称の長さは最大8バイトです。論理端末名称の後ろにはヌル文字を付けてください。
ヌル文字を設定します。
送信するセグメントの内容を設定した送信領域を設定します。制御ヘッダの24バイトを含めて32000バイトまで送信できます。
送信領域の制御ヘッダ内の予備領域は,必ずすべて0に設定してください。
送信するセグメントの長さを設定します。
ヌル文字を設定します。
DCNOFLAGSを設定します。
リターン値
| リターン値 | リターン値 (数値) |
意味 |
|---|---|---|
| DCMCFRTN_00000 | 0 | 正常に終了しました。 |
| DCMCFRTN_71002 | -12002 | メッセージキューへの出力処理中に障害が発生しました。 |
| メッセージキューが閉塞されています。 | ||
| メッセージキューが割り当てられていません。 | ||
| sdatalengに32000バイトを超える値を設定しています。 | ||
| MCFが終了処理中のため,メッセージの送信を受け付けられません。 | ||
| DCMCFRTN_71003 | -12003 | メッセージキューが満杯です。 |
| DCMCFRTN_71004 | -12004 | メッセージを格納するバッファをメモリ上に確保できませんでした。 |
| DCMCFRTN_71108 | -12108 | メッセージを送信しようとしましたが,送信先の管理テーブルが確保できませんでした。 |
| プロセスのローカルメモリが不足しています。 | ||
| DCMCFRTN_72000 | -13000 | <MHPの実行でリターンした場合> 先頭セグメントを受信するdc_mcf_receive関数を呼び出す前に,dc_mcf_send関数を呼び出しています。 |
| <SPPの実行でリターンした場合> トランザクションでないSPPの処理から,dc_mcf_send関数を呼び出しています。 |
||
| DCMCFRTN_72001 | -13001 | termnamに設定した論理端末名称が間違っています。 |
| termnamに設定した出力先の論理端末名称は,MCFで定義していません。 | ||
| dc_mcf_send関数を呼び出せない論理端末を設定しています。 | ||
| DCMCFRTN_72016 | -13016 | actionに設定したメッセージ種別(DCMCFNORMまたはDCMCFPRIO)の値が間違っています。 |
| actionに設定した値が間違っています。 | ||
| opcdに設定した値が間違っています。 | ||
| resv01またはresv02に設定した値が間違っています。 | ||
| 引数に設定した値に間違いがあります。 | ||
| DCMCFRTN_72017 | -13017 | actionに設定した出力通番の要否(DCMCFSEQまたはDCMCFNSEQ)の値が間違っています。 |
| DCMCFRTN_72024 | -13024 | commformに設定した値が間違っています。 |
| DCMCFRTN_72026 | -13026 | actionに設定したセグメント種別(DCMCFEMI)の値が間違っています。 |
| DCMCFRTN_72041 | -13041 | sdatalengに0,またはマイナス値を設定しています。 |
| 上記以外 | − | プログラムの破壊などによる,予期しないエラーが発生しました。 |
注意事項
MCFがUAPの送信要求をTP1/NET/UDPにスケジュールする優先順位は,高い方から同期型メッセージの送信,一方送信メッセージの送信(優先),一方送信メッセージの送信(一般)です。同一論理端末上で同期型メッセージの送信と一方送信メッセージの送信を併用する場合,送信メッセージの追い越しが発生する場合があります。
このため,同一論理端末上での,dc_mcf_send関数とdc_mcf_sendsync関数の併用は避けてください。同様に,COBOL言語およびデータ操作言語での,同期型メッセージの送信と一方送信メッセージの送信の併用は避けてください。
併用する場合は,dc_mcf_sendsync関数の送信メッセージがdc_mcf_send関数の送信メッセージを追い越した場合でも,問題が生じないように運用してください。
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