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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/XMAP3編


10.2 MCFメイン関数の作成

TP1/NET/XMAP3は,OpenTP1プロセスサービスによって起動されます。

TP1/NET/XMAP3を起動するためには,ユーザがMCFメイン関数をコーディングし,コンパイル,およびリンケージを行ってTP1/NET/XMAP3の実行形式プログラムを作成する必要があります。実行形式プログラムのリンケージには,mcfplxpコマンドを使用します。

MCFメイン関数では,スタート関数(dc_mcf_svstart)を呼び出します。UOCを使用する場合は,MCFメイン関数でUOCの関数アドレスを指定してください。UOCは,MCFメイン関数と同じ言語(ANSI C,C++,またはK&R版C)で作成してください。MCFメイン関数のコーディング概要,およびMCFメイン関数のディレクトリへの組み込み方法を,以降の図に示します。

なお,これらのコーディング例を次のファイルで提供しています。

適用OSがUNIXの場合
  • /BeTRAN/examples/mcf/XMAP3/cmlib/ansi/com.c

  • /BeTRAN/examples/mcf/XMAP3/cmlib/c/com.c

適用OSがWindowsの場合
  • %DCDIR%\examples\mcf\XMAP3\cmlib\c\com.c

図10‒1 MCFメイン関数のコーディング概要(ANSI C,C++の場合)

[図データ]

  1. TP1/NET/XMAP3で提供するヘッダファイルを取り込みます。

  2. 使用するUOC関数をextern宣言します。UOCのリターン値はDCLONG型にしてください。

    これらのUOCを使用する場合だけ,コーディングしてください。

  3. UOCテーブルをextern宣言します。UOCを使用する場合,必ずこのとおりにコーディングしてください。

  4. 各UOC関数のアドレスを,次に示すシステム提供変数に設定します。

    dcmcf_uoctbl.msgrcv  /*入力メッセージ編集UOCアドレス*/
    dcmcf_uoctbl.msgsend /*出力メッセージ編集UOCアドレス*/

    これらのUOCを使用する場合だけ,コーディングしてください。

  5. スタート関数を呼び出します。MCFメイン関数には必ずコーディングしてください。

    スタート関数を呼び出したあとは,MCFメイン関数に制御が戻りません。そのため,スタート関数のあとにコーディングした処理は実行されませんので注意してください。

図10‒2 MCFメイン関数のコーディング概要(K&R版C の場合)

[図データ]

  1. TP1/NET/XMAP3で提供するヘッダファイルを取り込みます。

  2. 使用するUOC関数をextern宣言します。UOCのリターン値はDCLONG型にしてください。

    これらのUOCを使用する場合だけ,コーディングしてください。

  3. UOCテーブルをextern宣言します。UOCを使用する場合,必ずこのとおりにコーディングしてください。

  4. 各UOC関数のアドレスを,次に示すシステム提供変数に設定します。

    dcmcf_uoctbl.msgrcv  /*入力メッセージ編集UOCアドレス*/
    dcmcf_uoctbl.msgsend /*出力メッセージ編集UOCアドレス*/

    これらのUOCを使用する場合だけ,コーディングしてください。

  5. スタート関数を呼び出します。MCFメイン関数には必ずコーディングしてください。

    スタート関数を呼び出したあとは,MCFメイン関数に制御が戻りません。そのため,スタート関数のあとにコーディングした処理は実行されませんので注意してください。

図10‒3 MCFメイン関数のディレクトリへの組み込み方法

[図データ]

注※1

ユーザ作成のUOCを使用しない場合は,必要ありません。

注※2

mcfplxpコマンドでリンケージします。

mcfplxpコマンドの詳細については,TP1/NET/XMAP3の「リリースノート」を参照してください。

注※3

TP1/NET/XMAP3の実行形式プログラム名は,先頭がmcfuで始まる8文字以内の名称です。