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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/XMAP3編


2.2.1 コネクションの確立

TP1/NET/XMAP3では,コネクションを確立して,論理端末と表示印刷サービスとを接続します。

コネクションは,次のどれかの方法で確立します。

コネクションを確立するとき,TP1/NET/XMAP3は,表示印刷サービスに要求を出してそのコネクションに対応するサービスを開始させます。該当するコネクションに自動起動指定の論理端末がある場合は,その論理端末を起動します。

コネクションの確立の流れを,次の図に示します。

図2‒1 コネクションの確立の流れ

[図データ]

表示印刷サービスの起動でコネクション確立をすることができます。詳細については「付録G 表示印刷サービスの起動でコネクション確立をするための環境設定」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) コネクションの確立の動作モード

コネクションの確立の動作モードをXMAP3共通定義(mcftxp -c)のactcnactionオペランドで指定できます。動作モードにはコネクション確立要求を逐次処理する形態とコネクション確立要求を並行処理する形態があります。

(a) コネクション確立要求を逐次処理する場合

逐次処理する指定をした場合,TP1/NET/XMAP3はコネクション確立要求が完了するまで次の運用コマンドまたはAPIによるコネクション確立要求を待ち合わせます。

コネクション確立要求を行う運用コマンドまたはAPIがリターンしたとき,TP1/NET/XMAP3がコマンドまたはAPIを正常に受け付けた場合,コネクションは確立状態となっていますが,運用コマンドを多数入力する場合には,順番待ちが発生して,入力数が増えるほど,待ち時間が拡大します。

[図データ]

(b) コネクション確立要求を並行処理する場合

並行処理する指定をした場合,TP1/NET/XMAP3はコネクション確立要求の処理中に,次の運用コマンドまたはAPIによるコネクション確立要求を受け付けることができます。画面表示を行うシステムにおいて,表示印刷サービスの起動でコネクション確立をするための環境設定を行っている場合,この指定をすることを推奨します。

[図データ]

ただし,コネクション確立要求を並行処理する場合,次の点に注意してください。

  1. コネクション確立要求を行う運用コマンドまたはAPIがリターンしたとき,TP1/NET/XMAP3で正常に受け付けられていたとしても,コネクションの状態が確立状態とは限りません。コネクション確立要求を行う運用コマンドまたはAPIがリターンしたあとに,コネクションが確立していることを前提とした処理がある場合は,コネクションの状態確認を行う運用コマンドまたはAPIで,コネクションの状態を確認してください。

  2. すべてのコネクションの確立要求処理が完了する時間は,最大処理多重度定義の最大処理多重度(mcfttred -m)に依存します。最大処理多重度は,負荷試験を実施したうえで最適な値を指定するようにしてください。多重処理状況は運用コマンド(mcftlstrd)で確認できます。運用コマンドの詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

(c) 逐次処理と並行処理の動作差異

逐次処理と並行処理の動作差異を次の表に示します。

表2‒3 逐次処理と並行処理の動作差異

定義内容

コネクション確立要求を行う運用コマンドまたはAPIがリターンしたとき,TP1/NET/XMAP3がコマンドまたはAPIを正常に受け付けた場合のコネクション状態

全コネクションの確立要求処理が完了するまでに要する時間

コネクション確立要求を逐次処理する場合

確立状態

各コネクションの確立処理に要した時間の総和

(コネクション数が多いほど,時間を要します)

コネクション確立要求を並行処理する場合

確立状態とはかぎらない

(通信障害が発生したとき,解放状態または解放処理中状態の場合もあります)

各コネクションのコネクション確立処理に要した時間のうちの最大値

(実際の所要時間は最大処理多重度に依存します)