5.1.2 入力メッセージ編集UOCインタフェース
入力メッセージ編集UOCは,次に示す形式で呼び出します。
- 〈この項の構成〉
(1) 形式
ANSI C,C++の場合
#include <dcmcf.h> #include <dcmotm.h> #include <dcmcfuoc.h> DCLONG uoc_func(dcmcf_uoc_min_n *parm)
K&R版 Cの場合
#include <dcmcf.h> #include <dcmotm.h> #include <dcmcfuoc.h> DCLONG uoc_func(parm) dcmcf_uoc_min_n *parm ;
(2) 説明
uoc_func(入力メッセージ編集UOC)を呼び出すとき,MCFは次に示す所定のパラメタをparmに設定します。
(3) パラメタの内容
(a) dcmcf_uoc_min_nの内容
typedef struct { DCLONG pro_kind; …プロトコル種別 char le_name[9]; …論理端末名称 char reserve1[7]; DCLONG rcv_prim; …受信サービスプリミティブ dcmcf_uocbuff_list_n *buflist_adr; …受信バッファリストアドレス dcmcf_uocbuff_list_n *ebuflist_adr; …編集バッファリストアドレス char aplname[9]; …アプリケーション名 char reserve2[7]; char *pro_indv_ifa; …MCF使用領域 DCLONG rtn_detail; …詳細リターンコード char reserve3[16]; } dcmcf_uoc_min_n;
(b) dcmcf_uocbuff_list_n(バッファリスト)の内容
typedef struct { DCLONG buf_num; …バッファ情報数 DCLONG used_buf_num; …使用バッファ情報数 char reserve1[8]; dcmcf_uocbufinf_n buf_array[DCMCF_UOC_BUFF_MAX]; …バッファ情報 } dcmcf_uocbuff_list_n;
(c) dcmcf_uocbufinf_n(バッファ情報)の内容
typedef struct { char *buf_adr; …バッファアドレス DCULONG buf_size; …バッファ最大長 DCULONG seg_size; …バッファ使用長 char reserve1[4]; dcmcfuoc_w_type buff_id; …MCF内部情報1 DCMLONG buff_addr; …MCF内部情報2 char reserve2[4]; } dcmcf_uocbufinf_n;
(4) MCFが値を設定する項目
(a) dcmcf_uoc_min_n
-
pro_kind
プロトコル種別として,次の値が設定されます。
- DCMCF_UOC_PRO_TP
-
OSI TPプロトコル
-
le_name
メッセージを入力した論理端末の名称が設定されます。
-
rcv_prim
受信サービスプリミティブとして,次のどちらかの値が設定されます。
- DCMCF_UOC_RCV_BRD
-
ダイアログ開始要求(TP-BEGIN-DIALOGUEind)受信
- DCMCF_UOC_RCV_REP_RE
-
上記以外の関数受信
-
buflist_adr
受信用バッファリストのアドレスが設定されます。
-
ebuflist_adr
編集用バッファリストのアドレスが設定されます。
メッセージ編集用バッファが未定義の場合,つまり,コネクション定義(mcftalccn)の-eオプションを省略した場合,ebuflist_adrにはNULLが設定されます。
-
aplname
論理端末定義(mcftalcle)の-vオプションで指定したアプリケーション名,またはダイアログ開始要求時に受信側TPSU名称で設定したアプリケーション名が設定されます。
-
pro_indv_ifa
MCFで使用するパラメタです。
(b) dcmcf_uocbuff_list_n(バッファリスト)
-
buf_num
バッファ情報の数として1が設定されます。
-
buf_array
バッファ情報の配列が設定されます。バッファ情報は,buf_numの数だけ設定されます。
(c) dcmcf_uocbufinf_n(バッファ情報)
-
buf_adr
バッファのアドレスが設定されます。
-
buf_size
バッファの最大長が設定されます。
-
seg_size
送信,または受信用バッファリストの場合だけ,バッファの使用長が設定されます。
-
buff_id,buff_addr
MCFで使用するパラメタです。
(5) ユーザが値を設定する項目
(a) dcmcf_uoc_min_n
-
aplname
UOCで決定したアプリケーション名を設定します。
-
rtn_detail
詳細リターンコードを設定します。
このコードは,UOCがDCMCF_UOC_MSG_NGをリターンしたときに,MCFに渡されます。MCFは,詳細リターンコードをメッセージログファイルに出力します。
詳細リターンコードは,-19999〜-19000の範囲で設定してください。
(b) dcmcf_uocbuff_list_n(バッファリスト)
-
used_buf_num
使用したバッファ情報の数を設定します。
使用したバッファ情報数には,1を設定してください。
(c) dcmcf_uocbufinf_n(バッファ情報)
-
seg_size
バッファの使用長を設定します。
(6) リターン値
uoc_func()は次のコードでリターンしてください。
リターン値 |
意味 |
---|---|
DCMCF_UOC_MSG_OK |
正常リターン(編集バッファでスケジューリング) |
DCMCF_UOC_MSG_OK_RCV |
正常リターン(受信バッファでスケジューリング) |
DCMCF_UOC_MSG_NG |
メッセージ編集エラー |
(7) パラメタとバッファの関係
UOCインタフェース用のパラメタとバッファの関係を次の図に示します。
(8) バッファインタフェース
入力メッセージ編集UOCを使用する場合,APDU連結があるかどうかによって,バッファのインタフェースが異なります。
(a) APDU連結がない場合
APDU連結がない場合,セグメント数は1になります。ユーザセグメントは,バッファ情報エリアの1番目が使用されます。
APDU連結がない場合のバッファインタフェースを次の図に示します。
(b) APDU連結がある場合
APDU連結がある場合,複数セグメントのメッセージが入力されます。第1セグメントは,「(a) APDU連結がない場合」と同様にバッファ情報エリアの1番目に入ります。第2セグメント以下は,各セグメントの制御情報およびパラメタと,ユーザ情報とがそれぞれ異なるバッファ情報エリアに入ります。
APDU連結がある場合のバッファインタフェースを次の図に示します。
TP1/NET/OSI-TPでは,受信バッファ数に関係なく,使用できる編集バッファ数は一つだけです。編集バッファでスケジューリングをする場合,受信メッセージの編集後,連結させたメッセージを編集バッファに設定してください。受信メッセージの連結の仕組みを次の図に示します。