2.2.3 制御権
半二重機能を選択した場合,TP1/NET/OSI-TPは制御権によって,データの送信を制御します。制御権を持っている場合だけ,自システムからデータを送信要求できます。制御権は一つのダイアログの間にだけ有効です。制御権の受け渡しについては,相手システムとの間で事前に取り決めておく必要があります。
- 〈この項の構成〉
(1) 制御権の委譲
制御権のあるシステムではUAPから制御権委譲(TP-GRANT-CONTROL)の要求を受け付けると,TP1/NET/OSI-TPは相手システムに制御権委譲(TP-GRANT-CONTROL)の要求を送信します。
制御権のないシステムではTP1/NET/OSI-TPが相手システムから制御権委譲(TP-GRANT-CONTROL)の要求を受信すると,recvsyncで受信待ちになっているUAPに制御権委譲(TP-GRANT-CONTROL)の指示を通知します。このとき制御権は移動します。制御権委譲を次の図に示します。
(2) 制御権の要求
制御権のないシステムではUAPから制御権要求(TP-REQUEST-CONTROL)の要求を受け付けると,TP1/NET/OSI-TPは相手システムに制御権要求(TP-REQUEST-CONTROL)の要求を送信します。
制御権のあるシステムではTP1/NET/OSI-TPが相手システムから制御権要求(TP-REQUEST-CONTROL)の要求を受信すると,recvsyncで受信待ちになっているUAPに制御権要求(TP-REQUEST-CONTROL)の指示を通知します。しかし,そのとき制御権は移動しません。制御権を移動したい場合,制御権を委譲する必要があります。制御権要求を次の図に示します。
また,制御権を移動したくない場合,そのままデータ送信を続けることができます。制御権のない側は制御権要求の要求を出すと制御権を委譲されるとは限りません。制御権のある側からの制御権委譲を待つ必要があります。
制御権の非所有側が制御権を委譲される契機,制御権の所有側が制御権を委譲する契機を次の表に示します。