はじめに
このマニュアルは,OpenTP1システムの中で,TP1/NET/User Agentを使用したAP間通信システムの作成方法,および運用方法について説明したものです。
本文中に記載されている製品のうち,このマニュアルの対象製品ではない製品については,OpenTP1 Version 7対応製品の発行時期をご確認ください。
■ 対象読者
OpenTP1システムの通信にUser Agentプロトコルを使用するシステム管理者,システム設計者,およびプログラマを対象としています。また,オンラインやOpenTP1システムの基礎的な知識を持っていて,次のマニュアルを理解されていることを前提としています。
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OpenTP1 解説 (3000-3-D50)
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OpenTP1 プログラム作成の手引 (3000-3-D51)
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OpenTP1 システム定義 (3000-3-D52)
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OpenTP1 運用と操作 (3000-3-D53)
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OpenTP1 プログラム作成リファレンス C言語編 (3000-3-D54)
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OpenTP1 プログラム作成リファレンス COBOL言語編 (3000-3-D55)
■ マニュアルの構成
このマニュアルは,次に示す章と付録から構成されています。
- 第1章 概要
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TP1/NET/User Agentを使用したAP間通信の概要について説明しています。
- 第2章 機能
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TP1/NET/User Agentのコネクション,論理端末,およびメッセージ送受信に関する機能について説明しています。
- 第3章 C言語のライブラリ関数
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TP1/NET/User Agentで使用できる,C言語のライブラリ関数について説明しています。
- 第4章 COBOL-UAP作成用プログラムインタフェース
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TP1/NET/User Agentで使用できる,COBOL-UAP作成用プログラムインタフェースについて説明しています。
- 第5章 ユーザオウンコーディング,MCFイベントインタフェース
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TP1/NET/User Agentに関連するユーザオウンコーディング,およびMCFイベントインタフェースについて説明しています。
- 第6章 システム定義
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OSAS/UAプロトコルを使用するために必要な,OpenTP1のシステム定義の中でのTP1/NET/User Agent固有のシステム定義,および定義例について説明しています。
- 第7章 運用コマンド
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TP1/NET/User Agentで使用する運用コマンドについて説明しています。
- 第8章 組み込み方法
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TP1/NET/User AgentをOpenTP1システムに組み込む方法について説明しています。
- 第9章 障害対策
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TP1/NET/User Agent運用中に発生する障害と,TP1/NET/User Agentの対応処理,およびメッセージの処理について説明しています。
- 付録A バージョンアップ時の変更点
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各バージョンでの関数,定義およびコマンドの変更点について説明しています。
- 付録B 旧製品からの移行に関する注意事項
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バージョン6以前からバージョン7へ移行する場合の注意事項について説明しています。
- 付録C インタフェースの変更一覧(バージョン6以前から移行する場合)
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バージョン6以前からバージョン7に移行する場合のインタフェースの変更個所について説明しています。
- 付録D メッセージ送受信の処理の流れ
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メッセージを送受信するときのデータの流れ,ジャーナル取得のタイミングについて説明しています。
- 付録E 障害発生時の処理の流れ
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障害が発生した場合の処理の流れについて説明しています。
- 付録F MCF性能検証用トレースの取得
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MCF性能検証用トレースの取得について説明しています。
- 付録G ユーザアプリケーションプログラムの作成例
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TP1/NET/User Agentのユーザアプリケーションプログラムの作成例について説明しています。
- 付録H 理由コード一覧
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障害通知イベントが発生した場合の理由コードについて説明しています。
- 付録I このマニュアルの参考情報
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関連マニュアル,このマニュアルで使用している略語の意味などを説明しています。
- 付録J 用語解説
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TP1/NET/User Agentで使用する用語について説明しています。
■ 読書手順
このマニュアルは,利用目的に合わせて章を選択して読むことができます。利用目的別に,次の流れに従ってお読みいただくことをお勧めします。
■ 図中で使用する記号
このマニュアルの図中で使用する記号を,次のように定義します。
■ 文法の記号
このマニュアルで使用する各種の記号を説明します。
- (1)文法記述記号
-
文法の記述形式について説明する記号です。
文法記述記号
意味
〔 〕
この記号で囲まれている項目は省略できることを示します。
- (例)〔-s MCF通信プロセス識別子〕
-
-sオプションとそのオペランドを指定するか,何も指定しないことを示します。
|
(ストローク)
この記号で区切られた項目は選択できることを示します。
- (例)-t reply|request
-
-tオプションにreplyまたはrequestを指定できることを示します。
ただし,C言語のインタフェースの説明でこの記号を使用した場合は,C言語の文法規則に従います。
{ }
この記号で囲まれている複数の項目のうちから一つを選択できることを示します。
- (例){DCMCFESI|DCMCFEMI}
-
DCMCFESIとDCMCFEMIのうち,どちらかを指定できることを示します。
_
(下線)
この記号で示す項目は,オペランド,オプションまたはコマンド引数を省略した場合の省略時解釈値を示します。
- (例)-i auto|manual
-
-iオプションを省略した場合,manualを省略時解釈値とすることを示します。
ただし,データ操作言語の説明の場合,この下線記号で示す予約語は,必要語なので省略できないことを示します。
下線がない予約語は,補助語なので書いても書かなくてもかまいません。
…
この記号で示す直前の一つの項目を繰り返し指定できることを示します。
ただし,項目が括弧で囲まれている場合,括弧全体が一つの項目となります。
△
(白三角)
空白を示します。
- (例)コネクションID1△コネクションID2
-
コネクションID1とコネクションID2の間に,空白を1個入力することを示します。
- (2)属性表示記号
-
ユーザ指定値の範囲などを説明する記号です。
属性表示記号
意味
〜
この記号のあとにユーザ指定値の属性を示します。
《 》
ユーザが指定を省略したときの省略時解釈値を示します。
< >
ユーザ指定値の構文要素を示します。
(( ))
ユーザ指定値の指定範囲を示します。
- (3)構文要素記号
-
ユーザ指定値の内容を説明する記号です。
構文要素記号
意味
<英字>
アルファベット(A〜Z,a〜z)と_(アンダスコア)
<英字記号>
アルファベット(A〜Z,a〜z)と#,@,\
<英数字>
英字と数字(0〜9)
<英数字記号>
英字記号と数字(0〜9)
<符号なし整数>
数字列(0〜9)
<10進数字>
数字(0〜9)
<16進数字>
数字(0〜9)と(A〜F,a〜f)
<識別子>
先頭がアルファベットの英数字列
<記号名称>
先頭が英字記号の英数字記号列
<文字列>
任意の文字の配列
<パス名>
記号名称,/,および.(ピリオド)
(ただし,パス名は使用するOSに依存)
■ 謝辞
COBOL言語仕様は,CODASYL(the Conference on Data Systems Languages:データシステムズ言語協議会)によって,開発された。OpenTP1のユーザアプリケーションプログラムのインタフェース仕様のうち,データ操作言語(DML Data Manipulation Language)の仕様は,CODASYL COBOL(1981)の通信節,RECEIVE文,SEND文,COMMIT文,及びROLLBACK文を参考にし,それに日立製作所独自の解釈と仕様を追加して開発した。原開発者に対し謝意を表すとともに,CODASYLの要求に従って以下の謝辞を掲げる。なお,この文章は,COBOLの原仕様書「CODASYL COBOL JOURNAL OF DEVELOPMENT 1984」の謝辞の一部を再掲するものである。
いかなる組織であっても,COBOLの原仕様書とその仕様の全体又は一部分を複製すること,マニュアルその他の資料のための土台として原仕様書のアイデアを利用することは自由である。ただし,その場合には,その刊行物のまえがきの一部として,次の謝辞を掲載しなければならない。書評などに短い文章を引用するときは,"COBOL"という名称を示せば謝辞全体を掲載する必要はない。
COBOLは産業界の言語であり,特定の団体や組織の所有物ではない。
CODASYL COBOL委員会又は仕様変更の提案者は,このプログラミングシステムと言語の正確さや機能について,いかなる保証も与えない。さらに,それに関連する責任も負わない。
次に示す著作権表示付資料の著作者及び著作権者
FLOW-MATIC(Sperry Rand Corporationの商標),
Programming for the Univac(R)I and II,Data Automation Systems,
Sperry Rand Corporation 著作権表示1958年,1959年;
IBM Commercial Translator Form No.F 28-8013,IBM著作権表示1959年;
FACT,DSI 27A5260-2760,Minneapolis-Honeywell,著作権表示1960年
は,これら全体又は一部分をCOBOLの原仕様書中に利用することを許可した。この許可は,COBOL原仕様書をプログラミングマニュアルや類似の刊行物に複製したり,利用したりする場合にまで拡張される。