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OpenTP1 Version 7 TP1/Messaging 使用の手引


4.1.1 TP1/Messagingのトラブル

〈この項の構成〉

(1) TP1/Messagingを開始できない場合

TP1/Messagingを開始できない原因には,次の理由が考えられます。

(a) TP1/Messagingが正しくセットアップされていない

TP1/Messagingをセットアップし直してください。セットアップし直す場合は,1度アンインストールしてから,再度インストールしてください。

(b) メモリの容量不足,またはディスクの容量不足

メモリ,またはディスクの容量が不足していることを知らせるメッセージが出力されます。

稼働中の不要なユーザサーバを停止させるか,または不要なファイルを削除してから,TP1/Messagingを再び開始させてください。

(c) MCFまたはMHPの環境設定が正しく行われていない

  • MCFまたはMHPの環境設定を,GUIの画面から再度行ってください。次の表に示す環境設定不正の要因と対策を参照して定義の設定を見直してください。

    表4‒1 環境設定不正の要因と対策

    設定種別

    画面名称

    設定項目

    要因と対策

    MCF環境設定

    TCP/IPコネクション属性設定画面

    [コネクション名(N)]

    コネクション名がOpenTP1システム内で重複していることが考えられます。OpenTP1システム内で一意となるように名称を変更してください。

    [論理端末名(L)]

    論理端末名がOpenTP1システム内で重複していることが考えられます。OpenTP1システム内で一意となるように名称を変更してください。

    [アプリケーション名(A)]

    次に示す設定内容が一致していないことが考えられます。設定内容が一致するように変更してください。

    • TCP/IP通信サービス環境設定画面で設定したアプリケーショングループ名とアプリケーション名

    • アプリケーショングループ環境設定での設定内容

    [コネクションリプレースの使用]

    TCP/IP通信サービス環境設定画面で設定するコネクション内で,同じ自システムのポート番号を持つサーバ型コネクションが複数ある場合は,コネクションリプレースを使用する/使用しないの設定値が統一されていないことが考えられます。設定値を統一してください。

  • 定義テキストファイルの内容の不正によってGUIを起動できなくなった場合は,次に示す手順でバックアップファイルから定義情報を元の状態に戻すことができます。

    1. 各定義テキストファイル格納フォルダ内の定義テキストファイル,および各定義オブジェクトファイル格納フォルダ内の定義オブジェクトファイルをすべて削除してください。ただし,表4-2に示す初期設定ファイルは削除しないでください。

    2. 定義テキストファイルのバックアップファイルの拡張子(.bak)を削除して,定義テキストファイルの格納フォルダにコピーしてください。

      表4-3に定義テキストファイルのバックアップファイルのファイルパスを示します。

    3. GUIを再起動してください。

      表4‒2 初期設定ファイルの格納フォルダ

      定義種別

      ファイルパス名

      TEXTPATH=%DCCONFPATH%\mcfconf\TEXT

      マネジャ定義

      TEXTPATH\MNG\mcfmngr.mng

      アプリケーション定義

      TEXTPATH\APL\mcfag01.apl

      アプリケーション間通信サービス定義

      通信構成定義共通部

      TEXTPATH\PSV\CCM\mups01.ccm

      アプリケーション起動環境定義

      TEXTPATH\PSV\CPR\mups01.psv

      TCP/IP通信サービス定義

      通信構成定義共通部

      TEXTPATH\TCP\CCM\mutc01.ccm

      TCP/IP定義

      TEXTPATH\TCP\CPR\mutc01.tip

      表4‒3 定義テキストファイルのバックアップファイルの格納フォルダ

      定義種別

      ファイルパス名

      TEXTPATH=%DCCONFPATH%\mcfconf\_TEXT_BACKUP

      マネジャ定義

      TEXTPATH\MNG\mcfmngr.bak

      アプリケーション定義

      TEXTPATH\APL\アプリケーショングループ名.bak

      アプリケーション間通信サービス定義

      通信構成定義共通部

      TEXTPATH\PSV\CCM\アプリケーション間通信サービス名.bak

      アプリケーション起動環境定義

      TEXTPATH\PSV\CPR\アプリケーション間通信サービス名.bak

      TCP/IP通信サービス定義

      通信構成定義共通部

      TEXTPATH\TCP\CCM\TCP/IP通信サービス名.bak

      TCP/IP定義

      TEXTPATH\TCP\CPR\TCP/IP通信サービス名.bak

      ユーザサービス定義

      %DCCONFPATH%\_MHP_BACKUP\ユーザサーバ名.bak

  • 定義ソースファイルを直接編集して環境設定をしている場合は,マネジャ定義オブジェクトファイル名に注意してください。TP1/Messagingでは,マネジャ定義オブジェクトファイル名は必ず'_mumngr'としてください。誤ったファイル名で作成している場合は,'_mumngr'で再作成してください。

    また,テキストファイル%DCCONFPATH%\sysconfに次のとおり記述されているか確認してください。'_mumngr'でない場合は,'_mumngr'に修正してください。

    dcsvstrt -m _mumngr

(2) TP1/Messagingを終了できない場合

TP1/Messagingのアプリケーション管理MHPの画面,TP1/LiNKアプリケーション管理SPPの画面,またはTP1/LiNKアプリケーション管理SUPの画面から,[最新情報に更新(L)]ボタンをクリックして,現在のユーザサーバの状態を確認してください。ユーザサーバが終了していない場合は,終了を待つか,または終了していないユーザサーバを強制停止させてください。

(3) TP1/Messagingが異常終了した場合

TP1/Messagingの内部処理で異常を検出した場合,メッセージ,および異常の原因を示す理由コードが出力されます。これらの情報を保守員へ連絡してください。

(4) 定義内容の矛盾によってエラーが発生した場合

MCF環境設定とMHP環境設定で設定する定義内容に矛盾がある場合,エラーダイアログボックスが表示されることがあります。エラーダイアログボックスが表示された場合は,ここで説明する事例と対策方法を参考にしてエラーの要因を取り除いてください。問題が解決しない場合は,保守員に連絡してください。

(a) サービスグループ名の不一致

アプリケーション管理MHPのGUI画面を操作中に,次に示すエラーダイアログボックスが表示されることがあります。

[図データ]

このエラーダイアログボックスが表示される要因と対策を次に示します。

要因
GUIで環境設定をする場合

アプリケーション属性設定画面で設定したサービスグループ名とMHP環境設定で設定したサービスグループ名との間に,一致するサービスグループがない場合に発生します。

定義ソースファイルを直接編集して環境設定をする場合

アプリケーション属性定義のservgrpnオペランドで設定したサービスグループ名とMHP環境設定画面で設定したサービスグループ名との間に,一致するサービスグループがない場合に発生します。

対策

アプリケーション属性設定画面で設定したサービスグループ名,またはアプリケーション属性定義のservgrpnオペランドで設定したサービスグループ名とMHP環境設定画面で設定したサービスグループ名が一致するように再度環境設定をしてください。

(b) サービス名の不一致

アプリケーション管理MHPのGUI画面を操作中に,次に示すエラーダイアログボックスが表示されることがあります。

[図データ]

このエラーダイアログボックスが表示される要因と対策を次に示します。

要因
GUIで環境設定をする場合

アプリケーション属性設定画面で設定したサービス名とMHP環境設定画面で設定したサービス名との間に,一致するサービスがない場合に発生します。

定義ソースファイルを直接編集して環境設定をする場合

アプリケーション属性定義のservnameオペランドで設定したサービス名とMHP環境設定画面で設定したサービス名との間に,一致するサービスがない場合に発生します。

対策

アプリケーション属性設定画面で設定したサービス名,またはアプリケーション属性定義のservnameオペランドで設定したサービス名とMHP環境設定画面で設定したサービス名が一致するように再度環境設定をしてください。