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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 クライアント使用の手引 TP1/Client/J編


3.2.3 障害情報の採取および機能の調整

障害情報の採取および機能の調整のために,setTraceArray,setDccltextend,およびsetRpcextendの三つのメソッドがあります。各メソッドの指定値は,メソッドを呼び出した時点から有効になります。なお,これらのメソッドを呼び出すと引数で指定した値は,実行時の値として設定され,TP1Clientクラスのインスタンスが存在する間(rpcCloseメソッドが呼び出されるまで),または新たに同一のメソッドが呼び出されるまでの間,有効です。

setTraceArrayメソッド

Javaアプレットでは,Javaのセキュリティ上の制約から実行環境にファイルを作成できません。このため,障害時の情報などをトレース情報としてファイルに取得できません。このような場合,トレース情報を取得するためにメモリトレース機能を使用します。setTraceArrayメソッドでString型の配列を指定しておくと,TP1Clientクラスはこの配列に障害情報を格納します。JavaアプレットまたはJavaアプリケーションでエラー発生時にこのString配列の内容をブラウザに表示するなどして参照し,障害時の原因調査,対策に利用できます。メモリトレースの詳細については,「2.11.4 エラートレース,メモリトレース」を参照してください。

setDccltextendメソッド

実行環境によって差が出る機能を使用するかどうかを指定します。TP1/ServerのSPP側のdc_rpc_get_callers_address関数でTP1/Client/JのIPアドレスを参照できるかどうかを指定できます。Microsoft Internet Explorer 3.0Jでは,TP1/Client/J側で自IPを調べられません。また,Windows 95のマルチホームドホスト形態でこの操作を行うとOS内部で異常が発生するため,デフォルトでは自IPを調べる操作は行いません。

setRpcextendメソッド

TP1/Client/Jから発行するRPCの機能拡張オプションを指定します。RPC機能の拡張レベルを複数指定する場合,それぞれの指定値の論理和を指定します。