1.4.2 OpenTP1で開始したアプリケーションプログラムの動作環境
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SUP,SPP,MHPの標準入力(stdin),標準出力(stdout),および標準エラー出力(stderr)は,OpenTP1によってリダイレクトされます。
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COBOLのSTOP命令を使ってもオペレータからの入力は受け付けられません。DISPLAY命令も使えますが,ほかのUAPからの出力と混ざる場合があります。
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UAPを開始すると,「$DCDIR/tmp/home/ユーザサーバ名.XX」(XXは通し番号を示します)というディレクトリが作成されます。このディレクトリをカレントワーキングディレクトリとして,UAPが稼働します。
このディレクトリはシステム共通定義のprc_current_work_pathオペランドを設定することによって変更できます。
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ユーザID(UID)とグループID(GID)は,ユーザサーバの環境設定時に指定した値になります。
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ルートディレクトリは「/」のままです。
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次に示すファイル記述子が,UAP実行時にはオープンされています。
ファイル記述子0:標準入力ファイル記述子
ファイル記述子1:標準出力ファイル記述子
ファイル記述子2:標準エラー出力ファイル記述子
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umaskは000です。
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制御端末はありません。
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OpenTP1では,UAPのプロセスを生成するときに自動的にUAPのシグナルを設定します。OpenTP1で設定するUAPのシグナルの一覧を次の表に示します。
表1‒7 OpenTP1で設定するUAPのシグナル シグナル名
UAPプロセスの生成時の設定
動作
SIGHUP
SIG_DFL(デフォルト)
exit
SIGINT
SIG_IGN(無視)
ignore
SIGQUIT
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGILL
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGTRAP
SIG_IGN(無視)
ignore
SIGIOT※
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGABRT※
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGEMT
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGFEP
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGKILL
−
exit
SIGBUS
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGSEGV
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGSYS
SIG_DFL(デフォルト)
core
SIGPIPE※
SIG_IGN(無視)
ignore
SIGALRM
SIG_IGN(無視)
ignore
SIGTERM
SIG_DFL(デフォルト)
exit
SIGUSR1
SIG_IGN(無視)
ignore
SIGUSR2
SIG_IGN(無視)
ignore
SIGCLD
SIG_DFL(デフォルト)
ignore
- (凡例)
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−:該当しません。
- 注
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UAPでシグナルの動作を設定する場合,設定したシグナルハンドラ内でexit()やabort()などを呼び出してプロセスを停止させないでください。シグナルハンドラ内でプロセスを停止させた場合,シグナルに割り込まれたときに,OpenTP1のクリティカルな処理を実行しているとOpenTP1システムがダウンします。また,シグナルハンドラ内で外部変数errnoの値を書き換えないでください。
- 注※
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再設定できないシグナルを示します。UAPを作成する際には,プログラム内でこれらのシグナルの動作を設定し直さないでください。